「今日も練習しなきゃ」
そんなふうに、ため息をつきながらギターを手に取っていないだろうか?
最初はあんなにワクワクしてたはずなのに、 気がつくと「ノルマ」みたいになっている。
それはすごくもったいない。
結論から言うと、 ギターは「楽しい」からこそ続くものだし、 続けることでしか上達はしない。
だから、今こそ原点に立ち返ってほしい。
「なんでギターを始めたんだっけ?」 と。
いつの間にか「作業」になってしまう理由
最初は誰だって楽しい気持ちでギターを触る。
初めてコードが鳴ったとき、 好きな曲の一節が弾けたとき、 あの嬉しさは特別だったはずだ。
だけど、続けるうちに 「もっと上手くならなきゃ」 「周りに追いつかなきゃ」 という気持ちが芽生えてくる。
すると、いつしか 「やらなきゃいけない練習」 に追われるようになってしまう。
これは、スポーツ選手が 「勝たなきゃ」と焦りすぎて 競技の楽しさを見失うのに似ている。
つまり、義務感に支配されると、 どんなに好きなことでも「作業」になってしまうのだ。
楽しさは「上達」の燃料だ
ここでひとつ覚えておいてほしいことがある。
「楽しさは練習量に直結する」
これはもう絶対だ。
楽しいと感じているとき、人は自然と長時間ギターを触る。 苦もなく弾き続けられるから、勝手に上達する。
逆に、義務感だけで練習していると、 ちょっとした壁にぶつかっただけで手が止まる。
ランナーが走るとき、 楽しいマラソン大会なら何十キロでも完走できるのに、 罰ゲームで走らされたら1キロで心が折れる── そんなイメージだ。
ギターも同じ。
心がワクワクしているかどうかで、 練習の意味も、効果も、まったく変わってくる。
楽しみながら練習するためにできること
じゃあ、どうすればまた「楽しむ」に戻れるのか? いくつか具体的な方法を紹介しよう。
1.「好きな曲」を優先する
今の自分に弾けるレベルかどうかなんて考えない。 難しかろうが、カッコいいと思う曲を弾くこと。 憧れの曲に触れるだけで、モチベーションは爆上がりする。
2.「成功体験」を意識的に作る
一曲全部じゃなくていい。 1フレーズでもいいから、 「できた!」と思える部分を意識的に拾うこと。
それが小さな成功体験になって、 またギターを手に取りたくなる原動力になる。
3.「遊びの時間」を作る
ひたすらスケール練習、ひたすらストローク練習── それも大事だけど、 「ただ適当に音を出して遊ぶ」時間も作ろう。
子どもが砂場で遊ぶように、 ギターでも意味なんか考えずに音を出すだけで、 意外と大事なセンスが育つ。
一番大事なのは「ギターが好き」という気持ち
結局、何より大事なのは、 ギターを触ったときに心が動くかどうかだ。
音が鳴った瞬間、ちょっとニヤけてしまうとか。 無意識に「もっと弾きたい」と思えるとか。
そういう気持ちこそが、 ギタリストを支えるエネルギーになる。
上手くなりたいなら、まずは楽しむことから。
それが、遠回りに見えて、 一番確実な道だから。
さあ、今日の練習、 「やらなきゃ」じゃなくて、 「弾きたい」に変えてみよう。
というか、「弾きたい」という気持ちを思い出そう。
初心を大切に。ってよく聞くけどそういう事。
補足:楽しめない時期があっても大丈夫
とはいえ、どうしてもギターを楽しめない時期もある。
思ったように弾けない。 何を弾いてもマンネリ。 人と比べて落ち込む。
そんな時期に入ってしまったら、無理に練習する必要はない。 少し距離を置いて、ギターに触れない日があってもいい。
むしろ、その空白の時間が またギターに戻ってきたときの喜びを大きくしてくれる。
寝かせた方が旨味が出る料理があるように、 ギターとの関係も時には寝かせる時間が必要だ。
だから、今うまく楽しめていないなら、 それは「終わり」じゃなくて「ちょっと休憩」だと思ってほしい。
また自然と弾きたくなる日が来るはずだ。
焦らず、比べず、自分のペースで。 ギターと、長くいい関係を築いていこう。