楽器コラム

プレシジョンベースの魅力を知ってほしい。なぜこんなにもカッコいいのか?

「カッコいいベース」って、何を基準に思うだろうか?

見た目のインパクト?
スラップのキレ味?
低音でバンド全体を支える重厚感?

どれも間違っていない。でも、筆者としてはこう考えている。

プレシジョンベース(通称プレベ)こそ、ベースの本質的なカッコよさを体現した存在だ。

無骨でシンプル。なのに、そこにしかない美しさと説得力がある。
この記事では、なぜプレベが多くのベーシストに選ばれ、時代を超えて愛され続けているのかを、見た目・音・演奏性など多角的に掘り下げていく。

見た目の主張は少ないのに、存在感がある

プレシジョンベースのルックスは派手じゃない。むしろ地味な部類に入るかもしれない。だが、楽器としての“覚悟”のようなものがにじみ出ている。

  • 丸みを帯びた伝統的なボディシェイプ

  • 無駄を削ぎ落としたコントロール系統

  • 一本のネックに4つだけ並んだペグ

  • 黙して語らぬようなピックガードと1PU構成

プレベは、“必要な機能だけを残した”プロダクトとしての潔さがある。その佇まいには、まるで職人道具のようなストイックな美しさが宿っている。

ライブハウスでもスタジオでも、目立たずに、でも一目でわかる“重み”がある。それがプレベの魅力のひとつだ。

プレベの音は「芯の強さ」と「温かさ」の両立

プレベのサウンドを一言で表すなら、「太い」──けれど、それだけじゃない。

  • 太くて芯がある

  • 柔らかさの中に、力強さがある

  • バンドの“土台”として空間に収まる

単音でも存在感があり、バンド内でギターやドラムと音が重なっても埋もれにくい。とくにローからミッドにかけての密度がしっかりしており、ルート弾きですら説得力があるのが特徴だ。

ジャズベースに比べると立ち上がりはややマイルドだが、だからこそアンサンブル全体を“包み込む”ように支えることができる。ピックでも指弾きでも音の芯が残るため、エフェクトをかけても音像が崩れにくいという安定感もある。

プレベはアンサンブルの中で真価を発揮する

スタジオ練習やライブなど、“他の楽器と一緒に鳴らしたとき”にプレベの本領は発揮される。

  • ギターがストロークで暴れていても

  • ドラムがフィルを入れても

  • シンセやコーラスが入ってきても

プレベはそのすべてを包み込み、ベースという楽器の役割を丁寧に、確実に果たしてくれる

しかも、出しゃばりすぎることがない。これがプレベの真面目さであり、プレイヤーの信頼を集める理由にもなっている。

PJタイプは“プレベの本質”を残しながら音作りの幅を広げる

最近では、フロントにプレベのPU、リアにジャズベのPUを載せたPJタイプも人気が高い。

プレベ特有の図太い“芯”のある音はそのままに、リアのジャズベPUを加えることで“アタック感”や“音の立ち上がり”が強調される。

  • PJのリアのみ使用:ジャコ・パストリアス的な乾いたパーカッシブサウンドが得られる

  • フロントのみ使用:王道プレベサウンドそのまま

  • 両方MIX:芯と抜けが両立した理想的なアンサンブルサウンド

1本で多彩な表現が可能なPJタイプは、ライブプレイヤーやレコーディング現場でとても重宝される。

プレベを持っているだけで“一目置かれる”理由

“プレベを使っている人=音で勝負している人”という印象がある。

派手さや技巧に頼らず、ルートをしっかり鳴らしているだけなのに、バンド全体がまとまる。それができるプレイヤーこそ“プロっぽく”見えるし、実際に信頼も集まる。

だからこそ、プレベを持つ人は演奏技術以上に「センス」や「判断力」が評価されやすい傾向がある。

初心者が選ぶべきプレベはやっぱりFender製

「おすすめのプレベは?」と聞かれたら、筆者は迷わずこう答える。

「Fenderを選んでおけば間違いない」

なぜなら、そもそもプレシジョンベースという楽器自体がFenderの発明だからだ。1951年にレオ・フェンダーによって誕生したこのモデルは、現在のベースという概念を確立した。

しかも、Fenderのプレベには“理屈では説明できない説得力”がある。他社製の高品質なモデルもあるが、音の芯の通り方や存在感が“本家ならでは”という印象を受ける。

特に注目したいのが日本製Fender。品質・価格のバランスが良く、プレベ初心者にも最適な選択肢と言える。

プレベの魅力がよくわかるYouTubeチャンネル「プレベ弾きの小林」

「実際にプレベの音ってどんな感じなの?」
「ギターやドラムと混ざったときにどう聴こえるんだろう?」

そんな人におすすめしたいのが、YouTubeチャンネル『プレベ弾きの小林』だ。

このチャンネルは、選曲や動画の雰囲気がどこかニコニコ動画の“弾いてみた”文化を思わせるような、ちょっと懐かしくて親しみやすいスタイル。

一方で、演奏自体は非常にグルーヴィーかつ丁寧で、プレベ特有の太く温かい音色をしっかり堪能できる

  • ピック弾きも指弾きも織り交ぜた“プレベらしい”プレイ

  • リズム隊の一体感を重視したアンサンブル重視の演奏

  • 楽曲チョイスはJ-POPやアニソンなど親しみやすいラインナップ

「これがプレベの音か!」と耳で体感できる内容ばかりで、初心者から中級者まで楽しめる。
機材や音作りが気になる人も、動画の説明欄をチェックすると参考になる情報が得られるはずだ。

「ベースをやるならプレベ」を真剣に検討してほしい

プレシジョンベースは、見た目に派手さはない。でも、だからこそカッコいい。
飾らないルックス。包容力のある音。安心感のある演奏性能。

  • 目立たなくても、しっかりバンドを支えたい

  • 自分の音でアンサンブルに貢献したい

  • 派手な技巧より、“芯のある音”で勝負したい

そんな想いを持つプレイヤーにとって、プレベは最高の相棒になる

ベース初心者も、買い替えを検討している人も、ぜひ一度はプレベを構えてみてほしい。構えた瞬間に「なんか信頼できそう」と感じたら──それが、プレベという楽器の“説得力”だ。

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吉田寛定
新潟市在住のギターインストラクター。 趣味ギタリストに向けた“ちょうどいい温度感”の発信を心がけています。 新潟市江南区のギター教室|7丁目ギター教室にて無料体験レッスン受付中。亀田・横越エリアの方はぜひどうぞ。