弾ける人ほど、続かなくなる。

どうも、7丁目ギター教室新潟江南校の吉田です。

「続けるコツを知りたい」と検索しているなら、たぶんもう気づいているはずです。
目標を決めよう、好きな曲を練習しよう、5分でもいいから毎日やろう
──そういうアドバイスは、すでにどこかで読んだことがある。

それでも続かない。

だとしたら、問題はコツじゃなくて、練習の「設計」にあります。

この記事では、モチベーションや根性に頼らず、社会人が「弾くことをやめない状態」を作るための仕組みを話します。精神論は一切なしで。

アド・リブ代
アド・リブ代
続けるコツって調べるたびに似たようなことが書いてあって、なんか読み疲れてきた感じ、わかるな。
ゲイン・アゲ美
ゲイン・アゲ美
「好きな曲を練習しよう」って言われても、そもそも練習自体が続かないんだけど?って感じじゃん。
モダン・テク子
モダン・テク子
続かない原因が「やる気」だと思ってる時点で、設計がズレてる。

社会人がギターをやめていく本当の理由は、時間不足じゃない

教室で長年生徒さんを見てきて、はっきり言えることがあります。

ギターをやめていく人のほとんどは、レッスンの冒頭にこう言います。

「最近忙しくて、全然弾けてないんですよね。」

これ自体は別に珍しくありません。年に何度か、忙しくてギターに触れないタイミングがあるのは普通のことです。問題は、これをレッスンのたびに言ってくる生徒さんです。

毎回「全然弾けてない」という状態は、忙しさの問題ではなく、慢性的にギターに触れない環境になっているということ。そうなると、フェードアウトまで目前。

一方で、「最近忙しくて」と言いながら上達していく生徒さんもいます。その人たちの言い方は少し違います。

「最近忙しくて、15分くらいしか弾けないんですよね。」 「週に1日練習できる日があればいい方ですよ、最近。」

忙しい。でも、弾いている。この差がすべてです。

続けられるかどうかは、時間の多さでも意志の強さでもなく、忙しい中でもギターとの接点が切れていないかどうかで決まります。

教室で1年以上続いている生徒さんを思い浮かべると、体感で8割以上がギターをスタンド管理しています。
統計ではなく筆者の実感値ですが、確信を持って言える根拠があります。

レッスンのたびに気づくことがあって、長く続いている生徒さんはギターをケースにしまうのが少し不慣れだったり、たどたどしかったりするんです。

「ケースに入れるのって教室に来るときくらいなので、慣れなくて」と言いながら格闘している場面を、何度も見てきました。

逆に言うと、ケースへのしまい方が毎回スムーズな生徒さんは、少し心配になります。

続く人は、ギターをしまう機会が少ない。それだけの話ですが、これは相当はっきりした傾向です。

筆者自身が2年間、ギターをほとんど触れなかった話

これは筆者自身の経験でもあります。

音楽と全く関係のない仕事に就かざるを得なかった時期が、約2年間ありました。休みも自分の時間もほぼない。ギターを弾く余裕なんて、当然ありませんでした。

ただ、「このままやめるかも」とは一度も思いませんでした。

なぜかと言うと、弾けない間もギターとの接点は意外と持っていたからです。

好きなアーティストのライブには、年に1回くらいのペースで行っていましたし。
拘束時間が長い仕事でしたが、暇な瞬間は案外あって、そういう時間にデジマートやサウンドハウスを眺めていました。気が向けば機材をポチることも。

弾いてはいない。でも、ギターのことを考えていた。

「ギターとの接点」は、必ずしも演奏である必要はないと、そのとき気づきました。

見る、聴く、調べる、買う──それだけでも、関心は切れません。

そして、その仕事に期限が見えてきたとき、「終わったらまた音楽に関わろう」という気持ちが自然に強くなっていきました。

思いが強くなると、忙しい中でも少しは触るようになる。
充足はしないけれど、接点は保てる。

続けるための環境と心持ち。結局はこの2つに行き着きます。

モチベーションに頼る練習設計は、社会人には機能しない

「やる気があるときに練習する」設計は、学生時代はなんとかなります。時間があるから、やる気が戻るまで待てる。

でも社会人になった瞬間、この設計は機能しなくなります。

仕事が終わってへとへとになって帰ってくる。

「練習しなきゃ」と思う。

でも体が動かない。

ケースを出して、チューニングして、アンプにつないで──そのプロセスを想像しただけで、ソファに沈み込んでしまう。

これはモチベーションが低いからじゃなくて、練習を始めるまでのコストが高すぎるからです。

摩擦が多ければ、やる気のある人でも動けません。
逆に摩擦を減らせば、やる気がなくても動けます。

社会人の継続は「モチベーションをいかに高く保つか」ではなく、「モチベーションが低いときでも弾けてしまう状態をいかに作るか」が本質です。

ゲイン・アゲ美
ゲイン・アゲ美
でもさ、摩擦を減らすって具体的にどうすればいいの?

