エフェクターレビュー

BOSS ME-90 発表!収録エフェクト、他機種との差まとめ

ついに発表されました

BOSS MEシリーズの新作

ME-90

まだ発売されてませんが、調べてみるとこれ
なかなかいいんじゃないか?
って事が分かってきたのでこの記事でシェアさせてもらいます。

ちょっと前にGX-100が出て、GT-1000とどっちがいいの?
みたいな事になって迷う人が続出してましたが

今回発表されたME-90は他のBOSSマルチに比べて
どうなの?みたいなところまで類推していきます。

また、どんな人におすすめなのかについても
GT-1000coreユーザーの筆者が独断と偏見で解説していきます。

MEってどんなシリーズなの?

BOSSのMEシリーズの特徴は何と言っても手軽さです。

昨今のマルチエフェクターは本体のモニターとにらめっこして音を作っていくようなイメージがあるかと思いますが
MEシリーズのモニターは小窓が一つポツンとあるだけ。

なぜならモニターがなくとも本体のツマミを直感的に操作するだけで音作りが出来るからです。

一見ツマミが多くて難しそうなんですけど
実際はコンパクトエフェクターを並べたのと同じような使用感なので非常に分かりやすいです。

同じくBOSSのGTシリーズとMEシリーズを比較してみるとすぐ分かると思います。

GTシリーズはツマミが少ないのですが画面表示を切り替えていくことでその都度ツマミの役割が変わっていきます。
ひとつひとつのエフェクトに対して、かなり細かく設定をいじることができるのに対し

MEシリーズは見えているツマミが全てなので細かな設定は出来ない。
その代わりGTシリーズに比べて簡単に音を作ることができるメリットがあります。

作り込みのGTシリーズに対して
シンプルなMEシリーズと言ったところです。

当然GTシリーズの方が出来ることは多い
が、しかし
出来ることが多い代わりに使いこなすにはかなりの知識と複雑な操作が要求されるので
挫折するユーザーも多いのもGTシリーズですが

出来ることに制限があるからこそ
直感的に操作できるMEシリーズは多くのユーザーに支持されていますし
実際評価もものすごく高いシリーズです。

MEシリーズをメインで使用しているプロがいるくらいなので
別に音質が劣っているというわけでもありません。

マルチエフェクターなのに簡単、お手軽。

それがMEシリーズです。

ME-80からアップデートされた事

さて、今回発表されたME-90ですが、現行のME-80から何がアップデートされたのか
今のところ分かっていることをまとめましょう。

まずは何と言っても
アンプシミュレーターがCOSMからAIRDになったことでしょう。

COSMというのがGT-1000以前のBOSSマルチに搭載されていたアンプシミュレーターで
GT-1000からAIRDという新しいアンプシミュレーターに代わりました。

より生々しく、実際のアンプのような挙動をする先進的なアンプシミュレーターになっていて
今のBOSSが誇る本気サウンドがこのME-90でも鳴らすことができます。

その他収録エフェクトに関してもかなりグレードアップしています。
ME-80の収録エフェクトがGT-100クラスだったのに対し
ME-90は収録エフェクトに関してもGT-1000クラスのものが採用されています。

おそらくサウンドは桁違いに良くなっているのではないでしょうか。

実機を鳴らすのが今から楽しみです。

そして
センドリターンがついた ことも見逃せません。

今まではインプットとアウトプットしかなかったので
本体の前段、もしくは後段にしか外部エフェクトを繋ぐことができませんでした。

ME-90ではプリアンプの前段、または後段に外部エフェクトを差し込めるセンドリターンが端子が装備されたので
お気に入りのエフェクターをより効果的に使えるようになりました。

