BOSS EX-4エフェクトリスト|繋ぎ方から競合比較まで考察

BOSSから新しいマルチエフェクター「EX-4」が発表されました。
コンパクト・エフェクターに近いサイズ感ながら、120種類のエフェクトから最大4つを組み合わせて使える、いわゆる「マルチストンプ」系の製品です。
どうも、新潟市江南区でギター講師をしている吉田です。
EX-4を見てまず気になるのは、
「120種類って、具体的に何が入っているの?」
「ZOOM MS-50G+やLine 6 HX Oneとは何が違う?」
「5万円近い価格に見合う機材なの?」
というところではないでしょうか。
そこで今回は、発表されたばかりのBOSS EX-4について、公式スペックとパラメーター・ガイドをもとに中身を掘り下げていきます。
全エフェクトのリストはもちろん、同時使用できるエフェクト数、センド・リターンやMIDIといった機能、他社の競合モデルと比べたときの特徴まで確認してみました。
2026年9月30日時点、国内では発売前、音質そのものを評価する実機レビューではありません。
現時点で公開されている情報から、
「EX-4はどんなマルチエフェクターなのか」
を、筆者なりの考察も交えながら整理していきます。



国内価格は税込49,500円(イケベ楽器店の9月24日時点の新製品情報)、発売は年内の予定と案内されています。
本記事は公式のスペック表とパラメーター・ガイドをもとに書いており、もし実機を試奏もしくは入手したら音のレビューを別記事で追加します。
BOSS EX-4 Effects Expander
最大4つのエフェクトに、SEND/RETURN・MIDI・DIVIDER/MIXERなどを搭載したBOSSのEffects Expander。発売前のため、最新の価格・入荷状況は商品ページで確認できます。
BOSS EX-4のエフェクトリスト

