ギターx心と身体

ギターが最高の趣味である7つの理由|自信・集中・成長が手に入る

「何か新しい趣味を始めたい」「日常にちょっとした達成感が欲しい」
そんな人におすすめしたいのが、ギター。手軽に始められて、続ければ続けるほど深みにハマっていく。その魅力は単なる“楽器”という枠を超えて、人生を豊かにしてくれる存在になる。

この記事では、趣味としてギターをおすすめする理由を7つに分けて紹介する。今まさに何かを始めたいあなたに、ギターという選択肢がしっかり届くように。

ゴールがないからこそ、一生楽しめる

ギターを始めて間もない頃は、「まずは一曲弾けるようになろう」「次はバレーコードを押さえられるように」と、目の前の小さなゴールに向かって努力する。ところが不思議なことに、ひとつクリアするたびに、さらにその先の課題が見えてくるのがギターという楽器の面白さだ。

コードを覚えたらアルペジオに挑戦したくなるし、弾き語りができたらリードギターにも興味が湧く。ブルース、ロック、ジャズ、ボサノバ──ジャンルの数だけ弾き方があり、技術と感性の世界に終わりはない。

この「終わりがない」という性質は、他の趣味ではなかなか得られない魅力だ。ゲームのように“完全クリア”が存在せず、人生のあらゆるフェーズで新しい刺激をくれる。定年後に再び弾き始めて、若い頃には気づかなかった音の奥深さに感動するという人も少なくない。

ギターは、一度始めたら“ゴールのない旅”が始まる。けれどその旅は、退屈とは無縁で、常に自分をアップデートさせてくれる時間になる。

自己効力感が育つ。「できた」の積み重ねが自信になる

ギターを始めた人なら、誰もが一度は「こんなの無理だ…」と挫折しそうになる瞬間を味わう。特にFコード。あの初心者キラーとも呼ばれるバレーコードに苦しめられた経験は、多くのギタリストの中にトラウマとして残っている。

でも、そこで練習をやめなかった人だけが、その先の「できた!」に出会える。小さな壁を超えるたびに、「自分にはできる力がある」という実感が積み重なっていく。この感覚こそが“自己効力感”だ。

自己効力感は、学業や仕事、人間関係といった人生のあらゆる場面で、ポジティブな影響を及ぼすことが心理学でも証明されている。つまりギターは、技術を磨く以上に“心を育てる趣味”なのだ。

うまく弾けなくてもいい。でも、昨日より少しだけ良くなったという実感が持てる。それだけで、自信を持って生きられるようになるのだから不思議だ。

常に上には上がいる。だから謙虚でいられる

ギターの世界に足を踏み入れると、すぐに気づく。自分の上にはとんでもないプレイヤーがゴロゴロいることに。プロの演奏はもちろん、アマチュアでも驚くほどセンスにあふれた人たちがいる。その圧倒的な音に触れるたび、思わずこうつぶやく。「自分、まだまだだな」と。

でもそれは、劣等感ではない。悔しさと同時に、「もっと上達したい」「こんなふうに弾けるようになりたい」と火がつく瞬間でもある。

ギターは、慢心しようとしたときに限って“壁”を見せてくる。調子に乗っていると、難しいフレーズで手が止まり、謙虚さを取り戻させてくれるのだ。だからこそ、ギターを続ける人には、どこか共通して穏やかな、努力を続ける人の雰囲気が漂っている。

人は成長すると、自信とともに傲慢さも生まれてしまいがち。でもギターという果てのない世界が、それを抑え、純粋に“音楽と向き合う自分”を育ててくれる。

集中力が高まる。練習時間は、心と脳のメンテナンス

ギターの練習は、ただ指を動かすだけではない。右手と左手を別々に動かしながら、コードの形を意識し、リズムを取り、耳で音を確認する。まるで全身の感覚を総動員して一つのことに没頭するような感覚だ。

