エフェクターレビュー

SD-1とBD-2の違いを徹底解説|BOSS定番ODペダルの選び方と実用比較

「SD-1とBD-2、二つともよくおススメに上がるけど、何が違うの?」
この疑問、ギター初心者〜中級者なら一度はぶつかるはず。

どちらもBOSSの定番モデル。黄色いSD-1に青いBD-2、よく定番オーバードライブとして名前は見かけるけど方向性が全く違う
選び方を間違えると「なんか思ってたのと違う…」となることも多い。

結論から言うと、

  • SD-1はブースター的用途に向いた、玄人好みの味付け系

  • BD-2は良く歪むし、ブースター適性もある万能型OD

BD-2の方が万能ならSD-1いらなくね?となるかもだけど、まぁそんな単純な話でもない。

自分の使い方やアンプ環境、好きなジャンルに合わせて選ぶと失敗しない。

この記事ではそれぞれの特徴、音のキャラ、セッティングの実例、試奏時の注意点まで、実用目線で徹底解説していく。

SD-1とBD-2、それぞれどんなペダル?

🔸 BOSS SD-1(SUPER OverDrive)

1981年に登場して以来、長きにわたり愛され続けている**「中域押し出し系OD」**。
BOSS定番の黄色い筐体で、プロから初心者まで広く支持されている。

  • 非対称クリッピングによるナチュラルな歪み

  • ブースター用途での使用が定番(チューブアンプとの相性◎)

  • 中域にピークがあり、ソロ時に抜ける音を作りやすい

  • 単体での歪みは軽め。「主役」よりも「支援役」として使うのが本領

特にマーシャル系やゲインチャンネル付きのアンプに合わせると、一段階押し出してくれる絶妙な加減が気持ち良い。

🔹 BOSS BD-2(Blues Driver)

ブルースドライバーという名前だが音楽ジャンルのブルースとの親和性には疑問があり、実際は非常にレンジが広く伴奏向きな歪みペダル
ブルースを弾きたくなるペダルという訳ではない。

  • クリーン〜ファズ手前まで対応できる広いゲインレンジ

  • 繊細なピッキングニュアンスにしっかり追従

  • 単体で十分歪む歪みペダル

  • JC-120との相性が非常に良く、12時セッティングでも“即戦力”の音

歯切れの良いカッティング、奥行きのあるバッキング、ジャリっとした軽めのリードまで対応可能。
「1台で幅広くカバーしたい」という人にぴったり。

音のキャラと使い方をざっくり比較

比較項目SD-1BD-2
音の傾向ミドル強調・押し出し系ドンシャリ傾向・レンジ広め
歪みの幅やや狭め(補助的)広い(クリーン〜ファズ手前)
単体での完成度△(チューブアンプ前提)◎(JCでもOK)
ブースター適性
相性の良いアンプチューブアンプ(マーシャル系など)JC-120などのクリーンアンプも◎
得意ジャンルロック、ハードロック、80s系J-ROCK、ポップス、ロキノン系

SD-1の特徴:中域を押し出す、職人系ブースター

BOSSのロングセラー「SD-1(SUPER OverDrive)」は、単体で歪ませるよりもブースター的な使い方が本領発揮

中域に特徴があり、ピッキングに対する反応も鋭い。特にソロで音を前に出したい時や、チューブアンプを一段階ドライブさせたい時に効果を発揮する。

ただし注意点もある。

JC-120のようなクリーンアンプで使うと「なんかしょぼい」「ペラい」と感じやすい。あくまで歪んだアンプを押し出す用途向け。その点で初心者が最初に選ぶには少し上級者向けとも言える。