BOSSの公称はエフェクト・タイプ120種類です。
一方、FX1〜FX4のメニューに並ぶエフェクトは46種類。
このうちOD/DS(35)、DELAY(13)、REVERB(8)、WAH(7)、COMPRESSOR(6)、LIMITER(3)などは、中にさらにTYPEを持っています。
画面上は「46種類のエフェクト+内部TYPE」という二階建てで、以下の表もこの階層に沿って並べています。
ギタリストが先に知っておきたいのは、ベース用の割合です。
ベース専用のエフェクトが8つ、ベース向けのTYPEが10あり、合わせて18項目。
プリセットも128のうち24がベース用です。
ギターで使うものは約100と見ておくのが実態に近いです。
収録エフェクトもほとんどがGXシリーズや、GTシリーズに収録されているものがほとんどで、特段目新しいエフェクトというのは無い印象です。
サンプリング周波数48kHz、AD 24bit、DA 32bit、内部32bit浮動小数点という数字も、GX-10と同じ並びです。
BOSSのマルチエフェクターを触ったことがある人なら、エフェクトの名前を見ればだいたい音の見当がつくのではないでしょうか。
ただし、これだけで内部の処理アルゴリズムまで既存シリーズと同一とは断定できません。
歪み系(OD/DS)|ギター用27TYPE
OD/DSは1つのエフェクトの中に35のTYPEを持ち、そのうち27がギター用です。
DRIVEは0〜120。
原音を混ぜるDIRECT、低域を足し引きするBOTTOM、ソロ用に音色を切り替えるSOLO SWは全TYPE共通です。
| 分類 | TYPE | 元ネタ・キャラクター |
|---|---|---|
| ブースター | MID BOOST | 中域を押し出すブースター |
| ブースター | CLEAN BST | 単体でも使えるクリーン・ブースター |
| ブースター | TREBLE BST | 高域寄りのブースター |
| オーバードライブ | NATURAL OD | クセの少ない自然な歪み |
| オーバードライブ | WARM OD | 温かみ寄りのOD |
| オーバードライブ | BLUES OD | BOSS BD-2風 |
| オーバードライブ | OVERDRIVE | BOSS OD-1風 |
| オーバードライブ | CRUNCH | アンプの歪み感を足したクランチ |
| オーバードライブ | T-SCREAM | Ibanez TS-808のモデリング |
| オーバードライブ | TURBO OD | BOSS OD-2風のハイゲインOD |
| オーバードライブ | CENTA OD | KLON CENTAURのモデリング |
| オーバードライブ | X-OD | MDP(音域ごとに歪みを最適化するBOSS独自技術)のOD |
| ディストーション | DIST | オーソドックスなディストーション |
| ディストーション | A-DIST | MDPで低域から高域まで歪みを揃えるDS |
| ディストーション | FAT DS | 太めのDS |
| ディストーション | LEAD DS | ODの滑らかさとDSの深さの中間 |
| ディストーション | RAT | ProCo RATのモデリング |
| ディストーション | GUV DS | Marshall GUV’NORのモデリング |
| ディストーション | DIST+ | MXR DISTORTION+のモデリング |
| ディストーション | X-DIST | MDPのディストーション |
| メタル | METAL DS | ヘヴィなリフ向け |
| メタル | METAL ZONE | BOSS MT-2風 |
| メタル | HVY METAL | BOSS HM-2風 |
| メタル | METAL CORE | BOSS ML-2風 |
| ファズ | OCT FUZZ | 倍音の多いファズ |
| ファズ | 60S FUZZ | Fuzz Faceのモデリング |
| ファズ | MUFF FUZZ | Electro-Harmonix Big Muff πのモデリング |
BOSS自社の名機はBD-2、OD-1、OD-2、MT-2、HM-2、ML-2が「風」として入っています。
他社の定番はTS-808、KLON CENTAUR、RAT、GUV’NOR、DISTORTION+、Fuzz Face、Big Muffがモデリングです。
BOSSマルチに慣れている人にとってはお馴染みの顔ぶれですね。
個人的にはOD-1風をOD-3風にアップデートして、GT-1000で実装されたSD-1とDS-1も収録してくれたら嬉しいなーと思っているんですが、流石にこの価格で現行モデル盛り盛りにするのは厳しいですよね。
コンプ・ピッチ・シミュレーター系
| エフェクト | TYPE・構成 | 元ネタ・特徴 |
|---|---|---|
| COMPRESSOR | BOSS COMP / D-COMP / ORANGE / X-COMP / STEREO | BOSS CS-3、MXR Dyna Comp、Dan Armstrong Orange Squeezer、MDPコンプ、ステレオ構成(ベース用X-BASSは後述) |
| LIMITER | BOSS / RACK 160D / VTG RACK U | ステレオ構成、dbx 160X、UREI 1178 |
| SLOW GEAR | ― | バイオリン奏法 |
| PITCH SHIFT | 最大2ボイス | ±2オクターブ |
| HARMONIST | 最大2ボイス | キーを指定して調に沿ったハモりを作る(単音) |
| OCTAVE | ― | 1オクターブ下・2オクターブ下を足す |
| HEAVY OCT | ― | 和音を弾いてもオクターブ下を足せる |
| S-BEND | ― | アームでは出せない幅のピッチ上下(-3〜+4オクターブ) |
| PEDAL BEND | ― | エクスプレッション・ペダルでピッチ・ベンド(±24半音) |
| TUNE DOWN | ― | 最大12半音下げ(単音) |
| DEFRETTER | ― | フレットレス・ギター風 |
| AC.GTR SIM | ― | エレキをアコギ風に |
| AC RESO | NATURAL / WIDE / BRIGHT | エレアコのピックアップ音をマイク録り風に |
| SITAR SIM | ― | シタール。バズ・ブリッジのビビリ量も調整できる |
| GUITAR SYNTH | SAW / SQUARE | 単音弾きでシンセ音を鳴らす |
フィルター・ワウ系
| エフェクト | TYPE・構成 | 元ネタ・特徴 |
|---|---|---|
| TOUCH WAH | LPF / BPF / HPF | ピッキングの強弱でフィルターが動く |
| AUTO WAH | ― | 周期的に動くワウ。BPM同期可 |
| WAH | CRY WAH / VO WAH / FAT WAH / LIGHT WAH / 7STRING WAH / RESO WAH | 70年代CRYBABY、VOX V846、太め、クセ控えめ、7弦・バリトン対応、シンセ・フィルター風(ベース用BASS WAHは後述) |
| ENV FILTER | ― | Musitronics Mu-Tron IIIのモデリング |
| HUMANIZER | PICKING / AUTO | 2つの母音(a/e/i/o/u)を行き来する |
| FEEDBACKER | NORMAL / OSC | フィードバック奏法の再現 |
モジュレーション系
| エフェクト | TYPE・構成 | 元ネタ・特徴 |
|---|---|---|
| CHORUS | MONO / DIR/EFX / STEREO | 空間合成のステレオや2相のステレオも選べる |
| FLANGER | ― | STEP RATEで階段状の変化も作れる |
| PHASER | 4 / 8 / 12 STAGE | STEP機能つき |
| SCRIPT PH | ― | 70年代MXR Phase 90のモデリング |
| CLASSIC-VIBE | CHORUS / VIBRATO | フェイザーとは違う独特のうねり |
| ROTARY | ― | 回転スピーカー。SLOW/FASTの切り替えとドライブつき |
| VIBRATO | ― | ピッチの揺れ |
| TREMOLO | ― | 音量の揺れ。波形のカーブを調整できる |
| PAN | ― | 左右に音が飛び交う(ステレオ出力時) |
| RING MOD | ― | 金属的な響き。INTELLIGENTをONにすると音程に追従 |
| SLICER | P1〜P20 | 音を刻むパターン20種 |
ディレイ|13TYPE
ディレイ・タイムは最大2000msまで設定できます。
| TYPE | 元ネタ・特徴 |
|---|---|
| STANDARD | 基本のディレイ。揺らしも加えられる |
| PAN | ステレオ専用。L/Rにタップを振り分ける |
| REVERSE | 逆再生 |
| ANALOG | アナログ・ディレイ風のマイルドな音 |
| SPACE ECHO | Roland RE-201のモデリング。再生ヘッドの組み合わせとワウフラッターを調整できる |
| BIN ECHO | Binson Echorec 2のモデリング |
| GIGA DELAY | BOSS DD-20のSTANDARDモードのモデリング |
| VINT.DIGITAL | 初期デジタル・ディレイ風 |
| SLOW ATTACK | ボリューム奏法のように立ち上がるディレイ |
| SHIMMER | ピッチをずらした音を混ぜる(-24〜+24半音) |
| WARP | 幻想的な広がり |
| TWIST | 攻撃的な回転感 |
| GLITCH | 機関銃のように刻む |
EX-4の中で「コンパクト数台分」の価値が一番わかりやすく出るのはディレイです。
テープ・エコー、大型のヴィンテージ・エコー、BOSSのデジタル・ディレイという実機なら3台分の性格を、1ブロックで切り替えられるからです。
多機能ディレイ的な使い方がこのサイズと価格で出来ると思うと良いプロダクトだなーと思います。
リバーブ・EQ系
| エフェクト | TYPE・構成 | 特徴 |
|---|---|---|
| REVERB | HALL S / HALL M / PLATE / ROOM S / ROOM L / AMBIENCE / SPRING / SHIMMER | 残響時間0.1〜10秒。SHIMMERは2声のピッチ・シフト音を混ぜられる |
| PARA EQ | ― | 4バンドのパラメトリックEQ |
| GEQ | ― | 31.5Hz〜16kHzの10バンド・グラフィックEQ |
| ENHANCER | ― | 音の立ち上がりを強調して輪郭を出す |
リバーブは基本的なモデルに加えてSHIMMERを収録。これも定番化してきました。
ハイカット、ローカットに対応したPARA EQ、事前に決められた帯域のみをコントロールできるGEQの定番EQ二種に加えてENHANCERも搭載。
4スロットという制限がある中で音色補正に2スロット割いてしまうのは勿体ない気もしますが、後述するGLOBAL EQを使用すればスロットを消費せずに全体の補正が出来るので、どうしても必要な時に1スロットだけ補正に割く程度で済みそうです。
ベース用エフェクト|18項目
ベース用は専用エフェクトとして並ぶものと、OD/DSなどのTYPEとして入っているものに分かれます。
| 区分 | 名前 | 元ネタ・特徴 |
|---|---|---|
| 専用エフェクト | BASS SLOW GEAR | ベース用スロー・ギア |
| 専用エフェクト | BASS OCTAVE | ベース用オクターブ |
| 専用エフェクト | BASS DEFRETTER | フレットレス・ベース風 |
| 専用エフェクト | AC BASS | アコースティック・ベース風 |
| 専用エフェクト | BASS SYNTH | ベース・シンセ(SAW / SQUARE) |
| 専用エフェクト | BASS TOUCH WAH | ベース用タッチ・ワウ |
| 専用エフェクト | BASS FLANGER | ベース用フランジャー |
| 専用エフェクト | BASS PHASER | ベース用フェイザー |
| OD/DSのTYPE | BASS OD | ベース用オーバードライブ |
| OD/DSのTYPE | X-BASS OD | MDPのベース用OD |
| OD/DSのTYPE | BASS DS | ベース用ディストーション |
| OD/DSのTYPE | BASS DI | MXR Bass D.I.+のモデリング |
| OD/DSのTYPE | SA DI DRIVE | TECH21 SANSAMP BASS DRIVER DIのモデリング |
| OD/DSのTYPE | HI BAND DRV | 高域だけを歪ませ、低域は残す |
| OD/DSのTYPE | BASS MT | 荒々しい過激な歪み |
| OD/DSのTYPE | BASS FUZZ | ベース用ファズ |
| COMPRESSORのTYPE | X-BASS | MDPのベース用コンプ |
| WAHのTYPE | BASS WAH | 低域を足して音痩せを抑えたワウ |
ちょっとした裏技的なテクニックですが、ギター用のエフェクトでもDIRECTツマミで原音を足す事で低域を損なうことなく使えるので、ベース用としても極端に使えるエフェクトが減るわけではありません。
ギター用の歪みのBLUES ODやRATに原音を加えて使うというのは実機でもお馴染みの使用方法なので是非ベースでも色々試して欲しいです。
同時使用は「4+6」。4つしか使えないわけではない

