ディレイタイム計算&リバーブ設定を自動化するツールを公開しました

空間系エフェクトの設定を「勘」から「計算」へ。あなたの音作りをスマートにする無料ツールを公開します。
どうも、7丁目ギター教室新潟江南校の吉田です。
ディレイタイムやリバーブの残響時間、私自身、長年「なんとなく心地よい長さ」でツマミを回して設定していました。
もちろん最終的なジャッジは耳で行うべきですが、基準となる数値がないまま調整を始めると、バンドアンサンブルの中で音が濁ったり、リズムのノリが悪くなったりして、迷宮入りしてしまうことも少なくありません。
結論から言うと、BPMに基づいた正確な数値を導き出すことで、空間系エフェクトの設定は劇的に早く、そしてクリアになります。
ギター歴18年、これまで数多くのマルチエフェクターやコンパクトペダルと格闘してきた私が、「手元でサクッと確認できるものが欲しい」という超個人的な理由から、当ブログにに2つの計算ツールを追加しました。
- ディレイタイム計算ツール
- リバーブテール計算ツール
どちらもブラウザ上で無料で使えます。
トップページ内にリンクを配置しました。
この記事では、各ツールの開発経緯や使い方、そして「意図的な空間設計」がもたらすメリットについて淡々と解説していきます。
ディレイタイム計算ツール

なぜ作ったか
「ディレイタイム 計算」で検索すると、英語のツールや単なる計算式だけが載っているページが多く、スマホでサクッと使いやすい日本語のツールが意外と見当たりませんでした。
確かにタップテンポ対応のエフェクターは増えましたし、最新のマルチエフェクターなら音符指定で自動計算してくれるものも多いです。
しかし、「曲のBPMが変わるたびにメニューの奥深くまで潜るのが面倒」「コンパクトディレイのツマミをms(ミリ秒)で正確に合わせたい」という場面は多々あります。
そんな時に、手元で一瞬で数値を割り出せるツールが欲しかったのです。
何ができるか

楽曲のBPMを入力するだけで、以下の音符に対応するディレイタイム(ms)を一覧でパッと表示します。

- 全音符・2分音符・4分音符・8分音符・16分音符・32分音符
- それぞれの付点(×1.5倍)
- それぞれの三連符(×2/3倍)
さらに、ms(ミリ秒)表示とHz(周波数)表示の切り替えも可能。
算出された数値をクリックするだけでクリップボードにコピーされるため、DAWのプラグインやPCエディターに数値を打ち込む際にも地味に便利です。
使い方
BPMの入力方法は、状況に合わせて3通り用意しました。
- 直接入力:テンポが分かっている場合は数字を直接打ち込む。
- スライダー調整:20〜300 BPMの間でスライダーを動かして感覚的に合わせる。
- TAP機能:TAPボタンを曲に合わせて連打し、BPMを自動計測する(4拍以上叩くと精度が安定します)。
BPMが決まったら、エフェクターで設定したい音符の行を探して、数値を設定するだけです。
▶ ディレイタイム計算ツールはこちら

コラム:付点8分音符はなぜよく使われるのか
U2のジ・エッジをはじめ、多くのギタリストが多用する「付点8分音符」のディレイ。
これが重宝される理由は、4分音符と8分音符の間を埋めるように音が返ってくることで、シンプルに弾いても複雑なポリリズムが生まれるからです。
単音のアルペジオやシンプルなカッティングにかけるだけで、まるで2人で弾いているような広がりのあるサウンドになります。
ツールで「付点」の列を確認して、ぜひ一度あなたのペダルで試してみてください。
リバーブテール計算ツール

なぜ作ったか
ディレイタイムをBPMに合わせるという意識を持っているギタリストは多いですが、「リバーブのDecay Time(残響時間)をBPMに合わせて設定する」という発想を持っている人は、意外と少ないのではないでしょうか。
ふと「BPMいくつで、何小節分(何拍分)リバーブを残したいか」を逆算して設定できたら、もっとアンサンブルに馴染むよな、と思い立ったのが開発のきっかけです。
マルチエフェクターでも、ディレイは音符指定できてもリバーブは秒数(s)設定のみ、という機種は少なくありません。
リバーブの長さを楽曲のリズムに対して意図的に設計できるようになると、音の飽和(マスキング)を防ぎ、タイトでクリアなサウンドを作ることができます。
何ができるか

BPMと「何拍(または何小節)リバーブを残したいか」を設定すると、以下の値を自動で導き出します。

- Decay Time(ms / 秒):エフェクターのDecayパラメーターに入力する直接的な値。
- 拍数・小節数の換算:設定した長さが、楽曲の中でどれくらいの長さに相当するかを表示。
- プリディレイ推奨値:64分・32分・16分・8分音符に対応した4パターンのプリディレイ(初期反射までの遅延時間)を提示。
- タイムラインビジュアライザー:プリディレイとリバーブテールの長さを視覚的なバーで確認できます。
使い方
ステップ1:BPMを設定する ディレイ計算ツールと同様に、数値入力・スライダー・タップテンポの3通りから入力します。
ステップ2:拍子を設定する 3/4・4/4・5/4・6/8・7/8から、楽曲の拍子を選択します。これが小節の長さの基準になります。
ステップ3:リバーブの長さを設定する 「拍で指定」か「小節で指定」を選び、スライダーまたはプリセットボタンでテールの長さを決めます。
- 拍モード:1〜32拍の範囲で指定
- 小節モード:1〜8小節の範囲で指定
ステップ4:結果をエフェクターに入力する 表示されたDecay Time(ms)をエフェクターのDecayパラメーターに入力してください。
例えば、BOSS GX-1のHall/RoomなどはDECAYが「0.1s〜10.0s」で設定できます。ツールでは秒数(s)表示も同時に出るため、頭で変換することなくそのまま使えます。
また、プリディレイも合わせて設定するのがプロの隠し味です。16分音符程度のプリディレイを入れるだけで、原音のアタック(輪郭)をクリアに保ちながら、後ろにフワッと自然な空間が広がるようになります。
▶ リバーブテール計算ツールはこちら

まとめ:空間を「設計」する楽しさ
| ツール | 主な用途 | 算出・設定する主なパラメーター |
|---|---|---|
| ディレイタイム計算 | BPMから最適なディレイのms(ミリ秒)を調べる | 全音符〜32分音符、付点、三連符のms/Hz |
| リバーブテール計算 | 楽曲の中でリバーブを何拍・何小節残すか設計する | Decay Time(ms/秒)、プリディレイ |
どちらのツールも、エフェクターの空間系設定を「なんとなく」から「意図的」なものへ変えるための補助輪です。
特にリバーブテール計算は、「バンドで合わせると自分のギターが奥に引っ込んでしまう」「リバーブが邪魔をしてベースやドラムと被る」と感じたときに見直すと、劇的にサウンドが改善する場合があります。
今後も、日々のギターライフや音作りに役立つツールを思いつき次第実装していく予定です。「こんなツールがあったら便利だな」というリクエストがあれば、ぜひコメントやお問い合わせフォームから教えてもらえると嬉しいです。
日々の練習や音作りに、ぜひ一度試してみてください!







