「自分よりギターが上手い人」を見て落ち込むな!勝てるルールでメンタルを守る戦略

「自分より上手いヤツ」を見て落ち込むのは、
あなたが弱いからではありません。
脳が勝手に「自分に不利なルール」で試合を始めているだけです。
どうも、7丁目ギター教室新潟江南校の吉田です。
SNSを開けば、自分よりはるかに年下の子が超絶技巧を披露している動画が流れてくる。「すごい!」と感動する反面、ふと手元のギターを見て「俺、何年もやっててこの程度か…」とため息をつく。
そんな経験、ありますよね。
「人と比べるな」なんて綺麗事は言いません。
脳の構造上、比較するのは止められないからです。
結論から言うと、比べるなら「下」を見ましょう。
ただし、性格の悪い見下し方ではなく、「自分が勝てるルール」を自分で作って、堂々と勝つのです。
これはメンタルを守り、継続させるための立派な心理戦略です。

インスタで「ギター歴半年です!」って言いながらスウィープ決めてる高校生を見たわ。正直、スマホ投げたくなったね。

わかる…。私なんてFコード押さえるのに3ヶ月かかったのに。才能の差を見せつけられると、もう弾く気力がゼロよ。布団にくるまりたい。

甘えるな。若者の脳は「シナプス可塑性」が高いんだ、吸収が早くて当然だぞ。だが、我々には我々の戦い方がある。「上方比較」でメンタルを削るより、「下方比較」で自己効力感を守るんだ。
心理学が証明する「見下し」の効用

「下を見て安心するなんて、性格が悪い」と思っていませんか?
いえいえ、これは「社会的比較理論(Social Comparison Theory)」において、自分の心を守るための正常な防衛反応です。
心理学者フェスティンガーが提唱したこの理論には、2つの方向性があります。
上方比較(Upward Comparison):自分より優れた人と比べること。「あんなふうになりたい!」と向上心に繋がる反面、ギャップに打ちのめされて劣等感を抱きやすい。
下方比較(Downward Comparison):自分より劣っている(と感じる)人と比べること。「自分はまだマシだ」と安心し、自尊心を守る効果がある。
ギターにおいて挫折しやすい人は、無意識に「上方比較」ばかりを繰り返して、勝手にダメージを受けている状態です。
メンタルが落ちている時に「上」を見るのは、毒を飲むようなもの。
堂々と「下方比較」を使い、心の平穏を取り戻しましょう。
「下」とは誰のことか?
ここで言う「下」とは、特定の下手な誰かを指差して笑うことではありません。
「過去の自分」や「まだギターを始めていない9割の人類」のことです。
Fコードが鳴らなかった頃の自分。
「ギターやってみたいな」と言いつつ、一度も楽器屋に行動を起こせていない友人。
彼らと比べれば、あなたは圧倒的な「上位者」です。
「すでにギターを所有し、音を出している」。この事実だけで、あなたは人口の上位数%に入っているのです。
ゲームマスターは自分。「勝てるルール」を捏造せよ

それでも「あいつより下手だ」と思ってしまうなら、比較する「軸」を変えてしまいましょう。
ギターの優劣は「速弾き」や「ミスのなさ」だけで決まるわけではありません。
あなたは、あなたが勝てるルールの「ゲームマスター」になればいいのです。
自分が有利になる「ニッチな土俵」を探す
例えば、テクニックでは負けていても、以下のような土俵ならどうでしょう?
「機材愛」対決:あいつは速く弾けるけど、俺の方がBOSSのコンパクトエフェクターの歴史に詳しい。
「継続力」対決:あいつは天才だけど飽きっぽい。俺は1日5分だけど3年間毎日触っている。
「顔で弾く」対決:チョーキングした時の苦悶の表情の渋さは、俺の方がゲイリー・ムーアに近い。
このように、「〇〇という特殊な状況であれば、私の右に出る者はいない」という条件を自分で設定してください。
心理学では“多次元的自己概念”と呼ばれます。
一つの軸(技術)がダメでも、別の軸(知識、経験、愛)で自分を支えることができます。

なるほどね。「速弾き」というレッドオーシャンで戦うから疲れるんだ。「安ギターを調整してそこそこの音を出す能力」なら、私は誰にも負けない自信があるよ。

私は「メトロノームのBPM60に合わせてスクワットしながらクロマチック練習をする持久力」なら負けんぞ。誰もそんな競技やってないがな。

私は…そうね、「泣きのギターソロを弾いてる最中に、自分が感動して本当に泣いちゃう感受性」なら世界一かも!これなら勝てるわね!
上手い人にも「欠点」はある(と仮定する)

これは少しダークなテクニックですが、脳を騙すためには有効です。
凄腕のギタリストを見たとき、ただ圧倒されるのではなく、「トレードオフ(何かを得れば何かを失う)」の視点を持つのです。
脳内補完で精神的勝利をおさめる
| 相手のすごいところ | 脳内変換(勝てるポイントを探す) |
| 超高速フルピッキング | 「でも、この速度だと腱鞘炎のリスク高そうだな。健康管理なら私の勝ちだ」 |
| 複雑なジャズコード | 「おしゃれだけど、キャンプファイヤーでみんなで歌うなら私のローコードの方が盛り上がるな」 |
| 高価なヴィンテージギター | 「傷つくのが怖くてライブで暴れられないだろ? 私のパシフィカならどこでも特攻できる」 |
これは負け惜しみではありません。「自分のプレイスタイルや環境にも、独自の価値がある」と再確認する作業です。
隣の芝生は青く見えますが、実は人工芝かもしれません。自分の家の芝生(今のスキル)に水をやることに集中しましょう。
まとめ
他人と比較して落ち込むのは、脳のエネルギーの無駄遣いです。
あなたがギターを弾くのは、誰かに勝つためではなく、あなたの人生を豊かにするためのはず。
比較癖は止められない。だから「見下す」のではなく「下方比較」で自分を守る。
「速さ」や「上手さ」以外のルール(機材愛、顔芸、継続力)を自分で作る。
最大の「下」は、ギターを弾けなかった頃の「過去の自分」。
自分が作ったルールの中で、堂々とチャンピオンでいてください。
そうすれば、「練習しなきゃ」という焦りが、「今日も王座を防衛するか」という余裕に変わります。
今日のワンステップ:
今すぐ、「自分がアイツより勝っている(と思われる)マニアックなポイント」を1つ書き出してみましょう。
「ピックを無くす速さなら負けない」でもOKです。それもまた、ギタリストの愛すべき才能ですから。
あなたのギターライフが、無駄な劣等感から解放されますように。
おまけ








