音作りが上手くいかないのは、耳のせいじゃなくて「出口」のせいかもしれない。

どうも、7丁目ギター教室新潟江南校の吉田です。

さて、マルチエフェクターやDAWを導入して、「最高の音」を作っているはずなのに、なぜかヘッドホンで聴くとテンションが上がらない……そんな経験はありませんか?
「高い機材を買ったのに、音がペラペラに感じる」「録音した自分の演奏が、思っていたリズムと違う」

これらの悩みは、あなたのセンスのせいではなく、音を聴くための「リファレンス(基準)」がズレていることが原因かもしれません。

結論から言うと、ギタリストのヘッドホン選びは「1本で全部」を目指すのではなく、用途に合わせて3種類のヘッドホン/イヤホンを使い分けるのが、上達とクオリティ向上の最短ルートです。

ゲイン・アゲ美
ゲイン・アゲ美
モニター環境を整えるのは、スタジオミュージシャンにとっては基本中の基本だね。出口が歪んでたら、どんなにいいギターを弾いても意味がないから。😌🎸

アド・リブ代
アド・リブ代
あら、音に包まれる感覚こそが魂の栄養なのよ。自分の指先のニュアンスが色っぽく聴こえる環境で弾きたいわね。🌹

モダン・テク子
モダン・テク子
感情論はいいから、まずはスペックで判断しろ。正確なピッキングの立ち上がりを確認するには、解像度が必要不可欠だぞ。


観賞用と業務用、その決定的な違い

ヘッドホン選びでまず理解すべきは、それが「観賞用(リスニング)」なのか「業務用(モニター)」なのかという点です。

リスニングヘッドホンは「音楽を聴く」ためのもの

リスニング用は、心地よく「音楽を聴く」ことを目的としています。

低音を強調して迫力を出したり、高音を丸めて耳当たりを良くしたりと、いわば音に「お化粧(加工された心地よさ)」が施されています。

音楽鑑賞や映画、ゲームを楽しむには最適ですが、音を正しく判断する場面ではこの「お化粧」が邪魔になることがあります。 

モニターヘッドホンは「音を見る」ためのもの

一方でモニター用は、注意深く「音を見る」ことを目的とした精密機器です。

たとえるなら「音のルーペ」であり、フラットな周波数特性によって原音を正確に再現します。

エフェクターの微調整や録音したトラックのチェックなど、自分の出している音を客観的に「観察」するための道具なのです。

リスニング用とモニター用の比較

特徴リスニングヘッドホンモニターヘッドホン
音の味付けモデルにより強調(ドンシャリ等)フラット(原音重視)
主な目的音楽を「気持ちよく」聴く音楽を「正しく」見る(ルーペ)
解像度加工された心地よさ細部まで聴き取れるリアルな音
音作りの影響アンプの音がスカスカに感じやすい現場の音に近い判断ができる

基準を作る「モニターヘッドホン」の王道

音作りの「基準点」としてまず手に入れるべきは、audio-technicaなどの本格的なモニターヘッドホンです。

audio-technica Mシリーズの選択肢

個人的には、コストパフォーマンスと耐久性のバランスから以下の3モデルをおすすめします。

ゲイン・アゲ美
ゲイン・アゲ美
M50xは低域がしっかりしてるから、アンサンブルの中でベースとの兼ね合いを見やすいんだよね。しかもセール対象になる事も多いから上位モデルなのに案外安く買えるのも見逃せないよね。

モダン・テク子
モダン・テク子
M40xの方がフラットで分析向きだという意見もあるが、最終的には自分の耳を信じるしかない。正確さが足りない音作りは罪だぞ。理論的に詰めろ。😤

https://gainfomation.net/multi-effector-ui-cognitive-load/

録音の真実を暴く「SONY MDR-CD900ST」

日本のレコーディングスタジオに行けば、必ずと言っていいほど置いてあるのが「赤帯」ことSONY MDR-CD900STです。

30年以上の歴史があるこのヘッドホンは、ギタリストにとっても特別な役割を果たします。

クリックと録り音が「見える」

CD900STは、中高域が強調された非常に硬いサウンドが特徴です。

これが何を意味するかというと、「リズムの乱れ」や「ピッキングのミス」が露骨に聴こえてくるということです。

クリック(メトロノーム)がタイトに聴こえるため、レコーディング時のガイドとしてこれ以上のものはありません。
他のヘッドホンと聞き比べるとその個性が分かるかなと思います。

また、個人的にJ-POPを聴いた時に最も気持ちが良いのはCD900STです。

モダン・テク子
モダン・テク子
CD900STで自分のピッキングを聴いてみろ。どれだけリズムがヨレているか一瞬で露呈する。このヘッドホンは「練習の鏡」なんだ。ジェームズ・ヘットフィールドのように正確無比なリズムを刻め。⚡️

