ギターx心と身体

ギターと睡眠の関係|夜練が上達を加速させる脳科学的な理由とは?

ギターを趣味で弾いていると、たまにこんな経験があるのではないだろうか?

  • 昨晩は全然弾けなかったフレーズが、翌朝にはスッと弾けるようになっていた

  • 寝る直前まで練習していたら、音の感覚が翌日しっかり残っていた

実はこれ、偶然ではない。
脳科学の観点からも、睡眠は記憶を定着させる重要なプロセスとされており、夜のギター練習は非常に効率のいいトレーニング方法なのだ。

本記事では、夜練習と脳の働きの関係、睡眠中に何が起こっているのか、そして夜練を効果的にする生活習慣や、朝練との使い分け方まで徹底解説する。

睡眠は“ギター上達”の隠れた味方

睡眠中に脳内で起きていること

私たちが寝ている間、脳では以下のような“裏作業”が行われている。

  • 不要な情報を整理

  • 大事な記憶を強化・再構築

  • 感覚や運動の記憶を「自動化」する

とくに、ギター練習のような運動学習+感覚記憶を伴う行為は、睡眠との相性が非常に良い。

そのため、「寝る前に練習→翌朝に定着している」という現象は、科学的にも理にかなっている。

夜練の効果|“練習内容が寝ている間に定着する”理由

① 無意識レベルで記憶される

ギターで覚えたいのは、単なる知識ではなく「感覚」。
どの指をどう動かすか、どのタイミングでストロークするかといった運動の流れは、意識的な反復よりも、睡眠中の“再生”によって記憶が定着しやすい。

② 翌朝、指が勝手に動く

「昨晩苦戦したのに、今朝は弾けた」
これは脳の中で、動きのシミュレーションが繰り返された結果と考えられている。
とくに短くて繰り返しやすいフレーズは、この効果が顕著に現れやすい。

③ 夜練習→睡眠は“セット”で上達に直結

夜練の直後に寝ることで、その日の練習内容が強く残る
逆に、練習してから長時間テレビやスマホを見てしまうと、記憶の優先順位が下がりやすい。

練習 → リラックス → 就寝
という流れが、最も効果的。

【実践編】夜練を最大化する生活習慣

① 夕食は寝る3時間前、練習の1時間以上前に

満腹状態や消化中は、集中力が下がるうえに眠気も誘発しやすい。
ギターの細かい運指をコントロールするには、
空腹でも満腹でもない適度な状態がベスト。

  • 夕食は寝る3時間前までに済ませる(例:23時就寝なら20時までに)

  • 練習は夕食から最低1時間は空けてスタート

また、消化に負担のかかる脂っこいメニューや過剰な糖分も控えると、眠りの質にも良い影響が出る。

② 入浴は練習の“前”が理想

湯船に浸かると一時的に交感神経が優位になり、練習の前に入ることで集中力と身体の可動性が上がる。

  • 練習後に熱い風呂に入ると、眠りが浅くなりやすい

  • クールダウンとしての軽めのシャワーならOK

入浴 → 練習 → リラックス → 就寝という流れが最も自然。

③ 晩酌の影響にも注意

お酒を飲みながらギターを弾く──雰囲気はいいが、
練習効果の面ではマイナスが多い

  • 指先の感覚が鈍る

  • 音感やリズム感が曖昧になる

  • 睡眠の質が下がり、記憶の定着が妨げられる

とくに深酒してしまうと、せっかくの練習内容がリセットされてしまうリスクも。

上達を目的にする夜練の日は「飲まない」か「練習後に少量」で済ませるのがベター。

ノンアルコールビールや炭酸水で代用するのもおすすめ。

夜練×朝練の合わせ技で、さらに効果アップ

実は“朝練”もギターと相性がいい

睡眠中に定着した記憶を、翌朝すぐに呼び起こすことで、さらなる定着と再確認が可能。

朝は脳がスッキリしており、新しい情報のインプットにも最適。

  • 前夜に練習した内容の確認

  • 新しいコードや理論の習得

  • クロマチックやスケール練などの基礎練習

朝は「学習」、夜は「定着」と考えるとバランスが良く、ギターとの付き合い方がもっと深くなる。

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夜練を最大化するためのスケジュール例(平日編)