最後に
別売りアダプターを取り付けるとスマホで音作りできる
これも嬉しいですね

今までPCと接続してエディターを使って音作りしていたという方も多いかと思いますが
Bluetoothでスマホに接続して音色エディットが出来るようになりました。

またBluetooth MIDI対応のスイッチャーやペダルを繋ぐことで
スイッチ、ペダルの増設も出来ます。

別売りのアダプターを購入する必要こそありますが
十分その価値がある機能だと思います。

収録エフェクト、プリアンプ

そして気になる収録エフェクト、プリアンプについてですが、こちらはGT-1000クラスのものが採用されています。

実売¥44,000なのでこの時点でかなりコスパが良いと言えます。

早速収録エフェクトを確認していきたいところではありますが、
その前に各エフェクトがどの順番で動作するのかを確認していきます。

エフェクトセクションの接続順

エフェクトの接続順は以下の通りで、任意の変更はできません。

PEDAL FX エクスプレッションペダルによるエフェクト(ワウ等)

COMP/FX1 コンプレッサーやフィルター、ピッチ系のエフェクター

OD/DS   ブースターや歪エフェクター

PRE AMP プリアンプ部

NS    ノイズゲート

FOOT VOLUME エクスプレッションペダルによる音量コントロール

MOD   コーラスなどの揺らぎ系エフェクター

EQ/FX2 イコライザーや揺らぎ系、空間系エフェクター

DELEY  ディレイ

REVERB  リバーブ

選択したエフェクトによっては最適な順番に自動で切り替わる仕様だそうです。

ほぼほぼセオリー通りの接続が出来るので音作りが破綻しにくいのが特徴ですが
逆に考えると尖った音作りがしたい方には不向きな仕様とも言えます。

センドリターンリターンだけはプリアンプの前か後か選択できる様なので
お気に入りの歪みや空間系などを後付けすることも出来る嬉しい設計です。

ではお待ちかねのエフェクトリストへ進みます。

COMP/FX1セクション

音の粒を揃えるコンプレッサーの他、多様なエフェクトを選択できるセクションです。

主に歪みエフェクターの前段で効果を発揮するエフェクトがこのセクションに収録されています。

  

エフェクト 効果
COMP 音を歪ませずにサステインを得る。
T.WAH UP ピッキングの強弱に合わせてワウ効果が掛かる。フィルターが高い周波数方向に動きます。
SLOW GEAR アタック音をけしてバイオリン奏法のような効果を得る
DEFRETTER フレットレス・ギターをシミュレートします。
OCTAVE 1 オクターブ下、2 オクターブ下の音を加える。
HUMANIZER ギター音を人間の声のような音に変化させる。
FEEDBACKER フィードバック奏法を演出できます。ペダルを踏んでいるときに効果がかかります。
AC SIM エレクトリック・ギターの音をアコースティック・ギター風に変えます。
SOLO OD/DS や PREAMP との組み合わせで、ソロ演奏に最適なサウンドになります。
TUNE DOWN ギターのチューニングを下げた効果が得られます。
※S-BEND ギターのアーム奏法では不可能な、ピッチ・アップ/ピッチ・ダウンの効果が得られます。ペダ
ルを踏んでいるときに効果がかかります。

そして11個目のS-BENDを以下のエフェクトに差し替えることができます。

  

エフェクト 効果
D-COMP MXR Dyna Comp のモデリング
RING MOD 内部発振器とギターの音を掛け合わせて、ピッチ感のない金属的な音に変えます。
POLY OCTAVE ポリフォニック入力に対応した OCTAVE です。
T.WAH DOWN ピッキングの強弱に合わせてワウ効果が得られます。フィルターが低い周波数方向に動きます。
Single > Hum シングル・コイルの音をハムバッキングの音に変えます。
Hum > Single ハムバッキングの音をシングル・コイルの音に変えます。

COMP/FX1セクションは以上です。

GT-1000には収録されなかった
・Single > Hum
・Hum > Single
・TUNE DOWN
辺りが注目ポイントかなーと思います。

所有しているギターがストラトやレスポールでも
シングルとハムのサウンドが両方使えるのは嬉しいですよね

TUNE DOWNがどの程度使えるのか
ここも見どころです。
スイッチ一つで半音下げに出来るならめちゃくちゃ便利

Kemperのトランスフォーズが非常に優秀だったのでBossにもそろそろ使えるレベルのエフェクトを期待したい。

OD/DSセクション

ブースターと歪み系のセクションです。

主に有名機種のモデリングが収録されています。
その方が音作りしやすいという方も多いのではないでしょうか。

また、ビギナーにとっても代表的な機種でどんな音が出せるのか体験できるのはありがたい事だと思います。

  

