ギター初心者向け

ギターが続かないのは弦のせい?コーティング弦が変える練習環境

「どうせ下手なんだから、安い弦でいいだろう」
──そんなふうに思っていないだろうか?

その感覚は決しておかしくない。誰だって、最初は出費を抑えたいし、違いなんて分からないだろうと思ってしまう。
筆者自身もギターを始めたばかりの頃は、500円前後のノンコーティング弦ばかり張っていた。まあ最も物価高騰でそれすらも今は倍くらいの値段になっているが。

けれど、今だからこそ声を大にして言いたい。
下手なうちからコーティング弦を張るべきだ。
それが練習効率、楽器へのダメージ、モチベーション、全てに関わってくる。

安い弦は「音のピーク」が本当に短い

ノンコーティング弦を張ったときの、あの「張りたての音の気持ちよさ」。
確かに一瞬は最高だ。キラキラしていて、音が前に出てきて、思わずコードをジャーンと鳴らしたくなる。

でもそのピーク、ほんの数日。人によっては数時間で終わる。
たとえば週に1〜2回しか練習しない人なら、次に触ったときにはもう劣化が始まっている

この劣化、見た目ではあまり分からなくても、音や感触にはハッキリと現れる。

  • 音が曇る

  • 滑りが悪くなる

  • フレットとの摩擦でギリギリとした引っかかりを感じる

  • 錆が指に付着して不快感

特にグリッサンドやチョーキングを多用する人にとっては、かなりのストレスになる。

錆びた弦は、フレットやナットの敵でもある

ギターは「道具」でもあり「楽器」でもある。つまり、しっかり手入れすれば何十年も使える。

でも、錆びた弦を長く張ったままにしていると、フレットやナットにダメージが蓄積してしまう。

  • フレットは磨耗しやすくなり、音詰まりやピッチのズレの原因になる

  • ナットの溝にサビが入り、弦の滑りが悪くなる=チューニング不安定

つまり、安い弦でギター本体に余計なダメージを与えてしまうのは本末転倒。
「弦をケチったことで、もっと高い修理費がかかる」なんて笑えない話だ。

錆びた弦は、練習意欲を根こそぎ削る

これは精神面の話だが、意外と無視できない。
錆びた弦に触れた瞬間、「うわ、気持ち悪い」「滑らない」「なんか弾きたくない」と感じてしまう。
すると、だんだんギターを触る回数が減っていく。

それが積もり積もって、「最近弾いてないな…」となる。
そうしてギターからフェードアウトしていく人を、筆者は何人も見てきた。

だからこそ言いたい。

「張りたての弦じゃないと練習できない」というのは甘えじゃない。
「弾きたくなるコンディションを保つ」のは、上達のために必要な投資だ。

「まだ切れてないのに張り替えるのはもったいない」は間違い

これもよくある思い込み。

「弦は切れるまで使うもの」
「切れてないのに張り替えるなんて贅沢だ」

でも冷静に考えてみてほしい。
切れてない=良い状態、ではない。

練習の質が落ちていたり、気持ちよく弾けない状態が続いているなら、それはもう“使い物になっていない”とも言える。
ケチってボロボロの弦を使い続けて、結果的に練習しなくなる方が、ずっともったいない。

コーティング弦は、切れるまで快適に使える

ノンコーティング弦は「切れる前に死ぬ」。
つまり、サビて音が悪くなっていき、最後には「もう弾けないな…」となって張り替える。

一方、コーティング弦は寿命ギリギリまで快適に使える
多少は劣化していくけれど、錆びにくいから「弾いていて不快になる」ことが起きにくい。

この差は、日々の練習に大きく響く。
週に2〜3回しか弾かない人なら、1〜2ヶ月は快適なまま使えるのがコーティング弦の大きな魅力だ。

コーティング弦のデメリットは“気にするレベル”か?

もちろん、コーティング弦にも弱点はある。

  • 倍音がやや控えめ

  • チョーキング時のピッチの上がり方に若干のクセ

  • 張りっぱなしだと音が“だるく”なる(特に3ヶ月以上)

でも、これは“細かく耳を育てたプレイヤー”にしか分からないレベル。
趣味でギターを弾いていて、練習時間も限られているような人にとっては、誤差にすらならないことが多い。

