エフェクターを選ぶ際に避けては通れない老舗メーカーMXR
プロの足元にもよく出没するし
なんだか気になるけどどういうエフェクターを作ってるメーカーなのか
このメーカーのなにが魅力なのか
その功績と代表モデルを交えながらザックリ紹介したい。
MXRとは
1972年創業のエフェクターメーカー
日本のBOSS、アメリカのMXRという様に
老舗総合エフェクターメーカーの一角を担う。
数多くのロングセラー商品を生み出し
現在も実用的なエフェクターをリリースし続けている。
MXRの功績
老舗エフェクターメーカーということで
後発メーカーに多大なる影響を与えている。
また革命的なプロダクトを数多く生み出した事で
商業音楽の発展にも貢献している。
その偉業とも言える功績をまずは紹介したい。
MXRサイズ筐体
MXR発足当時は小型のエフェクターはほぼ無く、当時としては画期的な程コンパクトな筐体にエフェクターを収める事に成功。
現在ではMXRサイズ筐体と呼ばれ、多くのメーカーがこのサイズを採用している。
シンプルなパラメーター
MXRのエフェクターは比較的シンプルなデザインで操作できるツマミもかなり厳選されているような印象を受ける。
が、シンプルが故に操作できない部分はとことん作り込まれている様で
楽に良いサウンドに調整できる。
強いこだわりが無く、ただ気持ちよく弾ければそれでいい俺みたいな人間にとってはこういうデザインは物凄く助かる。
ツマミの少ないエフェクターは間違いなくMXRの影響を受けていると見て良いだろう。
音楽の表現の幅を広げた名機たち
MXR発足当時の70年代といえば様々な音楽ジャンルが生まれ、どんどん進化してより音楽が商業的に成長していった頃なのかなーと思っていて
それっていうのは当時の情勢や景気とか色んな要素が反映されて起こるものではあるんだけど
その中でも楽器や機材自体の進化も大きな影響を持って音楽の進化、変化をもたらしていると思う。
その中でもMXRっていうのは革新的且つ実用的で常にプレイヤーに寄り添った物作りをしていた印象。
ブラックミュージックからヘヴィメタルのプレイヤーにまで製品が普及していた事がその裏付け。
代表モデル
MXRもBOSSに劣らない、むしろ勝るほどのロングセラー且つ定番モデルを作ってきた。
それぞれ細かなマイナーチェンジをしたり、バリエーションモデルを出したりしつつも原型に近いモデルがいまだに売れ続けている
元々の製品がいかに優れているか、現代のエフェクターにも影響を与えている名機が多数存在する。
三種の神器
特に初期のMXRを代表するモデルは三種の神器と呼ばれたり呼ばれなかったりするんだけど
もちろんこれらも現行品でラインナップされてるし
あえて今これらでボードを組んでも問題なく成立しちゃう程の品質はあると思っている。
まずは三種の神器から紹介したい。
distortion+
世界初のディストーションエフェクター distortion+
世界初のディストーションエフェクターがいまだに売れてるという実態
いかに楽器業界が保守的かということを物語ってくれているんだけど
これ単体というよりはクランチ程度に歪んだアンプ対してゲインヘルパー的に使ってあげると
独特のかっこいいサウンドが作れる。
楽器屋さんでジャズコではなく、是非マーシャル等の真空管アンプにつないで試してみて欲しい。
dynacomp
これもギター用コンプレッサーではおそらく最古参
現代でも定番のコンプレッサー。サウンドが特徴的でいわゆる「パコパコ系コンプ」の代表モデル
カッティングプレイのお供として当時から現代まで愛されいて、音の粒が揃うという事で速弾き系ギタリストからも重宝される存在だったらしい。
