「今日はギターを弾く気が起きない…」
そんな日が、雨の日や曇りの日に多くないだろうか?
気圧が下がると、体調がすぐれない──という話はよく聞く。
だが実はそれだけではない。気圧や湿度の変化は、ギターという“木の楽器”にも確実に影響を与えるのだ。
今回は「低気圧でやる気が出ない理由」「湿度がギターに与える影響」そして「湿度対策におすすめのコーティング弦」まで、趣味ギタリスト目線でしっかり掘り下げて解説していく。
低気圧でやる気が出ないのは、気のせいじゃない
まず結論から言うと、低気圧でやる気が出ないのは生理的に“正しい”反応だ。
低気圧の日に人の体に起きる主な変化は以下の通り:
酸素濃度が下がり、眠気・だるさ・頭痛が出やすくなる
自律神経が乱れやすくなり、集中力が落ちる
気圧変化に敏感な人は、肩こりや関節痛などの不快症状が出ることも
ギターは「手先の繊細な動き」と「集中力」を要する楽器だ。
つまり、気圧の影響はまさに直撃する。
「いつもはスラスラ弾けるフレーズが今日はうまくいかない」
「ギターを持つ気になれない」──そう感じる日は、
無理せず“気圧のせい”と割り切ることも大事だ。
やる気が出ない、パフォーマンスが低い気がする時は
頭痛ーるで気圧のチェックをしてみよう。
低気圧時の対策|「やる気が出ない」を責めない工夫
気圧が低くなると、やる気が出なくなるのは自然なことだ。
特に筆者の住む新潟のような曇りや雨が多く日照率の低い地域では、この「低気圧による不調」との付き合い方が重要になる。
体と心を整えるための具体策
無理に頑張らず、ルーティンを軽めにする
「今日はギターを拭くだけ」でもOK。
やる気が出ない自分を責めず、“触ること”だけを目標にしてみる。カフェイン・水分・軽いストレッチで体調を整える
気圧の変化により、頭痛や眠気が出やすくなるので、温かいお茶を飲んだり、首回りをほぐすとかなり楽になる。日記やメモで“低気圧の日の自分”を記録する
「この日は全然集中できなかった」「でもギターには触った」など、心身の傾向を可視化すると気圧の影響を“見える化”できて心も少し軽くなる。
環境を“少しでも心地よく”
明るめのライトで天気の暗さをカバー
加湿器・アロマなどで快適空間を作る
「雨音」「自然音」などのBGMを流して静かな集中空間を演出
- 低気圧で不調になるのは、メンタルの弱さでも、怠けでもない。
それは“自然現象”に近いものだからこそ、自然に抗わず、緩やかに付き合っていく工夫が大切だ。
湿度がギターに与えるダメージは想像以上
気圧と並んで重要なのが湿度の変化。
特に日本は湿度差が激しいため、ギターにとっては“試練の国”とも言える。
湿度が高すぎると…
ネックが順反りしやすくなる
指板が膨張 → フレットが浮く・音がビビる
木部が水分を含んで重くなる → 響きが鈍くなる
弦が湿気で酸化・サビやすくなる
特に梅雨や夏場は、アコースティックギターやセミアコにとって過酷な季節。ボディの内部に湿気がこもると、サウンドの抜けが悪くなったり、ボディに歪みが出るリスクもある。
湿度が低すぎると…
ネックが逆反りしやすくなる
指板が乾燥 → ひび割れ・フレット浮きの原因に
木部が痩せる → ピッチや鳴りに違和感が出る
フレットの端が飛び出す「バリ」が出やすくなる
冬場の暖房で乾燥した室内も要注意だ。
一見問題なさそうでも、知らぬ間にギターは“乾燥ストレス”を受けている。
湿度管理の目安と対策
理想的な湿度は40〜60%前後。
これはギターにも人間にも快適なラインとされている。
湿度が高い時期(梅雨〜夏)
除湿器 or エアコンのドライモードを活用
ギターケース内に除湿剤(ドライキーパーなど)を入れる
アコギはサウンドホール用の除湿器具が有効
湿度が低い時期(冬〜乾燥期)
加湿器+部屋干しの併用で湿度を底上げ
ケースにギター用加湿グッズを入れておく
指板が白っぽくなってきたらレモンオイルなどでケア
「ちょっと面倒だな…」と思うかもしれないが、
数千円の手間で数万円〜十数万円の楽器を守れる
と考えれば、安い投資と言える。
湿度対策には「コーティング弦」という選択肢もある
実は湿度対策の一環として、弦選びも大きなポイントになる。
特に梅雨や夏場、あるいは手汗が多い人は、通常のノンコーティング弦ではすぐにサビが出てしまう。
このサビがプレイアビリティや音質を一気に損なうのだ。
そんな悩みにおすすめなのが、コーティング弦。
コーティング弦のメリット
湿気や汗に強く、サビにくい
音質や滑りが長持ちするため、練習効率もアップ
張りっぱなしでも気持ち悪くならない
初心者にもおすすめされる理由は、「いつでも快適な状態で弾ける」から。
しかも、張り替え頻度が減るため、結果的にコスパも良い。
具体的なおすすめは?