時間帯内容
19:00〜20:00夕食(消化しやすいメニューで)
20:30〜21:00入浴(湯船で身体を温める)
21:15〜22:00ギター夜練(集中練習)
22:00〜22:30クールダウン(ストレッチ、音楽を聴くなど)
23:00就寝(スマホは控えめに)

夜練は“寝て上達する”最高の習慣

夜練は、ただの「時間が空いているから」ではなく、科学的にも記憶が定着しやすい最強のタイミング

ただし、練習内容だけでなく、夕食・入浴・晩酌・就寝前の過ごし方など、日々のリズムを少し意識するだけで、上達スピードは大きく変わってくる。

さらに朝練を組み合わせれば、定着と再確認のサイクルが完成する。

今日から始めるギター上達ルーティン

  • 夜練+睡眠で“感覚”を定着

  • 朝練で“理論や基礎”を吸収

  • 晩酌・夕食・入浴も見直して、ギターに最適な1日を

気合や根性ではなく、身体の仕組みに合わせた習慣づくりが、ギター上達への近道だ。

Q&Aで記事の振り返り

Q1. なぜ夜練のあとに寝るとギターが上達しやすいの?

A. 睡眠中に「記憶の整理・定着」が行われるためです。とくに夜に練習した内容は、脳がその直後に“復習”してくれる状態になるので、翌朝に感覚が残りやすくなります。これは運動記憶や感覚記憶に関わる「レム睡眠」の働きによるものです。

Q2. 夜練と朝練、どちらが効果的なの?

A. 目的によって異なります。夜練は“定着”に、朝練は“吸収”に効果的。夜は感覚を刻み込むタイミング、朝は新しいことをインプットするタイミングと考えると、それぞれの練習の質を高めやすくなります。

Q3. 練習後すぐに寝れば良いの?

A. 激しい練習の直後は交感神経が優位になっているため、30分〜1時間程度のクールダウン時間を設けるのが理想的です。ストレッチや照明を落とすなど、リラックスできる時間を挟むことで睡眠の質も上がります。

Q4. 晩酌したあとにギターを弾いても問題ない?

A. 上達を目的とする夜練には向いていません。アルコールは集中力を下げ、睡眠の質を落とすため、記憶定着にも悪影響を与えます。弾くなら軽く楽しむ程度に留め、真剣な練習はノンアルの日に行うのがおすすめです。

Q5. 夕食や入浴のタイミングも影響するの?

A. はい。夕食は就寝3時間前、夜練の1時間以上前に済ませると集中力が保たれます。入浴は練習前にすると体温と可動性が上がって効果的。逆に練習直後の熱い風呂は睡眠を妨げるので注意しましょう。

Q6. 夜練でどんな練習をすれば効果が出やすい?

A. 指の動きやフレーズの“定着”が目的なら、繰り返し練習するフレーズ系やリズムトレーニングが最適です。寝ている間に“自動化”が進むため、短いループ練習などが効果的です。

Q7. 睡眠の質を上げるために意識するべきことは?

A. ブルーライト(スマホ・PC)を避け、部屋の照明を落とし、寝る前のリラックス時間を作ることです。また、練習後のクールダウンや軽い読書、深呼吸なども睡眠の質を高める手助けになります。

ABOUT ME
吉田寛定
新潟市在住のギターインストラクター。 趣味ギタリストに向けた“ちょうどいい温度感”の発信を心がけています。 新潟市江南区のギター教室|7丁目ギター教室にて無料体験レッスン受付中。亀田・横越エリアの方はぜひどうぞ。