基本のエフェクトはFX1〜FX4の4枠です。ただしスペック表の最大同時使用数は「4(FX1-4)+6」と書かれていて、次の6つはFX枠を消費しません。
| ブロック | 中身 |
|---|---|
| DIVIDER / MIXER | 信号をA/Bに分けて合流させる。A/Bの音量比、L/Rへの振り分け、B側をわずかに遅らせて広げるSPREADを調整できる |
| SEND / RETURN | 外部ペダルをチェインの任意の位置に挟む。直列のNORMALと、原音と混ぜるDIRECT MIXの2モード。位相の調整と反転つき |
| FOOT VOLUME | 置き場所を選べるボリューム。カーブはSLOW1 / SLOW2 / NORMAL / FASTの4種 |
| NOISE SUPPRESSOR 1 | 置き場所を選べるノイズ・サプレッサー |
| NOISE SUPPRESSOR 2 | 同上。ただし分岐のない直列構成(SERIAL1)では使えない |
| GLOBAL EQ | 出力全体の音質補正。LOW / MID / HIGHとロー・カット、ハイ・カット。設定は3つまで保存可能 |
FOOT VOLUMEと2つのノイズ・サプレッサーは、INPUT、FX1〜4それぞれの位置、SEND/RETURN、分岐後のA・B、MIX、OUTPUTから置き場所を選べます。
GLOBAL EQだけはチェインの途中に置くものではなく、出力全体を整える役割です。
具体例で見ると、手持ちの歪みペダルを1台残した次のボードは、EX-4の中に丸ごと収まります。
FX1:COMPRESSOR → FX2:OD/DS → SEND/RETURN(手持ちの歪み)→ FX3:CHORUS → FX4:DELAY
FXは4つとも使い切っていますが、外部ペダルの出し入れは別枠です。
さらにノイズ・サプレッサーの位置を外部ペダルに合わせれば、歪みのノイズ対策も別枠で済みます。
コンパクトだけで組むと、ここはノイズ・ゲート1台とパッチ・ケーブルが余分に要る部分です。
並べ方(STRUCTURE)は、プリセットを見るとSERIAL1〜2、PARALLEL1〜3の5通りが使われています。
PARALLEL2はL/Rを別々のアンプへ出す構成、PARALLEL3は2本の楽器を別々に入力する構成、SERIAL2はL/Rを独立した2系統として扱う構成です。
DIVIDER / MIXERを使うとこんな組み方ができる
EX-4のルーティングで面白いのが、FX1〜4とは別枠で使えるDIVIDER / MIXERです。
DIVIDERで入力信号をA/Bの2系統に分け、それぞれ別のエフェクトを通したあと、MIXERで再び1つにまとめられます。
A/Bそれぞれの音量バランスを変えたり、左右へ振り分けたり、B側だけをわずかに遅らせるSPREADも設定できます。しかもDIVIDER / MIXER自体は4つのFX枠を消費しません
普通に4つのエフェクトを直列で並べるだけでなく、音の流れそのものを組み替えられるわけです。
いくつか使い方を考えてみます。
基本は4エフェクトを直列につなぐ