エリクサー(Elixir):コーティング弦の定番。音質・耐久性ともに優秀。
プレイテック:激安ながらしっかり使える。とりあえず試すならコレ。

ギターも「気候と対話する楽器」だと知ろう
ギターは、見た目以上に気圧や湿度に左右される繊細な楽器だ。
特に木材でできている以上、“呼吸”していると言っても過言ではない。
そして、それに気づけるようになると──
「あれ?今日はちょっとネックの反応が違うな」
「湿度高いから、ちょっとビビりやすいかも」
といった感覚が身についてくる。
これはギターが“ただの道具”から“対話できる相棒”に変わる瞬間だ。
環境を整えるだけで、ギターはもっと弾きやすくなる
低気圧は集中力・体調に影響 → 無理せず休むのもアリ
湿度の変化はギターにダメージ → 特にネックやフレットは要注意
湿度管理は部屋+ケース内で行うのがベスト
弦の選び方でも湿度対策はできる → コーティング弦が特におすすめ
ギターの調子が悪いとき、それは「弾き方」だけの問題じゃないかもしれない。
環境を整えることで、“自然と手が伸びるギター”に育てていこう。
Q&Aでこの記事を振り返ろう|湿度・気圧とギターの関係
Q1:低気圧の日にやる気が出ないのは気のせい?
A1:気のせいではありません。
気圧が下がると、自律神経が乱れたり、酸素濃度が下がってだるさ・眠気・頭痛を感じやすくなります。特にギターのような集中力や細かい動きが必要な楽器では、その影響が出やすいです。
Q2:湿度が高いとギターはどうなる?
A2:ネックが順反りしやすくなり、弦や木部も劣化しやすくなります。
音のビビりや弦の酸化(サビ)が進むため、音質や弾き心地に悪影響が出ることも。アコギは特に注意が必要です。
Q3:乾燥している時期に気をつけるべきことは?
A3:逆反り・指板のひび割れ・フレットバリなどが起こりやすくなります。
冬場は加湿器やギター用の加湿グッズで湿度を40~60%に保ちましょう。
Q4:湿度対策としてコーティング弦って本当に効果あるの?
A4:あります。
コーティング弦は湿気・汗・酸化に強く、長持ちします。練習頻度が少ない人ほどその恩恵を受けやすく、錆びにくいことで「気持ちよく練習できる状態」を長く保てます。
Q5:どのコーティング弦がおすすめ?
A5:定番はElixir(エリクサー)です。
初心者にも扱いやすく、音質・耐久性・弾き心地のバランスが抜群です。コスパ重視ならPlaytech製の格安コーティング弦も選択肢に入ります。
Q6:気圧や湿度が原因で調子が悪いときは、どうすれば?
A6:無理せず“整える”ことに集中しましょう。
気圧の低い日は軽くコードを鳴らす程度でOK。湿度が高い日は部屋の除湿や弦の張り替え、指板のケアなど「環境づくり」に時間を使うのもアリです。
Q7:ギターってそんなに天気に左右されるもの?
A7:はい。特に木材が多く使われているアコギや高級機材ほど顕著です。
“ギターは生き物”とも言われるように、気候の影響を受けてコンディションが変わります。それに気づけるようになると、ギターの楽しさもグッと深まります。