それよりも、「毎回気持ちよく弾ける状態でいる」ことの方が圧倒的に価値がある

おすすめのコーティング弦

筆者の答えはハッキリしている。
アコギもエレキも、コーティング弦はElixir(エリクサー)一択だ。

世の中には他にもコーティング弦はいくつか存在するが、技術レベルで明確な差がある。
なぜならエリクサーを製造しているのは、あのゴアテックスを開発した会社──

W. L. Gore & Associates, Inc.(WLゴア社)

つまり、「スニーカー」や「アウトドアウェア」などで使われている高耐久・高防水・高通気素材を開発する企業が、
その技術をギター弦に応用して作っている。

これは、ただの楽器メーカーが頑張ってコーティング弦作ってみました、というレベルじゃない。
防水繊維の最先端技術をそのまま音楽に持ち込んだ、圧倒的な素材力だ。

エリクサーのコーティングは、

  • 極端に薄い

  • コーティングムラがない(均一)

  • 劣化しにくいのに、弦の振動を邪魔しない

という特徴を持ち、音が良い・長持ちする・指滑りが快適──という三拍子が揃っている。

正直、音質にこだわるプロですら普通に使っているレベルの完成度
「まだ初心者だからもったいないかな?」なんて心配は不要。
初心者ほど、その快適さの恩恵を一番受けられるのがエリクサーなのだ。

おすすめ弦(エレキ)

エリクサーのラインナップの中で最もコーティングの薄いオプティウェーブがおすすめ。

弾き心地もノンコーティングに最も近くサウンドもクリスピーな高域が出ていて気持ちがいい。

コーティングが薄いからといって持ちが悪いなんてこともない。

控えめに言っても最高のコーティング弦だ。

ELIXIR ( エリクサー ) / OPTIWEB Super Light #19002
ELIXIR ( エリクサー ) / OPTIWEB Super Light #19002

おすすめ弦(アコギ)

アコギ弦で最もコーティングが薄いのはナノウェーブだ。
滑りが良く快適なスライド、グリッサンドが出来るのが特徴。

アコギ弦の場合チョーキングを多用することがない為エレキ弦よりもコーティング弦のデメリットを感じにくい。

その上でフォスファーブロンズを選んでおけば十分に倍音も感じられるため、ナノウェーブのフォスファーブロンズはノンコーティング弦を含めてもアコギ弦の中で最高クラスによくできた弦だ。

これを張っておけばまず間違いはない。

ELIXIR ( エリクサー ) / NANOWEB Phosphor Bronze Custom Light #16027
ELIXIR ( エリクサー ) / NANOWEB Phosphor Bronze Custom Light #16027

激安コーティング弦

激安でお馴染みサウンドハウスのプライベートブランド プレイテックからもコーティング弦がリリースされている

お値段なんと780円

メーカー品のノンコーティングより安いという文字通りの価格破壊

試したよって人は是非感想を聞かせてほしい。

エレキ用

PLAYTECH ( プレイテック ) / EGSC-0942 コーティング弦
PLAYTECH ( プレイテック ) / EGSC-0942 コーティング弦

アコギ用

PLAYTECH ( プレイテック ) / AGSC-1152 コーティング弦
PLAYTECH ( プレイテック ) / AGSC-1152 コーティング弦

 

Q&Aでこの記事を振り返ろう

Q1:初心者でもコーティング弦を使うべき?
A1:むしろ初心者こそ使うべき。錆びにくく、練習が気持ちよく続くから。

Q2:どれくらいの頻度で張り替えるのがいい?
A2:ノンコーティングなら1〜2週間、コーティング弦なら1〜2ヶ月が目安。週1〜2回の練習なら、月1交換でも快適。

Q3:弦が切れていないのに交換するのはもったいない?
A3:いいえ。練習の質を下げてまで弦を使い続ける方がずっともったいない。

Q4:どのコーティング弦がおすすめ?
A4:Elixir(エリクサー)が王道。特にNANOWEBは長持ち&自然なタッチ。D’Addario XTやErnie Ball Paradigmも高品質。

Q5:本当に音に違いはあるの?
A5:ある。ただし、音よりも「触り心地」と「快適さ」の違いの方が大きい。音は正直、弾き手の気分で変わる部分も多い。

最後に

上達するためには、練習が必要。
でも、練習するには「ギターを弾きたい」と思える環境が必要だ。

コーティング弦は、その“弾きたくなる状態”を長く保ってくれるツールだ。
「自分はまだ初心者だから…」ではなく、「初心者だからこそ、快適に弾ける状態にしよう」と考えてみてほしい。

それが、ギターを続けるコツのひとつでもある。

ABOUT ME
吉田寛定
新潟在住のギターインストラクター、MBTIはINTP(論理学者) 時々インスタに演奏動画を上げたりしている。 だいたいどんな話を振られてもある程度語れる位常に知識をむさぼって生きています。