まず比較用に、一番普通の使い方です。
COMP → OD → DELAY → REVERB
4つのFXを順番につないでいく形で、一般的なペダルボードと同じ考え方です。
コンプで音を整え、ODで歪ませ、その音にディレイを加え、最後にリバーブをかける。
分かりやすく、普段コンパクトを使っている人なら迷うことも少ないでしょう。
ただしEX-4では、ここからDIVIDER / MIXERを使って信号を分けることができます。
DELAYとREVERBを並列にする

例えば、
COMP → OD → DIVIDER
から、
– A:DELAY
– B:REVERB
に分け、最後にMIXERで合流させます。
直列で
DELAY → REVERB
とつなぐと、ディレイの反復音にもリバーブがかかります。
一方、並列にすればディレイとリバーブはそれぞれ独立して原音を処理し、最後に混ざります。
空間系を深くかけても音が団子になりにくく、
「ディレイははっきり聞かせたいけれど、リバーブでも広げたい」
といった音作りがしやすくなります。
アンビエント系だけでなく、コードやアルペジオでも使いやすそうな構成です。
クリーン系とドライブ系を混ぜる

さらに大胆に、
– A:COMP → DELAY
– B:OD → REVERB
という2系統を作ってMIXすることもできます。
A側ではアタックや輪郭を残し、B側では歪みと残響で厚みを作る。
全部を直列に通すのとは違い、
「輪郭担当」と「厚み担当」を別々に作って最後に混ぜる
という発想です。
似た考え方はベースの歪みで原音を混ぜる場合にも使われますが、EX-4ではエフェクト単体のDIRECT MIXではなく、チェインそのものを2本に分けられます。
ODとFUZZを別々のルートに置いて混ぜれば、芯のある歪みと荒いファズを同時に鳴らすこともできます。コンパクトだけで同じことをする場合は、信号を分岐して再び合流させるための機材が別に必要です。
EX-4ではDIVIDER / MIXERがFX枠の外にあるので、4つのFXをそのまま音作りに使えます。
2つの系統を左右へ分けて出力する

分けたA/Bを再び混ぜず、左右へ別々に出す使い方もできます。
例えば、
– L:COMP → DELAY
– R:OD → REVERB
として、それぞれ別のアンプへ出力。
左は輪郭のあるクリーン系、右は歪みとリバーブを加えた音、といった極端な組み方もできます。
単純なステレオ・ディレイとは違い、左右で使っているエフェクト自体を変えられるのがポイントです。
2台のアンプを使ったステレオ環境なら、かなり変わった音場も作れます。
なお、EX-4はステレオ入出力とSEND / RETURNでR側の端子を共用するため、この使い方をしている間は外部ペダルをEX-4のSEND / RETURNへ入れることはできません。
2本の入力を別々に処理することもできる

PARALLEL3では、INPUT LとINPUT Rから入れた2本の信号を別々の系統として扱えます。プリセット上でも、PARALLEL3は2本の楽器を独立して処理する構成として用意されています。
例えば、
– ch.1:COMP → DELAY
– ch.2:OD → REVERB
という2つのチェインを1台のEX-4内に作るイメージです。
ギター2本を同時につなぐ用途はかなり特殊ですが、
「4つのFXを1本の直列チェインとして使うだけではない」
というEX-4のルーティング自由度が分かりやすい例です。
DIVIDER / MIXERはEX-4の個性が出る部分
エフェクトを4つ同時に使えるだけなら、EX-4より安いマルチ・ストンプもあります。
EX-4らしさが出るのは、
4つのFXをどう並べるかだけでなく、その間をどう流すかまで決められること
です。
直列で4つ並べる。
途中から2系統に分ける。
違うエフェクトを通してから混ぜる。
左右へ別々に出す。
こうしたルーティングをDIVIDER / MIXERがFX枠を使わず担当してくれます。
EX-4を単純な「4エフェクト入りのマルチ」と見るより、4つのエフェクトとルーティング機能を組み合わせる小型ペダルボード・システムと考えた方が、この機材の特徴は分かりやすいでしょう。
FX1〜4には同じエフェクトを4つ並べられる
FX1〜4は「1番は歪み、2番は揺れ物」のようなカテゴリーごとの固定枠ではありません。4つ全部を同じエフェクトにでき、OD/DSを4段重ねることも、DELAYを4つ並べることもできます。