一人練習で継続するための、現実的な仕組み3つ

① ギターを視界に置く

続けるコツとして、筆者が一番シンプルに言えることはこれです。

見えなきゃ、忘れる。

ギターをケースにしまわないことが、習慣維持の基本です。スタンドに立てかけて、自分が必ず一人になる空間──寝室でも書斎でも構いません──に置く。手を伸ばせば届く場所に、常にある状態を作る。

「ギターを飾る」という感覚で考えると抵抗が少なくなります。インテリアの一部として置いてある楽器は、ケースの中で眠っている楽器より、圧倒的によく弾かれます。

視界に入るたびに「今日はまだ触っていないな」という意識が生まれる。それがそのまま、手が伸びるきっかけになります。

② 「弾ける状態」を常に維持する

ギターを手に取ってから「さあ弾こう」になるまでの時間を、限界まで短くすることが重要です。

マルチエフェクターやヘッドホンは、接続しっぱなしにしておく。電源を入れてギターを構えたら、すぐ音が出る状態にしておく。

マルチエフェクターって何?

複数のエフェクト(歪み・リバーブ・コーラスなど)をひとつの機材に詰め込んだもの。ヘッドホンに直接接続できるモデルも多く、深夜でも音が出せる。練習環境としてコスパが高い。

「立ち上がりの速さ」が継続を大きく左右します。5分弾けるかどうかより、弾き始めるまでの摩擦が少ないかどうかが先です。

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③ ノルマを限界まで下げる

「1日1時間練習する」は、社会人には高すぎるノルマです。守れない日が続いた瞬間、習慣が崩れます。

筆者が勧めているのは、「1日3分、週5日触る」くらいの低さで設定することです。

「そんな練習に意味があるのか」と感じるかもしれません。でも、意味があるかどうかより、続くかどうかが先です。

3分触り続けた人と、0分の日が続いた人では、3か月後の感覚がまったく違います。現実には「3分のつもりが30分弾いてしまった」という日も出てくる。低いノルマは、やる気のない日の最低保証であり、やる気のある日の邪魔はしません。

モダン・テク子
モダン・テク子
「上達」を前提とした目標にするから失敗する。「やめない」為の目標にすれば、弾いた日は全部勝ちだ。

それでも止まってしまったとき、最初にやること

仕組みを作っても、止まる時期はあります。それは普通のことです。

ここで一つ、正直に言っておきます。止まったことに自分で気づけているなら、まだ大丈夫です。

危ないのは、止まっていることを意識しなくなったとき──つまり、ギターのことを考える頻度自体が減っているときです。

そういう状態を防ぐために、仕組み①の「視界に置く」が効いてきます。
目に入るから、「そういえば最近触っていないな」と気づける。

実際に止まってしまったとき、筆者がやることは練習を再開しようとすることではなく、ギターを視界に戻すことだけです。

弾かなくていい。ただ、見える場所に出す。それだけ。

ギターが視界にある状態で数日過ごすと、必ずどこかで手が伸びます。「再開」という大げさな決意は、たいてい続きません。小さな接触から、静かに戻っていく方が長続きします。

止まってから日が浅いほど、戻りやすい。

「しばらく触っていないな」と気づいた、その日のうちに動くことをお勧めします。ギターをケースから出してスタンドに立てるだけでいい。それが、再起動の一番小さな一歩です。

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まとめ

  • 「全然弾けていない」が口癖になってきたら、時間よりも環境を疑う
  • 弾けなくても、見る・聴く・調べるでギターとの接点は保てる
  • 練習を始めるまでの摩擦を減らすことが、継続設計の核心
  • ギターは視界に置く。マルチエフェクターは接続しっぱなしにする
  • ノルマは「1日3分週5日」レベルまで下げる。続くことが上達より先
  • 止まったと気づいたら、その日のうちにギターを視界に戻す

まず今日、ギターをケースから出してスタンドに立ててください。それだけでいいです。


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吉田寛定
新潟市在住のギターインストラクター。 趣味ギタリストに向けた“ちょうどいい温度感”の発信を心がけています。 新潟市江南区のギター教室|7丁目ギター教室にて無料体験レッスン受付中。亀田・横越エリアの方はぜひどうぞ。
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