今はナチュラル系コンプレッサーが主流で人気だけどあえてコンプで積極的な音作りがしたいギタリストなんかにもハマるかなー
音は今聴いてもかっこいいと思う。
phase90
MXR記念すべき第1号エフェクターでおそらく世界初のフェイザー
dynacompとセットでカッティングプレイに映えるエフェクター。
コンプだけでなく歪みとの相性も良く躍動感のあるカッコいいソロプレイも楽しめるフェイザー。
1ノブながら必要十分でエフェクティブな音ではあるんだけどとても音楽的な響きがするから全然悪目立ちしない。
やり過ぎずやらな過ぎず、全てが丁度いい。
ここら辺を実現しているモデルはかなり珍しい。
その他の神器
三種の神器と言いつつ他のモデルも神器級のエフェクターが多数存在する。
その中でも厳選してもう三つだけ定番モデルを紹介したい。
carbon copy
超定番アナログディレイとしてかなりお馴染みのモデルではあるんだけど
発売は意外にも最近で2008年
当時発売したてのcarbon copyを買ってしばらくメインのディレイとして使ってた記憶がある。
あの太く温かみのあるディレイサウンドは非常に満足度の高く特にギターソロで映える印象。
もちろんクリーンでのアルペジオも気持ちよく弾ける。
多機能ではないけどいいディレイが欲しいならこれで間違いない。
microamp
これもMXR初期からラインナップされているブースターで現代でも超定番。
今市場に溢れかえっている1ノブブースターの始祖!
ただスイッチをONにするだけで音が良くなるという魔法のような売り文句で瞬く間に普及していったらしい。
プロのミュージシャンもこぞって使ってた。
有名どころでいえばレッチリのジョンフルシアンテとフリーかな。
同じバンド内でギターとベースが両方採用しているところを見るとかなり汎用性が高そう。
真空管アンプをプッシュする役割が定番。
flanger
これも70年代のMXRを代表するモデル
当時衝撃的であったであろうジェットサウンドはこいつのしわざ
軽く目に使うとコーラス系の心地よいサウンドも楽しめるから飛び道具に飽きても使える。
独特のエグミのあるサウンドはギターだけでなくあらゆる電子楽器やボーカルまで色んな楽器で実験したくなる。
飛び道具までラインナップしているMXRはさすがですわ。
現代でも精力的
多くのロングセラー商品があるにも関わらず慢心せず、今でも積極的にニューモデルをリリースし続けているMXR
しかも結構短いスパンで出してくるからすごい。
定番モデルをとことん作り続けてとにかくそれを売りまくるってメーカーの方が多いんじゃないかとは思うんだけど
やっぱりニューモデルがどんどん出てくれるのは嬉しい。
台数限定モデルやアーティストモデル、他社コラボなんかにも積極的に取り組んでいてもしかしたら今一番勢いのある老舗かもしれない。
今チェックしておきたいモデル
定番モデルの更なるダウンサイジングや多機能にしましたモデルなんかもリリースされてはいるんだけど、他にも沢山紹介したいモデルがたくさん有るから
厳選して3つ挙げさせてもらう。
Timmy Over Drive
Paul Cochraneとのコラボ
トランスペアレント系の元祖 Timmy overdriveのダウンサイジングバージョン
どんなアンプとも合わせられる圧倒的汎用性とごく自然で心地の良い透明感のあるオーバードライブを実現。
二種類のイコライザーがいい仕事をしていて
ベースはゲイン回路の前
トレブルはゲイン回路の後に配置されているらしい。
それによって歪ませる前に薄くなりがちなローを調節でき、
歪ませた後に煩くなりがちなハイを調整できるという
かなり理に適った設計がされている。
しかもさらにコンパクトになっている上にオリジナルよりも安い!