プリセットにはその使い方がすでに入っています。
コーラスをプリ・ディレイ違いで3つ重ねたTRIO CHORUS、WARM ODとファズを並列で混ぜるFUZZ+DSがその例です。
リバーブを2つ直列にしたHi-Fi CHURCH、アナログ・ディレイ2台を並列で混ぜるANALOG LUXDELAYもあります。
実際のボードで使いやすいのは、次のような組み方です。
- OD → OD → CHORUS → DELAY:ブースト寄りのODを前段に置き、ソロで足す
- PITCH SHIFT → CHORUS → DELAY → REVERB:ピッチと空間系で作るパッド
- DIVIDERでA/Bに分け、A=OD、B=FUZZ → MIXERで混ぜる:芯とザラつきを同時に出す並列の歪み
3つ目をコンパクトで組むと、分岐と合流のための機材が別に要ります。EX-4ではDIVIDER/MIXERがFX枠の外にあるので、4つの枠をまるごと音作りに使えます。
「同じエフェクトを最大4つ並べられるのは、EX-4の分かりやすい特徴です。」
EX-4でできること

- 公称120種類(メニュー上は46エフェクト+内部TYPE)から最大4つ+ユーティリティ6ブロック
- 同じエフェクトを4つ並べる
- センド・リターンで外部ペダルをチェインの任意の位置に入れる(NORMAL / DIRECT MIX)
- 直列・並列の切り替えとウェット/ドライの調整(SERIAL1〜2、PARALLEL1〜3)
- モノ/ステレオ入出力
- MIDI:3.5mm TRSのIN/OUT。プログラム・チェンジとCCの受信、MIDIクロックの受信と送信、メモリー切り替え時に最大4組のプログラム・チェンジとCCを外部機器へ送信
- 外部フットスイッチ2つ分、またはエクスプレッション・ペダルの接続(CTL1・2/EXP端子)
- アサイン最大8つ(タップ・テンポ、マスター・バイパス、各ブロックのオン/オフ、ワウやペダル・ベンドのペダル操作など)
- マニュアル・モード(スイッチでブロックをオン/オフ)とメモリー・モード(スイッチでメモリーを切り替え)
- ユーザー128+プリセット128のメモリー。プリセットはボードの先頭に置く想定、末尾に置く想定が説明に書き分けられている
- キャリーオーバー(切り替え後もディレイやリバーブの残響を残す)と、切り替え時の無音をダイレクト音で埋めるSEAM LEVEL
- ギター/ベースの入力設定を10セット保存
MIDIの送信は地味ですが、EX-4のメモリーを切り替えるだけで、MIDI対応のほかのペダルやアンプのチャンネルも一緒に切り替えられるという意味です。
小さなMIDIコントローラーを1台兼ねられます。
GEAR SUITEで「120種類の迷子」を防ぐ
120種類あると、最初にぶつかるのは「どこから触ればいいかわからない」という壁です。GEAR SUITEは、各エフェクトのTYPEごとにプロが調整した設定を複数持っていて、ノブを回すだけで呼び出せる機能です。
呼び出した設定は編集して保存できます。
EX-4のパラメーター用ノブは3つです。
ゼロから全部の値を詰めるより、GEAR SUITEで近い音を呼んでから3つのノブで寄せる方が早く着地します。
エフェクトを選ぶ、GEAR SUITEで方向を決める、微調整する、の3段階です。
マルチの深い階層に慣れていないコンパクト派にとっては嬉しい機能ですね。
EX-4でできないこと

アンプ・シミュレーターがない
GXシリーズのようなAIRDプリアンプも、キャビネットやIRも入っていません。
使い方は「ギター → EX-4 → ギターアンプ」か、既存のペダルボードへの組み込みが前提です。
アンプを通さずにPAやオーディオ・インターフェースへ直接つなぐ用途には向きません。
5つ目のFXは使えない
FXは4枠までです。ユーティリティの6ブロックは別枠ですが、エフェクトを5つ以上重ねたい場合は、外部ペダルをループに入れるか、別軸機を選ぶことになります。
本体だけでは4ブロックを個別に踏めない
本体のフットスイッチは2つで、マニュアル・モードの初期設定ではFX1とFX2のオン/オフです。FS-6やFS-7のようなデュアル・フットスイッチを1台つなぐとスイッチ3・4が増え、4ブロックを足元で個別に操作できます。
電池では動かない
電源はACアダプター(PSA-100S付属)のみで、消費電流は300mAです。パワーサプライでまとめる場合は、300mA以上取れる出力に挿す必要があります。
とは言え300mA程度で動いてくれるのはありがたい。
ルーパーは入っていない
エフェクト一覧にルーパーはありません。
LINE6のHX Oneのようにルーパーを兼ねる使い方はできません。
スペックを読んで気になった2つの点
ステレオとセンド・リターンは同時に使えない
EX-4の音声端子は、INPUT L/MONO、INPUT R(RETURN)、OUTPUT L/MONO、OUTPUT R(SEND)の4つです。
センド・リターンはR側の2つを使うため、設定のS/R MODEで「STEREO I/O」と「SEND/RETURN」のどちらかを選ぶ仕組みになっています。
そのため、ステレオのディレイやリバーブを2台のアンプで鳴らしながら、手持ちの歪みをループに入れる組み方はできません。
モードを切り替えるときはケーブルを抜き差しするよう取扱説明書にも書かれているので、曲ごとに行き来する使い方にも向きません。
ステレオで組むなら、手持ちのペダルはEX-4のループではなく、ボード上でEX-4の前に並べる形になります。
モノラルで組むなら、ループで外部ペダルをチェインの中に入れられます。
ステレオ派は分岐出力が、モノ派はループがEX-4を選ぶ理由になり、両方を同時には取れません。
ここは購入前に確認しておきたいところです。
意外と大きいし重い(幅117mm・800g)
EX-4は幅117×奥行138×高さ63mm、800gです。BOSSのコンパクト(幅73mm)の約1.6台分の幅があり、MS-50G+(幅79mm・353g)やHX One(幅96mm)と比べると、マルチ・ストンプ系の中では大きい部類に入ります。
見方を変えると、コーラス、ディレイ、リバーブ、コンプの4台をEX-4に移せば、コンパクト4台分の幅が117mmに収まる計算です。1台を足すと考えるか、何台を置き換えると考えるかで、この大きさの評価は逆になります。
EX-4の接続・活用例|他の機材とどう組み合わせる?