このような状態は、心理学では“フロー状態”や“ゾーン”と呼ばれる。高い集中力を維持しているとき、人間の脳は余計な雑念から解き放たれ、目の前のことにだけ意識を向けられるようになる。ギターは、その状態に入りやすい趣味のひとつだ。

このフロー体験を繰り返すことで、普段の生活でも「集中しやすい脳の使い方」が身についてくる。仕事や勉強でも、“気づいたら1時間経っていた”というような集中の持続力が鍛えられるのだ。

また、ギターの練習は計画的に行わないと上達しない。今日どの曲を練習するか、どのテクニックを重点的に磨くか、自分で決めて、自分で時間をコントロールする必要がある。このプロセスそのものが、自己管理能力を育ててくれる。

ギターに熱中する時間は、単なる娯楽ではない。集中力、注意力、そして時間を自律的に使う習慣──現代人が最も欲している“頭と心の筋トレ”を、自然と積めるのがギターなのだ。

人とつながるための最強ツールになる

「音楽は言葉を超える」とよく言われるが、それを最も実感できるのがギターかもしれない。言語や文化が違っても、同じコード進行を奏でれば、その場に自然と笑顔が生まれる。言葉がいらない。音を交わすだけで、心が通じ合う。

バンドを組んでライブに出たり、セッションイベントに飛び入り参加したり、SNSで動画をシェアしたり。ギターをきっかけに出会う人の数は、想像以上に多い。そしてその出会いが、人生を変えることだってある。

「弾ける」だけで、誰かの感情を動かせる。それは、音楽を届ける人にしか味わえない喜びだ。もし孤独を感じることがあるなら、ギターはきっと、あなたと世界をつなげてくれる。

五感を刺激する。アナログの魅力を思い出させてくれる

ギターは、視覚・聴覚・触覚を一度に使う楽器だ。コードの形を目で追い、指先で弦の感触を確認し、音の響きで正しさを判断する。その一連のプロセスは、まるで五感のチューニングをするかのような体験になる。

さらに、木製のギターには経年変化による独特の匂いや音色の変化があり、時間とともに“自分だけの楽器”へと育っていく。その愛着は、まるで長年連れ添った相棒のようなものだ。

現代ではスマホやPCに触れる時間が圧倒的に長くなった。その中で、ギターは唯一「人間らしさ」を取り戻せるツールでもある。アナログで、感覚的で、目に見えない何かを伝えることができる──そんな楽器は、そう多くない。

 成長を実感できる。人生がちょっとずつ豊かになる

ギターは、“気づいたら上達している”という感覚が味わえる数少ない趣味だ。もちろん最初は苦戦する。でも続けるうちに、自然とフレーズが滑らかになり、音にニュアンスが乗るようになる。

その成長は、誰かと競うためのものではない。昨日の自分と比べて、ほんの少しだけ前に進めたという感覚こそが、ギターを続ける醍醐味だ。

毎日の中で「上達した」と感じる瞬間は、想像以上に心を満たしてくれる。そしてその喜びがあるからこそ、人生そのものが少しずつ色づいていく。

ギターを弾くということは、音楽を楽しむことであると同時に、「今、自分はここにいる」と確かめる行為でもある。忙しくて心がすり減りそうなときこそ、ギターはそっと寄り添ってくれる。

ギターは人生に寄り添ってくれる

ギターは、ただの音を出す道具ではない。それは、自分と向き合うための鏡であり、人とつながる扉であり、成長を感じるためのツールだ。

音を出すだけで、心が整い、自信が芽生え、謙虚さを思い出し、人とつながり、人生がほんの少しやさしくなる。
そんな趣味が、他にあるだろうか?

今、もし何かを始めたいと思っているなら。ギターを手に取ってみてほしい。最初の1音が、あなたの明日を変えるかもしれない。

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ABOUT ME
吉田寛定
新潟在住のギターインストラクター、MBTIはINTP(論理学者) 時々インスタに演奏動画を上げたりしている。 だいたいどんな話を振られてもある程度語れる位常に知識をむさぼって生きています。