エフェクト 効果
BOOST 中域に特徴のあるブースターです。AIRD プリアンプと同時に使用するとソロ向きの音になりま
す。
OVERDRIVE BOSS SD-1 のサウンドです。
T-SCREAM Ibanez の TS-808 のサウンドをモデリングしています。
CENTA OD KLON の CENTAUR のサウンドをモデリングしています。
BLUES OD BOSS BD-2 のサウンドです。
DISTORTION BOSS DS-1 のサウンドです。
TURBO DS 中域にクセのある歪みが得られます。BOSS DS-2 TURBO=ON のサウンドです
RAT DS Proco RAT のサウンドをモデリングしています。
METAL DS BOSS METAL ZONE MT-2 のサウンドです。
CORE 高速メタルリフに最適な BOSS ML-2 のサウンドです。
※MUFF FUZZ Electro Harmonics の Big Muff πのサウンドをモデリングしています。

そして11個目のMUFF FUZZを以下のエフェクトに差し替えることができます。

  

エフェクト 効果
CLEAN BOOST ブースターとしてはもちろん、単体で使用してもパンチのあるクリーン・トーンが得られます。
TREBLE BOOST ブライトな特性のブースターです。
OD-1 BOSS OD-1 のサウンドです。甘くマイルドな歪みが得られます。
TURBO OD パワフルなオーバードライブ・サウンドです。BOSS OD-2 TURBO=ON のサウンドです。
GUV DS Marshall の GUV‘NOR のサウンドをモデリングしています。
‘60S FUZZ FUZZFACE のサウンドをモデリングしています。
OCT FUZZ Octavia(オクターブ上の音が混じる独特のファズ)のサウンドです。

以上がOD/DSセクションのエフェクトです。

お馴染みのサウンドが多数収録されているのはありがたいですよね

ただ、個人的にX-ODやX-DS等の先進的なMDPエフェクトを入れてくれても良かったんじゃないかなーとも思ってしまいます。

とはいえ必要十分なラインナップであると思います。

AMPセクション

今回の目玉であるアンプセクションです。

ME-70はCOSMという技術でモデリングされたアンプシミュレーターが搭載されていましたが

ME-90ではAIRDという技術でモデリングされたアンプシミュレーターが採用されています。
これはGT-1000にも収録されているもので、現在のBOSSの本気サウンドがこのME-90でも鳴らすことができるというわけです。

  

エフェクト 効果
NATURAL アンプ特有のトレブリー感やブーミーな低音のクセを抑えた、素直なクリーン・サウンドです。
X-CRUNCH MDP によりすべての弦で歯切れの良さを実現したクランチ・サウンドです。
X-HI GAIN MDP によりレンジが広く心地よい分離感が得られるハイゲイン・サウンドです
MAXIMUM ビンテージ Marshall 特有の反応の良さと音質はそのまま、さらにハイゲイン化したアンプです。
JUGGERNAU 究極のメタル・サウンドを追求してチューン・アップされた大型スタック・サウンドです。
X-MODDED MDP により過激なゲインでも音の輪郭を失わないコア・サウンドです。
TWIN COMBO Fender の Twin Reverb をモデリングしています。
TWEED COMBO Fender の Twin Reverb をモデリングしています。
DIAMOND VOX の AC30 をモデリングしています。
BRIT STACK Marshall 1959 をモデリングしています
※RECTI STACK MESA/Boogie DUAL Rectifier のチャンネル 2 MODERN モードをモデリングしています。

そして11個目のRECTI STACKを以下のエフェクトに差し替えることができます。

  

