機材レビューはギター向けのエフェクターがほとんどである当ブログですが
GT-1000COREのベース向けのレビュー記事もぼちぼち見てもらえている様なので
今回はBOSSのベース用コンプレッサーBC-1Xについて紹介していこうと思います。
ベースにある程度慣れて来た方が気になるエフェクター
コンプレッサーですが、その中でも人気が高いモデルです。
特徴をおさえた上で、コンプレッサーの操作法も解説しているので
どうぞお付き合いください。
BOSS BC-1Xとは
BOSS BC-1Xはベーシストの演奏に合わせて自然なコンプレッションを生み出すナチュラル系コンプレッサー
入力された信号を細かく分析して適切なエフェクトをかける先進デジタル技術MDPを用いた
BOSSのXシリーズのエフェクターです。
どの帯域でもプレイヤーの演奏に合わせて音色に影響を与える事なく自然なコンプレッションを実現。
ベース本体やアンプのキャラクター、プレイヤーの個性を最大限に表ゲインすることができるベース用コンプレッサーです。
ナチュラル系ベースコンプ
BC-1Xは原音のキャラクターを維持したままコンプレッション効果を得ることが出来る
いわゆるナチュラル系コンプレッサーで、どんなベースプレイに対しても違和感の少ない効果が期待できます。
それを可能にしているのが先進技術MDPで
従来のエフェクターが入力された信号全てに同じだけ効果を加えるのに対し
MDPは入力された信号の帯域や強さに合わせて適切な効果を加えることが出来るもので
例えるならば
従来品は全ての信号を単色のペンキで塗りつぶしているような状態なのに対し
MDPは部位ごとに色鉛筆、クレヨンなど道具を変えたり細かく色分けして出力されるようなイメージです。
よってよりナチュラルなコンプレッション感を実現しているというわけです。
強い音は適度に抑え、繊細な音は持ち上げてしっかり届く様にする
コンプレッサーに求められる仕事はきっちりこなします。
ただ、サウンドキャラクターへの影響が少ないので
コンプレッサーでキャラクターを作っていきたいタイプのベーシストとは相性が悪いエフェクターです。
そういった意味ではナチュラル系コンプレッサーはキャラクターが薄いので
どちらかというと玄人向けとされている印象です。
初めてベースコンプを買うという方は実際に他の定番モデルと弾き比べてみることをお勧めします。
ツマミは4つ
BC-1Xのツマミは
LEVEL 音量
RELEASE 効果時間
RATIO 圧縮率
THRESHOLD 効果範囲
の4つで、コンプレッサーの基本的なパラメーターを調整できるモデルとなっています。
ただ、LEVEL以外はコンプレッサーを触ったことがない方には馴染みのないパラメーターだと思うので
ここで少しだけ解説します。
THRESHOLD
スレッショルドと読みます。
これは効果範囲を示すパラメーターで
指定した音量より大きい音を効果範囲として設定します。
0から100まで音量があったとして
60の位置に値を設定したら
音量が60より大きい範囲に達したらコンプレッサーがかかる
という仕組みになっています。
まずはこのTHRESHOLDを設定して
抑えたい音量の範囲を決めます。
RATIO
レシオと読みます
これは圧縮率を示す値で
THRESHOLDで設定した効果範囲の音量をどの程度圧縮するのかを決める値です。
2:1の場合は半分に圧縮
4:1の場合はその半分に圧縮されるといったように
効果範囲の音量をどの程度抑えるかを設定する
と考えると分かりやすいかもしれません。
圧縮率をMAXまたは∞にすると
THRESHOLDで設定した音量以上の音量が出なくなる
いわゆるリミッターのような効果が得られます。
RELEASE
リリースと読みます
これは効果時間を示す値で
入力された音をどのくらいの長さで効果を加えるかを設定することができます。
短くすればすぐに原音に戻り
長くすればしばらく圧縮が続きます。
個人的には細かいフレーズを弾くときは短く
ゆったりとしたフレーズを弾くときは長めに設定するとより効果的かと思います。
これら3つの値を設定しつつ
圧縮加減によっては音量感が損なわれることがあるので
そんなときはにLEVELで音量感を調整しましょう。
この基本を理解することでBC-1Xをしっかり使いこなすことができます。
ぜひ色んな設定を試してみてください。
その他の特徴
つまみの下にインジケーターが付いており
これにより視覚的でもコンプ感を確認することができます。
耳で聞き、目で見て感覚的にも論理的にも音作りができる優れものとなっています。
また、9Vアダプターを使用するエフェクターですが内部で18Vに昇圧される回路を持っています。
そのおかげでよりハイファイなサウンドを得ることが出来るのも特徴です。
そして他のコンプレッサーに比べてノイズが少ないといことも見逃せない点です。
ある意味、繋げばいい音が出るタイプのエフェクターで
お守り感覚でとりあえずボードに入れるといった使い方をしてもいいかなーと思います。
BC-1Xはこんな人向け
BC-1Xがハマりそうな人は
・ナチュラル系コンプを使ってみたい人
・ベース本体の音を尊重したい人
・初めてのコンプレッサーで失敗したくない人
・様々な奏法を使い分ける人
などです
とは言えコンプ初心者の方はこれ一台だと特徴が掴みにくいかと思うので
是非楽器店で他の定番コンプレッサーと弾き比べてみてください。
評価チャート
最後に評価チャートです。
使いやすさはコンプレッサーとしての基本的なパラメーターが触れるものの
他の定番モデルのようなCOMPツマミで一括設定出来るものの方が簡単ではある。
汎用性は高く様々な奏法で適切な効果を得ることができる。
派手さは無く、ここはナチュラル系コンプレッサーの個性として受け止めよう。
耐久性はBOSSコンパクトペダルならではの高耐久
他のメーカーに比べ圧倒的に壊れにくい上に新品は5年保証つき
ハッキリ言って無敵。
やや勇気のいる価格設定
ただし、コンプレッサーはベーシストの必須機材ではあるので
ここは出し惜しみして欲しくないというのも本音。
以上です。
今後の機材選びの参考になれば幸いです。