レコーディングスタジオ常設ヘッドホン 硬質でタイトなサウンド
レコーディングスタジオ常設ヘッドホン
硬質でタイトなサウンド

SONY MDR-7506(青帯)との違い

MDR-CD900STの話になると、よく比較対象に挙がるのがSONY MDR-7506です。
どちらも見た目がそっくりで、価格帯も近く、迷う人も多い。

ハウジングのデザインでそれぞれ赤帯、青帯という愛称で呼ばれる事もありますが、両者は用途や音の傾向がまったく違います。

海外スタジオのスタンダード 練習や制作に適したヘッドホン
海外スタジオのスタンダード
練習や制作に適したヘッドホン

MDR-CD900ST(赤帯) vs MDR-7506(青帯)

比較項目MDR-CD900ST (赤帯)MDR-7506 (青帯)
主な用途日本国内のレコーディング海外スタジオ・リスニング兼用
音の傾向中高域が前に出る・硬めバランス良く柔らかめ
ケーブルストレートカールコード
疲労感疲れやすいがシビアな判断が可能長時間使用に向いている

ざっくり言えば、

MDR-CD900STは“タイトに聴ける録音向き”

MDR-7506は“快適に作業するための道具”

という位置づけになります。

自宅でのミックスチェックや長時間の練習では7506の方が快適ですが、録音時のタイミングやクリックのシビアな判断にはCD900STが向いています。

また、7506は海外で非常に人気が高く、CD900STは日本国内でのプロユースに特化している点もポイントです。

両者とも優秀なヘッドホンですが、録音はCD900ST、練習や制作は7506と役割を分けて使うと見た目も統一されて良いかもしれません。

アコギ録音や深夜の強い味方「カナル型イヤホン」

スタジオでアコースティックギターをコンデンサーマイクで録音する際、ヘッドホンからの音漏れ(クリック音)は致命的なトラブルになります。

そこで活躍するのがSHURE SE215SENNHEISER IE100PROといったカナル型イヤホンです。

密閉性がもたらす「没入感」と「安全性」

  • 遮音性: 周囲の音を遮断し、自分のギター音だけに集中できる。

  • 音漏れ防止: マイクへの音漏れを最小限に抑える。

ただし、イヤホンには「耳の負担が大きい」というリスクもあります。

耳の奥に密着するため、音圧がダイレクトに鼓膜へ届き、長時間使用すると難聴の原因になる恐れがあります。

あくまで「録音用」や「外出用」のサブ機として、メインのモニターヘッドホンと使い分けるのが理想的です。

カナル型モニターの入門モデル 耳栓状のイヤーチップで音漏れと外部の音を遮断
カナル型モニターの入門モデル
耳栓状のイヤーチップで音漏れと外部の音を遮断

よくある質問(Q&A)

迷えるギタリストのための「最初の一歩」回答集

Q. とりあえず最初に買うなら何がいい?

A. メインで使える「モニターヘッドホン」を1本買いましょう。

おすすめはaudio-technicaのMシリーズです 。音質・強度・価格のバランスが非常に良く、本来の目的である「音の観察」だけでなくリスニング用としても比較的使いやすいため、練習から普段使いまで幅広い場面で活躍してくれます

Q. アコギのマイク録音をする予定がなければ、イヤホンはいらない?

A. 現時点では、無理に導入する必要はありません。

カナル型イヤホンの最大のメリットは「遮音性」と「マイクへの音漏れ防止」です 。マイク録音をしないのであれば、耳への負担や疲労感を考慮し、まずはヘッドホン環境を充実させるのが正解です

Q. ソニーの「赤帯(MDR-CD900ST)」だけでもいい?

A. 悪くはないですが、音が固いので耳が疲れやすいです。

CD900STはピッチやリズムのズレを暴き出す「レコーディング用」としては最強ですが、リスニング的な心地よさは控えめです 。長時間の練習や音作りには、もう少し再生レンジが広く自然な響きの現代的なモニターヘッドホンを併用するのが理想的です

まとめ

  • モニターヘッドホン(ATH-M50x等)は、音作りの基準を作る「ルーペ」である。

  • SONY MDR-CD900STは、レコーディングで自分の実力を直視するための「厳しい先生」である。

  • カナル型イヤホン(SE215等)は、アコギ録音や外音遮断に特化した「スペシャリスト」である。

  • 1本で済ませようとせず、用途に合わせて使い分けることが、耳を育て、音作りを迷わせないコツである。

あなたのギターライフが、正しい「出口」を見つけることで、より刺激的で洗練されたものになりますように!

 

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吉田寛定
新潟市在住のギターインストラクター。 趣味ギタリストに向けた“ちょうどいい温度感”の発信を心がけています。 新潟市江南区のギター教室|7丁目ギター教室にて無料体験レッスン受付中。亀田・横越エリアの方はぜひどうぞ。
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