エフェクト 効果
TRANSPARENT 周波数レンジが広い、非常にフラットな特性のアンプです。アコースティック・ギターに最適です。
BOUTIQUE 従来のコンボ・アンプの表現力を超えた、ピッキングのニュアンスを忠実に再現できるクランチ・
サウンドです。
SUPREME 4×12”スピーカー特有のキャビネット感を生かしつつピッキングの強弱に応じて反応する、心地
よいクランチ・サウンドです。
JC-120 ローランド JC-120 のサウンドをモデリングしています。
DELUXE COMBO Fender の Deluxe Reverb をモデリングしています。

以上がAMPセクションです。

正直言って文句なしです。

GT-1000に収録されているBOSSのオリジナルサウンドを全て収録してくれていますし
モデリングの選定もFender、Vox、Marshall、MESA、ジャズコと必要十分です。

もちろんマシンのパワーで言えばGT-1000のほうが断然上だと思うので
全く同じサウンドが出るかと言われるとそうではないと思います。

ただ、半分以下の価格でこれだけ放出してくれるならめちゃくちゃアリです。

このAMPセクションのラインナップで神エフェクターである事が確定したも同然です。

NSセクション

ギターのピックアップで拾うノイズやハムを抑えます。

NSセクションに関してはノイズサプレッサーのみで
他のエフェクトは収録されていません。

AMPセクション通過後に発生するノイズをここで抑えることができます。

MODセクション

モジュレーション系のエフェクトがここで選択できます。
音に広がりを与えたり、うねりを加えたりするセクションです。

  

エフェクト 効果
PHASER 位相をずらした音を加えて、音にうねりを与えるエフェクトです。
FLANGER ジェット機の上昇音/下降音のようなうねりを与えるエフェクトです。
TREMOLO 音量を周期的に変えることで、レトロな効果が得られます。
CHORUS 微妙に揺れる音を加えて、広がりと厚みのある美しい音色に変えるエフェクトです。ダイレクト音
の音量は固定です。
VIBRATO 通常のギター奏法では得られない激しいビブラート効果が得られます。
PITCH SHIFT ピッチを±2 オクターブ変化させることができるエフェクトです。
HARMONIST ツイン・ギター風のハーモニーを作ります。
ROTARY 回転スピーカーの効果が得られるステレオ・エフェクトです。
UNI-V 60 年代のロック・サウンドに欠かせない Uni-vibe のモデリングです。
DELAY 音を遅らせ、山びこのような効果が得られます。ディレイ・タイムは 10 ~ 800ms(ミリ秒)で、
第 2 のディレイとして使うことができます。
※OVERTONE MDP 技術により、新たな倍音を加えて原音にない響きと厚みを作り出します。

そして11個目のOVERTONEを以下のエフェクトに差し替えることができます。

  

エフェクト 効果
SCRIPT PHASER 70 年代に生産された MXR Phase 90 をモデリングしています。
STEREO CHORUS L/R チャンネルに別々のコーラス音を加えるステレオ 2 相コーラスです。
CE-1 CHORUS BOSS CE-1 のコーラス・サウンドです。
AUTO WAH フィルターを周期的に変化させて、自動的にワウ効果を得ることができます。

以上がMODセクションのエフェクトです。

モジュレーション系にも定評のあるBOSSなのでここは問題ないでしょう。

ヴィンテージエフェクターのモデリングもいくつか入っているので
その頃の年代の音楽を演奏する際にもいい空気感を作ってくれそうです。

EQ/FX2セクション

イコライザーの他、プリアンプを通ったあとに掛けることで効果を発揮するエフェクトがここに収録されています。
他のセクションとはやや異なり、主にMODセクションに収録されているエフェクトがここにも収録されているような感じですね

  

エフェクト 効果
PHASER フェイザー、NORMALとSCRIPTを選択可能
TREM/PAN 音量を周期的に変えるTREMOLOと左右の音量を交互に変えるPANが選択可能
BOOST ブースター、MID、CLEAN、TREBLEが選択可能
DELAY ディレイ、STANDARD、ANALOG、TAPEが選択可能
CHORUS コーラス、MONO、STEREO、CE-1が選択可能
EQ 3 バンド・イコライザーです。

