【2025年版】BOSSオーバードライブまとめ|全10種、役割別モデル紹介

運命の分かれ道は『青』か『黄』か。最初の1台で、あなたの右手の未来が決まる。
どうも、7丁目ギター教室新潟江南校の吉田です。
新潟の冬はどんよりとした鉛色の空が続きますが、ギタリストの心の中は常に新しいペダルのことで熱く燃え上がっていますよね。
「BOSSのオーバードライブ、種類が多すぎてどれが自分に合うかわからない……」
「プロも使ってるSD-1とBD-2、結局何が決定的に違うの?」
「最初の一台で失敗したくない!」
そんな機材選びの迷宮は、ギタリストなら誰もが通る道。実は僕も、かつては見た目だけで選んで「なんか自分のピッキングに合わないな」と首を傾げていた時期がありました。
結論から言うと、BOSSのオーバードライブ選びは**「メインの歪みとして使うか、アンプをプッシュする『ブースター』として使うか」**で最適解がズバリ決まります。
今回は2025年最新ラインナップ10機種を、工学的な特性を交えて一挙に整理していきましょう。



アンプを覚醒させる「ブースター・味付け型」
ギターの信号を増幅し、アンプや後段の歪みペダルをプッシュしてサチュレーション(飽和感)を生み出すのに適したモデルです。
SD-1 / SD-1W:中域押し出しの職人

1981年の登場以来、人気No.1に君臨し続けるのがSD-1です。最大の特徴は、BOSS独自の「非対称クリッピング回路」。
これにより、偶数次倍音が豊かに含まれ、真空管アンプに近いマイルドで粘りのある歪みが得られます。
特にマーシャル系アンプとの相性は抜群で、ソロ時に踏むとミッドレンジが強調され、アンサンブルの中で音がスッと前に出てきます。
Waza Craft版(SD-1W)は、よりワイドレンジなカスタムモードを搭載しており、メインの歪みとしても使える汎用性を持っています。


BP-1W:伝説のプリアンプを継承

ブースト専用として異彩を放つのがBP-1Wです。名機CE-1とRE-201のプリアンプ部を再現しており、通すだけで音に「芯」と「艶」が加わります。
工学的には、入力インピーダンスを変化させることでギター本体の鳴り(トランジェント)を補正しており、デジタル機材にアナログの温かみを足したい時にも最強の選択肢となります。

楽曲の土台を支える「メイン歪み・万能型」
これ一台をオンにするだけで、クリーンアンプからでも理想的なドライブサウンドを作り出せるモデルです。
BD-2 / BD-2W:邦楽ロックの基準点

「迷ったら青」と言われるBD-2は、ピッキングに対する反応(ダイナミックレンジ)が異常に広いです。
弱く弾けばクリーン、強く弾けば激しいドライブ。この入力感度への追従性が、感情豊かなプレイを可能にします。
シングルコイル(テレキャスター等)のジャキッとした高域を活かす設計のため、歌モノのバックでも埋もれません。
また、ブースターとしてのポテンシャルも高いのも特徴。
歪みの前に置けばゲインを稼ぎ、後に置けば音量を稼ぎ、その上でメインの歪みとしても使えるのでどんなボードにも組み込める万能系です。


OD-3:王道の安定感とサグ感

BD-2が「攻め」なら、OD-3は「守り」の王道です。
独自のディスクリート回路(2段増幅)により、低域から中域にかけての密度が非常に濃いのが特徴。
適度なコンプレッション感があり、真空管アンプ特有の「サグ(電圧降下による粘り)」を擬似的に体験できます。
演奏のアラを程よくカバーしてくれるため、初心者にとって最も「弾きやすい」と感じるモデルでしょう。



ハイテク技術で「個性を超越する」特殊型
技クラフトの他にもBOSSの技術力を象徴するモデルがあります。
お馴染みのBOSSコンパクト筐体でありながら、そのサウンド、弾き心地は非常に独特で現代的。
BOSSの現在地を体感するにはうってつけのモデルです。
OD-1X:デジタル技術の結晶(MDP)

アナログでは不可能な「帯域ごとの最適化」をリアルタイムで行うのがOD-1Xです。
どれだけ深く歪ませてもコードの分離感が失われず、ノイズも極限まで抑えられています。
「BOSSの音は欲しいけど、古臭さは要らない」というモダンなプレイヤーに最適です。
透明感があり高品質であるからこそ玄人ウケするサウンド。
初心者はBD-2やOD-3の方がコッテリしていてエフェクターを使う楽しさを味わえるかもしれません。

JB-2:反則級の2-in-1

JHS Pedalsとのコラボレーションで生まれた「Angry Driver」。
BD-2のサウンドと、マーシャルJCM800を彷彿とさせるAngry Charlieのサウンドを一台に凝縮しています。
直列で繋いでリードを太くするのも良いですが、特筆すべきは「並列(パラレル)接続」。
BD-2の芯があるクリーンな歪みに、ハイゲインなディストーションを混ぜることで、解像度と迫力を両立した「プロのライン録り」のような音を足元で作れます。
一見ツマミは4つですがそのうち3つが2軸になっているため実際には7つのツマミを操作する必要があるためある程度エフェクター慣れした後で触ってほしい1台。

