「ダイナコンプではもう物足りない」
そう感じ始めたら、中級者ギタリストにとって次の一台としておすすめなのが UAFX 1176 Studio Compressor と UAFX Teletronix LA-2A Studio Compressor だ。
両方ともスタジオ定番の名機を再現したペダルであり、“踏めばその音”が出る安心感を持つ。
結論をシンプルに言えば、
1176=硬質でタイト。前に出る音。
LA-2A=柔らかく自然。心地よく馴染む音。
そしてどちらも「良い意味で細かい調整ができない=プリセット的な安心感」がある。
ここからは、それぞれの特徴を詳しく見ていこう。
UAFX 1176 Studio Compressor|
硬質でパンチのある攻めのコンプ
1176はFET方式の名機を再現。UAFX版は 1176 Rev.E の個体をもとにしている。
特徴
超高速アタック/リリース:どんな設定でも一般的なコンプより圧倒的に速い。
パンチと倍音:強めにかけると歪みや倍音が付加され、コンプ+歪みのような効果。
「ALL」モード:有名な“全押し”で激しく潰す。歯切れのよいパーカッシブ感が得られる。
接続モード:SINGLE(標準)、DUAL(直列で攻撃的)、SUSTAIN(最大限の伸び)の3タイプ。
パラレルコンプ:スイッチ一つで50:50のミックスが可能。原音のアタックを残しつつ潰せる。
サウンドイメージ
リードソロのサステイン強化
カッティングのアタック強調
ハードロックで埋もれない抜け感
▶︎ 「硬質で前に出す」攻めのコンプレッサー。
UAFX Teletronix LA-2A Studio Compressor|
柔らかく支えるナチュラルコンプ
LA-2Aは光学式+チューブ回路の名機を再現。UAFX版はオリジナルのT4オプティカルセルやトランスの特性まで精密にキャプチャーしている。
特徴
ウォームで自然な圧縮:潰しても耳障りにならず、心地よい倍音が付加される。
シンプル操作:PEAK、GAIN、MIXの3ノブ。
COMP/LIMITスイッチ:コンプレッサーとリミッターを切り替え可能。
リリース切替:STOCK(遅い)とFAST(速め)の二種類から選べる。
MIXノブ:原音とのブレンドでパラレルコンプやブーストが可能。
サウンドイメージ
アルペジオを滑らかにまとめる
アコギに太さと一体感を与える
ジャズやソウルで自然なコンプ感
▶︎ 「柔らかく支える」コンプレッサー。
UAFX Teletronix LA-2A Studio Compressor
良い意味で「プリセット的」なエフェクター
1176もLA-2Aも共通する魅力は、細かい調整が効かないことにある。
1176はINPUTを上げれば効く。設定をどうしても「1176らしい音」に導いてくれる。
LA-2Aは2〜3ノブのみ。どんな使い方をしても「LA-2Aらしい自然な音」になる。
これはデメリットではなく、むしろ最大の強みだ。
つまり 「踏めばあの音になる」=プリセットエフェクト的な安心感。
細かい数値設定に悩む時間をなくし、演奏そのものに集中できる。
「コンプを使うと下手になる」という迷信へのアンサー
「コンプは下手隠し」という声もある。
だが実際は逆で、コンプがなければ見えない表現領域が存在する。
サステインを活かしたロングトーン
粒立ちが揃ったアルペジオ
微妙なニュアンスを強調したクリーン
プロの録音で1176やLA-2Aが必ず使われるのは「音楽的に聴こえるから」だ。
つまりコンプは下手隠しではなく、表現力を増幅する装置なのだ。
1176もLA-2Aも使いたいなら「UAFX MAX」
「1176の硬質なパンチも欲しいし、LA-2Aの柔らかいナチュラルさも捨てがたい…」
そう思う人も多いはずだ。実際、筆者自身も同じ悩みを抱えた。
そんなときに最適なのが UAFX MAX Preamp & Dual Compressor だ。
1176とLA-2Aに加え、さらにもう一つのコンプを収録。しかもプリアンプまで備えており、ライブでも宅録でも“音作りの土台”を丸ごと任せられる一台になっている。
筆者も実際に愛用しており、MAXのおかげで「曲によって1176とLA-2Aを切り替える」という贅沢な使い方ができている。
詳しいレビューは過去記事で紹介しているので、興味がある方はこちらもぜひ参考にしてほしい。
UAFX MAX Preamp and Dual Compressor

まとめ|UAFX 1176とLA-2Aは「踏めばその音」になる安心感
1176=硬質でタイト。前に出す音。
LA-2A=柔らかく自然。支える音。
両者とも「細かい調整を排したプリセット的な安心感」が魅力。
「コンプは下手になる」というのは迷信。むしろ表現力を磨くために必要。
ダイナコンプから次のステップへ進むなら、この2台のどちらかを選んで間違いはない。
そして足元に置いた瞬間、あなたの音は“プロと同じ質感”に一歩近づくはずだ。