そして6個目のEQを以下のエフェクトに差し替えることができます。

  

エフェクト 効果
FLANGER ジェット機の上昇音/下降音のようなうねりを与えるエフェクトです。
VIBRATO 通常のギター奏法では得られない激しいビブラート効果が得られます。
PITCH SHIFT ピッチを±2 オクターブ変化させることができるエフェクトです。
HARMONIST ツイン・ギター風のハーモニーを作ります。
ROTARY 回転スピーカーの効果が得られるステレオ・エフェクトです。
UNI-V 60 年代のロック・サウンドに欠かせない Uni-vibe のモデリングです。
OVERTONE MDP 技術により、新たな倍音を加えて原音にない響きと厚みを作り出します。

以上がEQ/FX2セクションのエフェクトです。

MODセクション②のような扱いで良いと思います。
音の作り込みに役立ちそうですね。

DELAYセクション

音を遅らせ、山びこのような効果が得られます。
厚みを加えたり、トリッキーなサウンドを作ったりすることができます。

  

エフェクト 効果
STANDARD ディレイ・タイムは 10 ~ 800ms(ミリ秒)です。
ANALOG アナログ・ディレイのマイルドなサウンドが得られます。
TAPE テープ・エコーに特有の、揺らぎのあるサウンドが得られます。
WARM クリアになりすぎない、暖かみのあるデジタル・ディレイです。
MODULATE 心地よい揺らぎを加えたディレイです。
REVERSE 逆再生の効果を生み出します。
TEMPO ペダルを使ってディレイ・タイム(テンポ)を決めます。
TERA ECHO MDP 技術により、ピッキングの強弱に応じて変化する広がりと独自の残響を作り出します。
SHIMMER ピッチを変えた音を混ぜたディレイです。
PHRASE LOOP 演奏を録音してその内容の繰り返し再生ができます。ライブ・パフォーマンスや練習に便利です。
※+REVERB リバーブを組み合わせたディレイです。相乗効果によるリッチな残響音が得られます。

そして11個目の+REVERBを以下のエフェクトに差し替えることができます。

  

エフェクト 効果
CHO+DELAY コーラスを組み合わせたディレイです。
WARP 幻想的な音を作り出します。ペダルを踏んでいるときに効果がかかります。
TWIST アグレッシブな回転換を作り出します。ディストーションと組み合わせると、一層ワイルドな回転感が得られます。ペダルを踏んでいるときに効果がかかります。
GLITCH 機関銃のようなディレイ音を作り出します。ペダルを踏んでいるときに効果がかかります。

以上がDLYセクションのエフェクトです。
こちらも必要十分ですね。

クラシックなものからモダンなものまで揃っていますし
トリッキーなエフェクトも多く収録されています。

他セクションにもディレイが収録されているおかげでトリッキーなエフェクトが選びやすくなっているのはポイント高いですね

ディレイ+リバーブや、ディレイ+コーラスなんかも収録されているので他のセクションと補完し合って音作りできるのもうれしいです。

REVERBセクション

音にステレオ効果のある残響を加えます。

部屋鳴りや空間を演出するギターでも必須のエフェクトが収録されているセクションです。

  

エフェクト 効果
ROOM 室内の残響をシミュレートします。
HALL ホールの残響をシミュレートします。
SPRING スプリング・リバーブをモデリングしたリバーブです。

以上がREVERBセクションのエフェクトです。

ちょっと寂しいかなーとは思いますが、正直十分と言えば十分です。
よっぽどこだわるならお好みのリバーブをME-90の後段に繋いでください
って事なのかもしれませんね。

まあディレイが充実してるので一般的な音作りにおいてはこれで問題ないでしょう。

PEDAL FXセクション

本体のエクスプレッション・ペダルでさまざまな効果が得られます。

  

