これからギターを始めようとしている人。
すでにギターを持っているけど、あまり弾けていない人。
おそらく誰もが「ギターが上手くなりたい」と思っているはずだ。
そして、始めたばかりの頃はモチベーションも高く、やる気も十分。
だが時間が経つにつれて、自然とその熱が冷めてしまい、
いつの間にかギターを弾かなくなってしまった──そんな経験はないだろうか?
その背景には、「自分には才能がないのでは?」という思いがあるかもしれない。
でも、それは誤解だ。
筆者が言いたいのはただ一つ。
**ギターが弾ける人と、挫折してしまった人の違いは「才能」ではなく、「習慣」**だということ。
この記事では、ギター上達のために絶対に欠かせない「練習習慣の作り方」について、具体的なテクニックとともに解説する。
習慣こそが上達の鍵
筆者はこれまで、ギター講師として多くの生徒を見てきた。
その中で確信したのは、ギターが上手くなる人と伸び悩む人の違いは、
「練習を習慣にできているかどうか」という点だった。
週1回レッスンに来るだけで、その前後しか練習しない人と、毎日少しでもギターに触れている人。
たった1ヶ月でも、上達の差は歴然だ。
3ヶ月、半年、1年と時間が経つほど、その差はどんどん開いていく。
1年後には、「続けた人」と「続けなかった人」で、まったく違う世界に立っているような状態になる。
なぜ習慣が大事なのか?|脳科学から見る習慣のチカラ
実は、私たちが「意志の力で行動している」と思っていることの多くは、習慣によるものだ。
調査によると、
人間の行動の約半分は
無意識に繰り返される習慣的なもので構成されている
という。
つまり、逆に言えば、「自分に都合の良い習慣を作ることができれば、人生もギターも思い通りに進めやすくなる」ということだ。
ただし、習慣を作ろうとして失敗した経験がある人も多いだろう。
たとえば、ダイエット、筋トレ、禁煙──どれも意志の力だけでは続かない。
でも大丈夫。
習慣は「意志の力」ではなく、「テクニック」で作ることができる。
今日から使える!ギター習慣化のテクニック
① 練習までの手間をとことん減らす
ギター練習の最大の敵は、「面倒くささ」だ。
弾き始めるまでの手間が多いと、それがハードルになって練習にたどり着けない。
そこで意識したいのが、「とにかく準備を楽にする」こと。
具体例:
ギターはケースにしまわずスタンドに出しておく
チューニングは毎回やらず張りっぱなしでもOK(短期間なら問題なし)
ケーブル類は繋いだまま、電源だけ落としておく
教材は開いたページに付箋をつけておく
練習用動画やサイトはスマホのホーム画面にショートカットを作っておく
こういった工夫で、練習までの手間を3〜5分短縮できる。
この「ちょっとのラク」が、習慣化にはものすごく大きい。
② 毎日「触る」ことを目標にする
「毎日1時間練習!」という目標を立てて、3日で挫折したことはないだろうか?
24時間の中から1時間を捻出するのは、意外とハードルが高い。
だから、まずは「ギターに触ること」だけをノルマにしよう。
1日3分、週4回だけでもOK。むしろそれが理想。
触るだけでは上達しない?
そんなことはない。
「触る→気分が乗る→つい弾いてしまう」
この流れができれば、自然と練習時間は伸びていく。
③ 練習前後の行動をルーティンにする
習慣化には「トリガー(引き金)」が必要だ。
つまり、「この行動のあとに練習する」と決めておくと、習慣化しやすい。
たとえば:
朝起きたら水を飲んでギター
帰宅して手を洗ったらギター
夕飯のあとに3分だけギター
歯を磨いたらギターを触る
既にやっている習慣に「ギター」をくっつけるだけで、定着率が一気に上がる。
④ 朝活がおすすめな理由
筆者が特におすすめするのは「朝のギター時間」。
理由はシンプル:
朝は集中力が高く、邪魔が入りにくい
早起きの習慣もつく
スタジオ練習なども意外と空いている時間帯
「朝からやった感」が自信に繋がる
もちろん家庭環境によって難しい場合もある。
でも、朝にギターを弾ける環境を作れるなら、確実に習慣化しやすくなる。

⑤ 目標は「具体的&小分け」にする
「ギターが弾けるようになりたい」ではゴールが漠然としすぎていて習慣に繋がらない。
代わりにこうしよう:
「マリーゴールドを弾けるようになる」
「サビのコードを押さえられるようになる」
「1日3分、週4回ギターに触る」
さらに、目標を小さく分割しておくと進捗も見えるし達成感も得られる。
ギターは習慣がすべてを変える
ギター初心者のうち、8〜9割が1年以内に辞めてしまうと言われている。
だがその中で続けられた人には、必ず共通点がある。
それは──「習慣を作った人」だ。
練習前の手間を減らし、毎日触れて、ルーティン化し、目標を具体化する。
これらはどれも特別な才能ではなく、ちょっとした工夫と意識で誰にでもできることだ。
「継続は力なり」とよく言うが、ギターはまさにその言葉通り。
今日からできることから少しずつ、あなたの「ギターを弾ける人生」を積み上げていこう。