EX-4の面白いところは、これ1台ですべてを完結させる必要がないことです。
むしろ、
- お気に入りの歪みはそのまま使う
- アンプのセンド・リターンに入れる
- 外部ペダルをEX-4の途中に挟む
- 2台のアンプへステレオで送る
- 別のマルチエフェクターを拡張する
といった使い方ができます。
ここでは、EX-4を既存の機材と組み合わせる接続例をいくつか考えてみました。
① コンパクト+EX-4|一番シンプルな使い方

ギター → COMP → OD → EX-4 → アンプ
最も分かりやすいのがこの形です。
お気に入りのコンプレッサーやオーバードライブはコンパクトのまま残し、EX-4にコーラス、ディレイ、リバーブ、ピッチ系などを任せます。
EX-4を「4台分のエフェクターを追加する箱」として使うイメージです。
特に、
歪みはコンパクト、空間系と飛び道具はEX-4
という分担は使いやすそうです。
コンパクト中心のボードからEX-4へ移行するときも、まず試しやすい接続でしょう。
② 外部プリアンプをEX-4の途中に入れる

ギター → OD → EX-4 → アンプ
EX-4 SEND/RETURN → IR-2などの外部プリアンプ
SEND/RETURNを使えば、外部機材をEX-4内部のチェインへ組み込めます。
例えばBOSS IR-2のようなアンプ/キャビネット系ペダルを入れれば、
COMP → OD → IR-2 → CHORUS → DELAY
のように、プリアンプの前後へEX-4のエフェクトを配置できます。
これは単純にEX-4の前か後ろへペダルを置くのとは違うところです。
SEND/RETURNそのものをチェイン内で動かせるので、外部機材をEX-4の一部として扱えます。
※IR-2のCAB設定や出力設定は接続するアンプやPAによって変わります。
③ お気に入りの歪みだけEX-4内部へ組み込む

ギター → EX-4 → RV-6 → アンプ
EX-4 SEND/RETURN → DS-1
例えば「DS-1だけは実機を使いたい」という場合。
DS-1をSEND/RETURNへ入れれば、
EX-4内部のCOMP → DS-1 → EX-4内部のCHORUS
のようなチェインも作れます。
さらにEX-4の後ろへRV-6などを置けば、外部ペダルを
- EX-4の前
- EX-4内部
- EX-4の後ろ
の3か所へ振り分けることもできます。
EX-4はコンパクトを排除するのではなく、コンパクトの置き場所を増やせる機材と考えた方がしっくりきます。
④ 歪みはアンプ前、EX-4はアンプのエフェクト・ループへ

ギター → COMP → OD → DIST → アンプINPUT
そして、
アンプSEND → EX-4 → アンプRETURN
という接続です。
アンプのプリアンプで歪ませる人には、この使い方もかなり現実的です。
コンプやオーバードライブ、ディストーションはアンプの前。
EX-4では、
- CHORUS
- PITCH SHIFT
- DELAY
- REVERB
などを使い、アンプのセンド・リターン側へ置きます。
つまりEX-4を空間系・モジュレーション系マルチとして使う方法です。
アンプの歪みを中心に音を作っている人なら、EX-4のアンプ・シミュレーター非搭載もほとんど問題になりません。
⑤ ステレオで2台のアンプを鳴らす

ギター → COMP → OD → EX-4 → アンプL / アンプR
EX-4はステレオ出力にも対応しています。
PAN DELAYやステレオ・コーラス、リバーブなどを使い、左右それぞれ別のアンプへ送ればかなり大きな広がりを作れます。
特にEX-4には、
- PAN
- STEREO CHORUS
- PAN DELAY
- DIVIDER / MIXER
など、ステレオで使って面白い機能があります。
ただし前述した通り、EX-4のSEND/RETURNとステレオ入出力は同時使用できません。
そのためこの構成では、コンパクトはEX-4の前に置く形になります。
⑥ GT-1000COREなど別のマルチを拡張する