エフェクト 効果
WAH ワウ・エフェクトです。
VOICE ヒューマン・ボイス風のサウンドを作り出すことができます。
+1 OCT 原音に対してピッチを +1 オクターブまで連続して変化させることができます。
+2 OCT 原音に対してピッチを +2 オクターブまで連続して変化させることができます。
-1 OCT 原音に対してピッチを -1 オクターブまで連続して変化させることができます。
-2 OCT 原音に対してピッチを -2 オクターブまで連続して変化させることができます。
FREEZE ペダルを踏み込むと、ギターの音色を持続させるフリーズ機能がオンになります。ペダルを踏
み込んだタイミングでフリーズ機能がかかります。
OSC DELAY FEEDBACK と TIME を駆使して得られる DELAY の発振状態を、ペダル操作だけで得られる
エフェクトです。
OD/DS OD/DS エフェクト使用時に、DRIVE をコントロールすることができます。
MOD RATE MOD エフェクトを使用時に、RATE をコントロールすることができます。
DELAY LEVEL DELAY エフェクト使用時に、ディレイ・レベルをコントロールすることができます。

以上がPEDAL FXセクションのエフェクトです。

ワウはもちろんワーミー的なピッチエフェクトやよりトリッキーなエフェクトまで収録されていてこちらも満足です。
一部他のセクションのエフェクトと相互作用するものがあったりと
色々な使い道がありそうです。

また、PEDAL FXがOFFの時はボリュームペダルとして動作します。

以上がME-90に収録されている全エフェクトです。

他のBOSSマルチに比べてどうか

GX-100 play

GT-1000クラスのエフェクトが搭載されてるマルチエフェクターはこれで4つめになる。

フラッグシップであるGT-1000 実売¥132,000

GT-1000をそのままのサウンドで筐体をコンパクトにしたGT-1000core 実売¥77,000

タッチパネルを搭載した新シリーズGX-100 実売¥69,850

そして今回発表されたME-90 実売¥44000

と、それぞれ異なった個性で価格帯も違う。

価格が上がるにつれ、より上級者向けのモデルになっている。

そして実はGT-100も未だに現行で販売されている。 実売¥55,000

GT-100は1世代前のエフェクトが搭載されていて
BOSSマルチエフェクターのエントリーモデルであるGT-1はGT-100のサウンドを継承している。 実売¥24,000

それぞれどのような差があるか見てみよう。

GT-100との差

まずは価格が近いGT-100から見ていこう

エフェクトの品質はME-90の方が上

音作りの自由度の高さはGT-100の方が上

という面白い関係性。

予算50000円台で

なるべく簡単に使えて高品質なサウンドを求めるならME-90

なるべく音色を作り込みたいならGT-100

といった感じか。

実は他メーカーを含む同価格帯の中でも
ME-90は高い品質のエフェクトを収録しているし
GT-100は抜きん出た自由度を誇るマルチエフェクターなので
両方ともかなりいい選択肢だと思う。

GT-1との差

価格差は約2万円なので

ME-90の方が上位モデルという認識で良いと思う。

GT-1はGTシリーズではあるものの
かなり機能に制限があるので自由度に関してはそれほど差はない

サウンド面はもちろんME-90の方が上

既にGT-1を持っていてアップグレードしたい時に
ME-90はいい選択肢になる思う。

GT-1000,GT-1000coreとの差

フラッグシップ機なだけあって全てにおいてGT-1000が上位

エフェクトは同クラスのものが搭載されているものの
GT-1000はサンプリング・レート96kHz、AD/DA変換32bit、内部演算32bit float(浮動小数点)処理
と業界最高クラスの音質で出力されるので