隠れた名機「え?コレって現行なの?」特殊型②
「最新こそ最良」という風潮に一石を投じる、カタログの隅で異彩を放ち続けるモデルたちを紹介します。
これらは流行に左右されない「独自の設計論」を持っており、使いこなせば機材ボードの唯一無二の武器になります。
OS-2:歪みを「混ぜる」という禁断の選択

1990年の発売以来、一度も途切れることなくラインナップされているOS-2(OverDrive/Distortion)は、BOSSの中でも極めて特異な存在です。
最大の肝は「COLOR」ノブにあります。これは単に2つの音を切り替えるスイッチではなく、オーバードライブとディストーションをシームレスにブレンドする機能です 。
工学的には、ディストーション特有の鋭いクリッピングによって削られがちな低域や密度を、オーバードライブの粘りある中域で補完することが可能です 。
「1台で何でもできる」という汎用性以上に、「自分だけの歪みの配合比率」を追求できる、実験機的な側面が魅力です 。
このエフェクターでしか出せない独特の粘り感がクセになる1台。

ST-2:箱鳴りを演算する「Power Stack」

ST-2は、アナログペダルでは到達できない「スタックアンプの物理挙動」をデジタル技術(COSM)で再現したモデルです 。
特筆すべきは「SOUND」ノブの挙動。これは単なるゲイン調整ではなく、回す領域によってアンプのキャラクターそのものがモーフィング(変化)していきます 。
CRUNCH(~9時): 1959 Plexi系の、歯切れが良くトランジェントの速いサウンド 。
DRIVE(10時~2時): JCM800系の、豊かな中域とサグ(Sag)感のあるリードトーン 。
ULTRA(3時~): モダンハイゲイン系の、スタック特有の重厚な箱鳴りとロングサスティン 。
手元のボリューム操作に対する追従性が非常に高く、「歪ませたままクリーンまで戻せる」というアンプライクな弾き心地は、一度体感すると病みつきになります 。



4. BOSSオーバードライブ比較早見表
目的に合わせて選べるよう、10機種の特性をテーブルにまとめました。
| モデル名 | 性格 | 得意な役割 | おすすめユーザー |
| SD-1 | 中域・タイト | ゲインブースター | マーシャル使い、80sロック |
| SD-1W | 上品・広帯域 | ブースター & メイン | 質の高い定番が欲しい人 |
| BD-2 | ブライト・鋭い | 伴奏、カッティング | 邦楽ロック、ギタボ |
| BD-2W | 低ノイズ・太い | メイン歪みの完成形 | 究極のBD-2を求める人 |
| OD-3 | 太い・粘る | パワーコード、リード | 初心者、安定感重視 |
| OD-1X | 透明・ハイテク | オールラウンド | DTM、モダンフュージョン |
| OS-2 | 多彩・粘る | 歪みのブレンド | 音作りを楽しみたい人 |
| JB-2 | 自由・多機能 | 音作りのラボ | 欲張りな中級者 |
| ST-2 | 迫力・箱鳴り | スタックアンプ再現 | 家でもマーシャルを感じたい人 |
| BP-1W | 艶・補正 | プリアンプ、艶出し | 音の細さに悩んでいる人 |
あなたはどっち派?(読者投票風Q&A)
Q. あなたが目指すサウンドに近いのは?
【A派:エッジの効いたジャキジャキ系】
BUMP OF CHICKENや、常田大樹のような鋭いコード感を求める。
👉 答え:BD-2 / BD-2W
シングルコイルの良さを殺さず、高域に綺麗な「ジャリッ」とした成分を足してくれます。
【B派:太くて甘いサスティン系】
TOTOのルカサーや松本孝弘のような、壁のように分厚いリードを求める。
👉 答え:OD-3 / ST-2 / JB-2
中低域の密度が高く、一音一音に重みが出るため、ロングトーンで顔を歪ませながら弾くのに最適です。

まとめ:自分だけの「BOSS」を見つけよう
BOSSのオーバードライブは、10人いれば10通りの「正解」があります。それは、単に音が歪むだけでなく、プレイヤーの心理や演奏環境(アンプ)との化学反応を計算して作られているからです。
カッティングや伴奏がメインなら……迷わず BD-2。
リードやパワーコードを気持ちよく弾きたいなら…… OD-3。
アンプの音をもう一段階プッシュしたいなら…… SD-1。
一台で何でもやりたい欲張りさんなら…… JB-2。
オーバードライブだけでも選択肢がが多く迷子になりそうですがそれぞれが自分のポジションを持っています。
そしてBOSSはどれを選んでも「5年保証」という圧倒的な安心感があります。まずは直感で気になる一台を手に取ってみてください。
あなたのギターライフが、この小さな箱との出会いでより彩り豊かなものになりますように!








