ギターが続かないのは弦のせい?コーティング弦が変える練習環境

「弦をケチることは、上達への最短ルートを自ら捨てているのと同じだ。」
どうも、7丁目ギター教室新潟江南校の吉田です。
「まだ下手なんだから、500円くらいの安い弦で十分だろう」
「切れるまで張り替えないのが美徳」……もしあなたがそんなふうに思っているなら、今すぐその考えをアップデートする必要があります。
結論から言うと、ギター初心者こそ「Elixir(エリクサー)」などの高級コーティング弦を張るべきです。それは単なる贅沢ではなく、練習効率を最大化し、楽器の寿命を延ばし、そして何より「ギターを弾くのが嫌になるリスク」を最小限にするための、最も賢い投資だからです。



安い弦の「寿命」を工学的に解剖する
多くの初心者が陥る誤解に、「弦は切れるまで使える」というものがあります。しかし、音響工学的な視点で見ると、弦の寿命は「切れる瞬間」よりも遥かに早く訪れます。
高域の消失と「ローパスフィルター」現象
ノンコーティング弦は、空気に触れた瞬間から酸化が始まります。弦の表面にサビや皮脂汚れが付着すると、弦の質量が不均一になり、振動のバランスが崩れます。
具体的には、きらびやかな倍音成分(高域)から順に死んでいきます。これは、エフェクターでいうところのローパスフィルターが常にかかっているような状態です。アンプ側でどれだけ「TREBLE」を上げても、音の芯(基本波)がボヤけているため、抜けの良い音は作れません。
確かに張り立てはの状態では最高のトーンを奏でる事が出来ますが、短期での張替えを前提としているため実質的にノンコーティングの方が高級弦となっているのが実情で、昨今の円安、物価高によってさらに追い打ちがかけられています。
認知心理学で見る「触覚の重要性」
心理学において、人間は「不快な感触」を伴う作業を無意識に避けようとします(回避学習)。サビた弦のギリギリとした摩擦、指に付着する金属臭……これらは脳にとって強力なストレス源です。
「練習しなきゃ」という理性よりも、「触ると不快だ」という本能が勝ってしまう。これが、初心者がギターからフェードアウトしていく隠れた原因の一つなのです。
錆びた弦がギターに与える「物理的損害」
「弦をケチる」ことが、実は「高い修理代」を招いている事実に気づいていますか?
フレットへの「ヤスリ効果」
サビは酸化鉄、つまり非常に硬い粒子です。サビた弦でチョーキングやビブラートを繰り返すのは、フレットをサンドペーパーで削っているのと同じです。
新品の弦(またはコーティング弦)であれば滑らかに滑るはずのフレットが、サビた弦のせいで急速に摩耗していきます。フレットの打ち替え(リフレット)は数万円単位の出費になります。数百円をケチった結果、数万円を失う……まさに本末転倒な選択と言えるでしょう。
ナット溝の汚染
ナットはチューニングの安定性を司る重要なパーツです。
サビた弦がナットの溝を往復すると、溝の中にサビの粉が詰まります。これが弦の滑りを悪くし、「チューニングがすぐに狂う」というストレスフルな状況を作り出します。
コーティング弦の王様「Elixir(エリクサー)」の正体
なぜ私がここまでエリクサーを推すのか。それは、このブランドが楽器メーカーではなく「素材工学のスペシャリスト」だからです。
ゴアテックス技術の転用
エリクサーを製造しているのは、あの高機能素材「ゴアテックス」を開発したW. L. Gore & Associates, Inc.です。防水、防塵、かつ分子レベルで精密な膜を作る技術をギター弦に応用したのがエリクサーなのです。
単に弦の上に「油」を塗ったような安価なコーティング弦とは、耐久性の次元が違います。
0.1ミクロンの防壁
エリクサーの最新コーティング技術は、弦の巻き線の隙間に汚れが入るのを物理的に遮断します。それでいて、コーティングが極端に薄いため、弾き心地やサウンドの劣化を最小限に抑えています。
| 弦のタイプ | 寿命の目安 | サウンド傾向 | メンテナンス |
| ノンコーティング | 1〜2週間 | 張りたては最高、劣化は急激 | 弾くたびに念入りな拭き上げが必要 |
| Elixir (OPTIWEB) | 1.5〜3ヶ月 | 自然でクリスピー、高域が持続 | ほぼメンテナンスフリー |

初心者が陥る「選択のパラドックス」
「どの弦を選べばいいか分からない」……この悩み自体が、練習時間を奪う「選択のパラドックス」です。
弦の種類は膨大です。素材(ニッケル、スチール、ブロンズ)、ゲージ、ブランド。初心者がこれらを一つずつ試して正解を見つけるのは困難です。だからこそ、まずは「間違いのない基準」を一本決めてしまうべきです。
エリクサーを張っておけば、「音が悪いのは弦のせいか? 自分の腕か?」という迷いが消えます。「弦は常にベストコンディション」という前提があるからこそ、自分のプレイの癖や課題に100%集中できるのです。
よくある質問(読者投票:あなたはどっち派?)
Q. コーティング弦は「音がこもる」って聞いたけど、本当?
- A派:耳が超肥えたベテラン・プロギタリスト「倍音の出方がわずかにタイトになる。その繊細なニュアンスをEQやピッキングでコントロールしたいから、あえて毎日ノンコーティングを張り替えるよ。」
- B派:合理的な現代のギタリスト(おすすめ)「多少の音色の差よりも、常に80点以上のトーンが数ヶ月続く安定感の方が価値がある。練習時間も増えるし、結果的に良い音が出せるようになるよ。」
あなたはどちらを目指しますか? もしあなたが「24時間365日、専属のギターテックが弦を張り替えてくれる」環境にないのなら、迷わずB派=コーティング弦を選ぶのが最適解といえるでしょう。


まとめ:コーティング弦は「上達への投資」
「下手だから安い弦」ではなく、「上達したいから良い弦(コーティング弦)」を張る。このパラダイムシフトが、あなたのギターライフを変えます。
練習頻度が上がる: いつ触ってもツルツルで気持ちいいから、ギターを手に取る回数が増える。
耳が育つ: 常に劣化していない「正しいトーン」を聴き続けることで、音作りやピッチの判断基準が磨かれる。
楽器が守られる: フレットやナットの摩耗を防ぎ、メンテナンスコストを削減できる。
コスパが逆転する: 安い弦を月に3回張り替えるより、エリクサーを3ヶ月使う方が圧倒的に安上がり。筆者はだいたい半年以上は張り続けてます。
「弦を張り替えるのが面倒くさい」と感じているあなた。そのストレスから解放されるために、次の給料日にはエリクサーを1パック買ってみてください。
あなたのギターライフが、サビの不快感から解放され、より自由で彩り豊かなものになりますように!