歪んだアンプをプッシュすることで音がギュッと締まって押し出される印象。

まれにクリーンアンプに繋いで歪ませると気持ちがいいという人も居るがこれはかなり玄人的な視点が含まれている可能性がある。
試奏のタイミングで一応試してもいいかも。

❌ JC-120でSD-1を試すのは避けたい

SD-1はクリーンアンプとの相性が微妙。特にJC-120ではペラくなりがち。
「全然良さが分からなかった…」という声も多い。

逆にBD-2はJC-120でも本領発揮。初めての試奏なら断然BD-2の方が分かりやすく気持ちいい音が出せる

BD-2の特徴:単体でもしっかり歪むオーバードライブ

「BD-2(Blues Driver)」は、名前に“ブルース”とあるけど、実はかなり幅広く使える万能OD。

ツマミ全て12時にしてJC-120に繋ぐだけでも、気持ちの良いドライブトーンが得られる。この点がSD-1と大きく違うところ。

オーバードライブと一口に言ってもほとんど歪まないモデルからがっつり歪むモデルまで様々ある。
それで言うとBD-2は後者のタイプなので初心者にも分かりやすい。

ゲインを上げればファズ手前のぐしゃっとした歪みまで出せるし、絞り切ればクリーンブースターとしても使える。
カッティングやバッキングの気持ちよさは抜群で、ロキノン系やJ-POPなどでジャキッと弾きたい人には特にハマる

半面ハードロックやメタル系のサウンドを作るのは苦手
リードサウンドよりは歌モノの伴奏で本領を発揮するタイプ。

初心者でも挑戦しやすい難度の曲との相性が良いともいえる。

BD-2は実は“優秀なブースター”でもある

BD-2といえば「単体で十分に歪むOD」という印象が強いが、実はブースターとしてもかなり優秀だ
SD-1ほどクセが強くない分、“素直にプッシュする”タイプのブースターとして重宝されている。

SD-1が中域をグッと押し出す“味付け型”のブースターだとすると、
BD-2はキャラを変えずに純粋に持ち上げる“補正型”ブースターと言える。

BD-2は最大音量もかなり大きい方なので、しっかり押し出す用途でも活躍してくれる。

試奏する時のセッティングと注意点

✅ チューブアンプでのブースター用途(SD-1 / BD-2共通)

ツマミ設定意図推奨位置
GAIN歪ませない(荒さ追加のみ)最小〜9時
LEVEL押し出し/音量アップ13時〜MAX
TONE高域補正SD-1:9時〜11時
BD-2:絞り切ってもOK(8時〜9時)

上の表はあくまで目安値だが
SD-1もBD-2も、ブースターとして使うときはGAINは最小に、LEVELは上げめから始めてみよう。
ゲインは押し出すというより“荒々しさ”を足すイメージ。

どっちを選ぶべき?まとめ

✅ SD-1が向いている人

  • チューブアンプを使っている(またはハイゲインアンプ)

  • すでにメインの歪みがあり、それを押し出したい

  • ソロ時に音を前に出したい

  • ハードロックやインストなどギターが目立つ曲が好き

✅ BD-2が向いている人

  • 最初の歪みペダルを探している

  • JC-120などクリーンアンプをしっかり歪ませたい

  • コードカッティングや歯切れの良い音が好き

  • メインの歪みもブースターも興味ある

筆者のおすすめ(あくまで私見)

「とりあえず1台目として安心して使えるのはBD-2。どんな環境でもそれなりに仕事をしてくれる懐の広さがある。」

「SD-1は“押し出すための道具”として優秀。ただしアンプありきなので、環境が整ってないと魅力が分かりにくいかも。」

SD-1もBD-2も、どちらもBOSSを代表する名作ペダル。
「どちらが上」ということはなく、どう使いたいか、どんな環境で使うか、どっちが好きか、で決めて欲しい。

どちらにするか迷ったら、楽器店で実機を弾き比べて「なんか好き」と感じる方を選んでみてほしい。

音だけでなくデザインも含めて楽しむのがギター機材の醍醐味。
理屈は分からくても、良いと感じたらそれが、自分にとっての“正解のペダル”になるはずだだ。

ABOUT ME
吉田寛定
新潟市在住のギターインストラクター。 趣味ギタリストに向けた“ちょうどいい温度感”の発信を心がけています。 新潟市江南区のギター教室|7丁目ギター教室にて無料体験レッスン受付中。亀田・横越エリアの方はぜひどうぞ。