【proco RAT2】唯一無二の個性。ディストーションの一つの完成形

エフェクターレビュー

定番のディストーションとして確固たる地位を築き上げているproco RAT2

同じく定番ディストーションのBOSS DS-1とはまた違った個性がある。

今回はそんなRAT2をギター歴15年の筆者がその魅力をたっぷり紹介したい。

RAT2とは

アメリカのエフェクターメーカーproco社の手掛けるディストーションペダル。
70年代後期に登場。大物ギタリストJeff・beckが使用いていた事で注目される。
度重なる仕様変更を経て現在のRAT2に至る。

太く、荒々しく、良い意味でダーティなサウンドで、著名ミュージシャンが使用している事でもお馴染み。
また、椎名林檎さんの丸ノ内サディスティックの歌詞にも登場している「ラット」とはこのRAT2の事。

RAT2の特徴

ここからはRAT2の特徴を具体的な使用方法などを交えながら解説したい。
が、筆者の主観が存分に含まれている事を念頭に読んで欲しい。

野太くワイルドなディストーション

ディストーションといえばザクザクしたシャープな音のエフェクターが多いイメージだが
RAT2はボワボワした太い音がする。
ディストーションペダルとしては珍しく温かみを感じる音でもある。

定番ディストーションのBOSS DS-1とは対極に位置するキャラクターといえる。

ハムバッカーは勿論、シングルコイルのギターに使用しても太いサウンドを再現してくれるのである意味ギターを選ばない歪みエフェクターとも言えるかもしれない。
RATがギターを選ぶのではなく我々がRATの音を選ぶといった感じだ。

ゲインレンジが広く、クランチサウンドからファズなんじゃないかってくらい極端な歪みまで作れるのも大きな特徴でプレイヤーによってDISTOTIONツマミのセッティングに差が出る面白いペダルだ。

またコンプレッション感が強めなので抑揚のある弾き方には適さない印象。
勢いで弾きまくるプレイスタイルの方が相性が良く感じる。
コンプレッション感が強めという事もあってサステインも長い。

上記の特徴からディストーションと分類されてはいるが、その正体は薄味にしたビッグマフ的なファズディストーションに近い。

ロックは◎メタルは△

前述の通りオールジャンルイケる音では無い。

パワーコードやギターソロではもちろん使えはするんだけど、いわゆるメタルと言われるジャンルでは求められる鋭さが出ないからどちらかというと適してはいない。

RAT2の野太い音が活きるジャンルや編成を考えると、やはりロックミュージック。
尚且つ小編成の方がRAT2の持ち味を活かしやすい。

個人的にはスリーピースロックバンドのギターボーカルというシチュエーションであればベストだと思っている。
使うタイミングとしてはギターソロ。
歌もリズムギターも無くなって薄くなりがちなアンサンブルを野太いサウンドでカバーできる。
ギターソロの時にスカスカになる現象の対策としてボードに組み込んでおくのがおすすめ。

その他ギターインストなどギターが主役の音楽であればハマると思う。

フィルターコントロールで音作り


RAT2の音作りのキモはなんと言ってもFILTERツマミによるイコライジングだ。

右に回すにつれて音がこもり、左に回すにつれてザリっとクッキリした音になるいわゆるローパスフィルター的な効き方をするのが特徴。

真ん中か気持ち左に回して輪郭を整える様な音を作るのがベターではあるんだけど少し右に回して太めに作るのもアリ。

逆にどちらかに回しきって極端な音を作れる点も面白い。

使い所を作ってあげたくなる歪みエフェクターだ。

ベースでも使える

このFILTERの効きと太くワイルドなサウンドはベースとの相性も良く
RAT2を愛用しているベーシストも少なくない。

FILTERの調整でガリッとした派手なトーンから低域の効いたブーミーなサウンドまで作れちゃう。
いずれにせよカッコいいサウンドが出るから
ベースも弾くギタリスト、もしくはギターも弾くベーシストは一台持っていて損はないだろう。

まとめ

70年代後半から現代までRATというエフェクターは多くのギタリストを魅了し、おそらく今後もギタリストの足元にはRATがあるんだと思う。
それくらいRATに魅力ある個性がある。
RAT2はディストーションの一つの完成形と言えるエフェクターだからこそ残り続けるし、楽器業界の保守的な空気がそれを後押ししてくれる事間違いなしだ。

そんな中でRAT3の登場に少し期待している自分がいる。
RATがRAT2になってから30年以上経過している事だし、どうかprocoさん、RAT3の製作をお願いします。

評価チャート

太く存在感のあるサウンド、フィルターツマミでの音作り、ブースター用途やベースにも使用出来る汎用性を考慮し
派手さと汎用性を高く評価した。

無骨なルックスと上部にジャック類がまとまっているのも案外助かるのでデザイン面も高評価。

サイズは大きすぎず小さすぎずまぁ普通のサイズ感かなと。

価格は約¥10,000程度とコスパも良い!

個人的にディストーションの中ではトップクラスに好きな一台。

プロフィール


吉田寛定
中学時代は吹奏楽に打ち込み14歳でギターに目覚め、高校入学後はバンド活動に明け暮れる。その後音楽の専門学校を卒業。アイドルのバックバンド、レコーディングに参加。商店経営、楽器店勤務、ギターインストラクターを経験。趣味は読書と格闘技観戦。

プロフィール
吉田寛定 中学時代は吹奏楽に打ち込み14歳でギターに目覚め、高校入学後はバンド活動に明け暮れる。その後音楽の専門学校を卒業。アイドルのバックバンド、レコーディングに参加。商店経営、楽器店勤務、ギターインストラクターを経験。趣味は読書と格闘技観戦。
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