実際はかなりの差があるだろう。

しかし、ME-90は圧倒的に簡単で直感的な操作ができる
という優位性がある

複雑な音作りを必要としないのであればME-90はかなりいい選択肢になる。

また、制作はGT−1000、ライブはME-90という使い分けもアリなんじゃないかなとも思った。

制作は時間をかけて音を作り込むことができる反面
ライブではリハーサルの時間にも限りがあり、できる限り簡潔に音が決まる方が有難い。

特にアマチュアのステージではその傾向が強くなるので
ステージで大活躍するME-90を目撃する機会が今後増えるかもしれない。

GX-100

価格差は約2万5千円だが

同じくGT-1000クラスのエフェクトを搭載し、
実は音質も数値上では同じ値というGX-100とME-90

ただGX-100の方が各エフェクトに対して操作できるパラメーターが多いので
エフェクト1つ1つに対する作り込みはこちらに軍配が上がる。

同時使用できるエフェクトは最大18個だが
エフェクトの負荷によっては最大使用数が少なくなる。

つまり高負荷のエフェクトを何個か選んでしまうとすぐに上限に達してしまう。

反面ME-90はエフェクトの負荷に関わらず11種のエフェクトを同時に使用することができる。

また、GX-100は先進的なタッチモニターでの操作ができる反面
ME-90のモニターは二桁の数字が表示できる小窓のような仕様になっている。

この二つも面白い関係性だ。

より多くのパラメーターが操作でき、接続順も自由に設定することができる反面
エフェクトの負荷のやりくりが要求されるGX-100

作り込みに関しては引けを取るものの使用上限が変わることがないME-90

サウンドの品質が同等であるが故に
作り込みに関して優位性のあるGX-100は完全に上位機種とも言えるが

簡単操作で音がすぐ決まるME-90も十分魅力がある。

ME−90はどんな人向け?

長々と解説してきましたが、最後にME-90はこんな人におすすめだよ
ってのをまとめて終わろうと思います。

エフェクター初心者

・エフェクターを使ってみたいけどコンパクトで揃えるには予算がかかり過ぎる

・接続順が固定なので細かい知識が無くても音が破綻することがない

・オーディオインターフェースとしても機能するので宅録デビューも出来る

といったことからエフェクター初心者の方には強い味方になりそうです。

何より¥44,000でBOSSの最高品質エフェクトを使用できるのは初心者だけでなく経験者にとってもありがたい。

GT-1からのアップグレード

・フットスイッチが8つに増える

・エフェクトの品質が上がる

・筐体の強度も上がるなど、全てにおいてグレードが上がる

GT-1と比較するとかなりレベルが上がる印象

GT-1がヒトカゲだとするならME-90はリザードンといっても過言ではないレベル
※じゃあGT-1000はなんだよってツッコミは無しで

GT-1に出来てME-90には出来ない事も一部あるけど
まあそんな事が気にならないくらいハイレベルなモデルに仕上がっている。

ちなみに他社製のエントリークラスのマルチから乗り換えも大アリです。

ハイスペックマルチのバックアップ

・低価格かつ同価格帯のマルチの中でも高品質なサウンド

・簡潔で直感的な音作りができる。

・定番のアンプシミュが選択できる。

制作はハイスペックなマルチや、デジタルアンプで
ステージではME-90でという使い分けはかなりアリだと思う。

ハイスペックな高額機材を外に持ち出すリスクや、その度制作環境のケーブルの抜き差しやレイアウトが崩れるという煩雑さがあるので
ステージでは専用の機材を使いたい

けどそこまで予算はかけたくないという場合の選択肢としては絶妙なバランスのコストパフォーマンス

操作しやすいレイアウトは非常に現場向きなのでリハやステージ専用として導入してみてもいいのでは?

最後に

いかがだったでしょうか

まだ発売されていませんし、筆者も実機に触れたわけではないので
この記事はほぼ憶測で書いてしまっているのですが

一応GT-1000coreを愛用している筆者が熟考して書いているので
一定の信頼性はあるんじゃないかなーと思っています。

もちろん発売されたら楽器店で触ってみようと思いますし

もしかしたら感想をレビューするかもしれません。

皆さんも是非店頭で触ってみてほしいと思ってます。

今回めちゃくちゃ長くなりましたが
この記事が今後の機材購入の参考になれば幸いです。

ABOUT ME
吉田寛定
ナチュラルハーモニクスで演奏してる人