EX-4はコンパクトだけでなく、別のマルチエフェクターと組み合わせる方法もあります。
例えばGT-1000COREのSEND/RETURNにEX-4を接続。
GT-1000CORE側から見れば、EX-4そのものが1つの外部エフェクトになります。
EX-4では最大4つのFXを使えるため、
「GT-1000COREのループへ、4エフェクトをまとめて追加する」
という使い方ができます。
GT-1000CORE側でアンプ、基本的な歪み、ルーティングを作り、EX-4を
- 飛び道具
- 特殊なディレイ
- ピッチ系
- モジュレーション
専用にするのも面白そうです。
MIDIも備えているので、単純に音声を接続するだけではなく、システム全体を連動させる余地もあります。
⑦ ギター2本をそれぞれ別系統で処理する

EX-4には、2本の楽器を別々に扱うPARALLEL3という構成があります。
例えば、
ストラト → EX-4 → アンプA
レスポール → EX-4 → アンプB
という構成。
1台のEX-4を2系統のエフェクト・システムとして使うイメージです。
2人で同時に演奏する用途はもちろん、
- ギターを2本スタンバイしておく
- ギターごとに別のエフェクト設定を用意する
- 左右でまったく違う音を作る
といった応用も考えられます。
普通のコンパクト型マルチを見ていると想像しにくい使い方ですが、DIVIDER/MIXERを含めたEX-4のルーティング機能を考えると、こうした使い方もできます。
メンバーのエフェクターボードからEX-4に入れて同じ設定のリバーブをかけてから各アンプに接続する事で響きを合わせる。など使い方を考えるのも楽しいですね。
EX-4は「どこに置くか」で役割が変わる
こうして接続例を並べると、EX-4には決まった置き場所がありません。
歪みの後ろに置くマルチ
としても使えますし、
アンプのエフェクト・ループへ入れる空間系ユニット
にもなります。
さらにSEND/RETURNを使えば外部ペダルをEX-4の内部へ取り込み、別のマルチエフェクターと組み合わせることもできます。
このあたりは、アンプからキャビネットまで1台で完結させる一般的なマルチエフェクターとは少し発想が違います。
EX-4の場合、
「これ1台で何ができるか」より「今持っている機材に何を足せるか」
で考えた方が、この製品の特徴は分かりやすいでしょう。
ZOOM MS-50G+との違い

| 項目 | BOSS EX-4 | ZOOM MS-50G+ |
|---|---|---|
| 同時使用エフェクト | 4+ユーティリティ6 | 6 |
| エフェクト数 | 120種類(46エフェクト) | 本体102種類+追加エフェクト配信あり |
| アンプ/プリアンプ | なし | プリアンプ22種類(マルチレイヤーIR) |
| 入出力 | ステレオ入出力(ループ使用時はモノ) | モノ入力・ステレオ出力 |
| センド・リターン | あり | なし |
| MIDI | TRS IN/OUT | なし |
| 外部スイッチ/EXP | あり | なし |
| メモリー | ユーザー128+プリセット128 | 100(うちプリセット85) |
| 電源 | ACアダプターのみ(300mA) | 単3電池2本(約7時間)/ACアダプター/USB |
| 幅×奥行 | 117×138mm | 79×133mm |
| 重量 | 800g | 353g(電池除く) |
| 価格 | 税込49,500円(国内予定価格) | 15,900円(ZOOM STORE価格) |
価格はEX-4がMS-50G+の約3倍になります。エフェクトを足すだけなら、同時使用6つでプリアンプまで入り、電池でも動くMS-50G+の方が合理的です。
EX-4が約3倍という価格差の理由になるのが、センド・リターン、MIDI、外部スイッチとEXP、FX枠の外の分岐・ミキサーとノイズ・サプレッサーを使い、手持ちのコンパクトごとボードを組み直したい場合です。
エフェクトの種類を増やしたいならMS-50G+、ボードの配線ごと組み直したいならEX-4を選びます。
HX One・GXシリーズ・HX Effectsとの違い

HX One・PX-1
Line 6のHX Oneは、Helix系の250種類以上から1つを選んで深く使うペダルです。
Flux、入力インピーダンスの切り替え、MIDI、ルーパーを持ち、実売は4万〜5万円台で、EX-4に近い価格帯に並びます。
歴代コンパクトを1台ずつ呼び出すBOSSのPX-1も、同じ1エフェクト機です。
足りないのが特定の1台の音ならこの2機種、ボードの中の複数の役割ならEX-4、と切り分けられます。
GX-1・GX-10・GT-1000CORE
価格はGX-1(税込33,000円前後)とGX-10(5万円台後半)の間で、GT-1000CORE(7万円台)とも大きくは離れていません。
ただしGXやGTはアンプを含めたシステムを1台で作るプロセッサーで、EX-4は実機アンプの手前、もしくはセンドリターンに置く前提で作られています。
ギター → GX/GT → PA・オーディオ・インターフェース
ギター → コンパクト → EX-4 → コンパクト → ギターアンプ
実機アンプとコンパクトが中心なら、同じ5万円前後で先に候補に入るのはEX-4の方になります。
GX/GT系はアンプ・シミュレーターまで含めてシステムを構築できるのに対し、EX-4はアンプ機能を省き、既存のペダルボード拡張に機能を振っています。
アンプモデルが不要なら、EX-4の設計思想の方が噛み合いやすいでしょう。
HX Effects
最大9エフェクト、フットスイッチ8基、センド・リターン2系統を持ち、ボード全体の司令塔として動くペダルというかもはやこれ一台でボード1枚分です。
実売は9万〜10万円台。
ボードの大半をデジタルに寄せるなら、こちらも候補に入ります。
用途別に候補を整理すると
| こんな人 | 候補になる機種 |
|---|---|
| 安さと小ささを優先して、エフェクトを一通り足したい | ZOOM MS-50G+ |
| アンプまで1台で完結させたい | BOSS GX-1 / GX-10 / GT-1000CORE |
| 1つのエフェクトを深く使いたい | Line 6 HX One(BOSSの名機1台ならPX-1) |
| ボード全体を1台で司令したい | Line 6 HX Effects |
| 手持ちのペダルを残して、4エフェクト分とループ・MIDIを足したい | BOSS EX-4 |
EX-4が向かないのは、アンプを持たずにライン直結で完結させたい人、電池で身軽に持ち歩きたい人、ステレオ出力と外部ペダルのループを同時に使いたい人です。
コンパクト中心のボードで最初に移すなら、COMP、CHORUS、DELAY、REVERBの4つが使い方をイメージしやすい組み合わせです。歪みはコンパクトのまま残し、毎回は踏まない揺れ物と空間系をEX-4に任せる形になります。
EX-4が登場した意味を考える