まさに最高のコラボ
Studio Compressor
MXRの定番コンプといえばdynacompだがしかし。
いわゆるスタジオ系の高機能、高品質モデルもリリースしていて
それがこのStudio Compressor
いわゆる光学式のオプティカルコンプレッサーというやつで
極々自然なかかり方をするため一聴してコンプかけてる感がわかりづらい。
しかしよりピッキングニュアンスなどを重視する現代ではむしろこういうコンプが重宝されていて
柔らかいタッチで弾いても音圧を維持し、聴衆にニュアンスをしっかり届ける事ができる。
しかも操作できるパラメーターも本格的だからまじでコンプ極めたいなら
このコンプでしっかりコンプを勉強できる。
analog chorus
安くて高品質なアナログコーラスといえばコレを思い浮かべてしまう。
このモデルならではの温かみのあるアナログコーラスサウンドと
ハイとローの2バンドイコライザーがめちゃくちゃ良い仕事する。
イコライザーのおかげで太くもできるし爽やかにも出来る逸品!
が!ぶっちゃけBOSSのCE-5のアイディア丸パクリではある。
丸パクリではあるんだけどやはり魅力的なサウンドのおかげで
パクりました感があまり認知されない。
実際音はcarbon copy同様に高級感があって気持ちよくギターが弾ける
アナログコーラスの名機と言っても過言ではない。
ベース用エフェクター
ご存知の方も沢山いらっしゃると思うんだけど
実はMXRはベース用エフェクターもめちゃ強い。
MXRの傾向としては尖った個性というよりも基本を強固にした堅実なモデルが多いイメージでベース用にしてもその印象は変わらない。
ベース用定番モデル
ベース用はギター用程多く無いけどしっかり定番物もあってどれも優秀。
その中でも特に評価の高い3機種を紹介しよう。
M80 BASS D.I+
MXRのベース用エフェクターといえばコレ
ベース用プリアンプD.IとしてはTECH21のサンズアンプとこのM80 BASS D.Iがツートップとして君臨し続けている。
クリーン/ディストーションの2ch構成で
クリーンチャンネルは原音を生かしつつ3バンドEQで補正。
カラースイッチを押すとバキバキのカッコいいロックサウンドに早変わり
ディストーションは荒々しくカッコいいサウンドで
原音をミックスする事で自然に歪ませる事が出来る。
多くのベーシストが採用している定番中の定番プリアンプ
Bass compressor
先程紹介したStudio Compressorのベースバージョン
なんだけど実は中身は一緒という噂。だからデザインで選んでも問題はないのかも知れない。
パラメーターもStudio Compressorと同じでスタジオ品質の効果が得られる。
定番のdynacompやEBSのMULTICOMPなどのシンプルな操作で分かりやすい効果のコンプレッサーとは対局といえる。
しかしコンプを制する者はベースを制すると言っても過言では無い位ベースにとってコンプレッサーは重要な道具だ。
コンプレッサーを徹底的に学びたいのであればこのBass Compressorを手に入れておいて間違いはない。
Bass Envelope Filter
ファンキーなプレイにはエンベロープフィルターが欠かせない。
ベーシストにとって必殺技とも言える様なエフェクターだ。
しかしそんなエンベロープフィルターだが納得できる品質のものが極端に少ない印象がある。
周りのベーシストも皆悩んでいた。
このBass Envelope Filterは基本的なパラメーターはしっかり抑えた上で
原音とエフェクトのミックス具合を調節できる様になっている。
そのおかげでベース本来の太さを維持したままフィルター効果を加える事ができるから物凄く実践的でプレイヤー目線の商品だと言える。
ベーシストの役割を全うしながらもしっかりオーディエンスにアピール出来る。
更に極端な使い方も出来るから効果音の様に使用したりと
飛び道具的用途にもしっかり対応する守備範囲を兼ね備えている。
エンベロープフィルター選びで迷ったら是非試して欲しい。
おわりに
定番モデルももちろん良いけどこれからリリースされる製品も要注目していきたい。
どれも実用性に長けているし、各モデルの名前も全く凝っていなくて分かりやすい。
おしゃれ感は無いけど堅実で確実に役目を果たしてくれる最高のパートナーになってくれる可能性をどのモデルも秘めているから
困った時のMXRだと覚えておいて欲しい。