ここからは筆者の考えです。
近年のギター機材は、はっきりとマルチ・エフェクター中心に動いています。
アンプ、キャビネット、エフェクト、ルーティングまで1台で完結するプロセッサーの音はここ数年で格段に良くなり、GXシリーズ、Helix、Quad Cortex、TONEXと選択肢も揃いました。便利で、音も良い。これは間違いありません。
一方で、コンパクトにはそれとは別の楽しさがあります。
オーバードライブ1つとっても無数の商品があり、この歪みとこの歪みを重ねたらどうなるか、このペダルをディレイの前に入れたらどうなるか、と試行錯誤できます。
音作りそのものを趣味として遊べるのがコンパクトです。
そしてBOSSは、世界最大級のマルチ・メーカーであると同時に、コンパクトを作り続けてきたメーカーでもあります。
GX-1とは正反対のアプローチ
GT-1は長年、「初めて買うマルチ」の定番でした。今年GX-1が出て、そのポジションも次の世代へ移りつつあります。楽器店の店頭でも教室でも、最初の1台がマルチという人は珍しくありません。
ギターを始める、マルチを買う、エフェクトはマルチの中で完結する。
この流れは便利ですが、BOSSが長年作ってきたコンパクトとは別の方向でもあります。GX-1が「1台で完結させる」方向の最新作なら、EX-4はその反対側に置かれた製品です。
EX-4は「コンパクトを捨てなくていいマルチ」
EX-4は「これ1台に全部置き換えてください」という製品ではありません。お気に入りのオーバードライブは残す。気に入っているファズも残す。そのうえで、コーラスは毎回使わない、ピッチ・シフターは1曲だけ使いたい、ディレイは何種類か切り替えたい、という部分をEX-4に任せる。そういう製品です。
名前にも表れています。BOSSはEX-4を「Effects Processor」ではなく「Effects Expander」と名付けました。英語の発表でも、「今うまくいっている部分は変えずに、ボードの幅を広げる」と打ち出しています。

EX-4はBOSSコンパクトへの入り口にもなる
これは事実ではなく、筆者の読みです。
EX-4のリストには、BD-2、OD-1、OD-2、MT-2、HM-2、ML-2、CS-3、DD-20と、BOSSの歴代ペダルにつながる名前が並びます。
ここで気に入った音が見つかれば、「本物のBD-2を使ってみよう」「HM-2Wは何が違うんだろう」と、実機への興味につながります。
BOSSの顔とも言えるDS-1とSD-1の名前がリストにないのも面白いところです。
意図はわかりませんが、EX-4で見つけた音の本物を探しにいくとき、行き先の一番手にこの2台が残っています。
EX-4は、BOSSコンパクトの大きなショーケースとしても働く製品です。
EX-4から見える、BOSSとコンパクトのこれから
全部入りのマルチが当たり前になる中で、BOSSは2025年に<a href=”https://gainfomation.net/boss-px1/”>PX-1</a>を、今年はEX-4を出しました。公式サイトではEX-4が「EX Series」という新しいカテゴリーに置かれていて、今後の展開も少し期待したくなります。少なくとも、BOSSがコンパクトとペダルボードの文化を手放す気がないことは伝わってきます。
EX-4そのものも面白い機材ですが、個人的には、この先BOSSがどんなコンパクトを出してくるのか、の方が楽しみになりました。
まとめ
EX-4は、コンパクトを置き換えるマルチではなく、コンパクト中心のボードを広げるマルチです。
この記事のポイント
- 120種類の中身は46エフェクトとTYPEの二階建て。うちベース用が18項目
- 同時使用は4+6。ループ、分岐・ミキサー、ノイズ・サプレッサー2基、フット・ボリューム、グローバルEQはFX枠の外
- FX1〜4は固定枠なし。同じエフェクトを4つ並べることも可能
- ステレオ入出力とセンド・リターンはどちらか一方
- アンプ・シミュレーターなし。実機アンプとコンパクトが中心のボード向け
手持ちのボードから「毎回は使わないけれど、ないと困るエフェクト」を書き出してみてください。
それが4つ前後に収まり、ステレオかループかを決められるなら、EX-4はその枠にちょうどはまります。
























