「1本のギターで全部弾きたい」そんな我儘を叶える、合理主義者のための最適解。

どうも、7丁目ギター教室新潟江南校の吉田です。

「最初はどんなギターを買えばいいですか?」

「ジャンルが定まってないんですが、長く使えるギターってありますか?」

教室で生徒さんから、あるいは楽器店時代に迷える初心者の方から、何度この質問を受けたことでしょう。

憧れのバンドのシグネチャーモデルを買うのも良いですが、いざ他のジャンルを弾きたくなった時に「なんか音が違う」「弾きにくい」と壁にぶつかり、そのままケースの肥やしになってしまう……そんな悲しい光景を何度も見てきました。

結論から言いましょう。 もしあなたが特定のブランドロゴへの執着がなく、「純粋な道具としての使いやすさと、圧倒的なコストパフォーマンス」を求めているなら、YAMAHAの「PACIFICA(パシフィカ)」を選んでおけば絶対に失敗しません。

ギター歴18年、様々な機材の栄枯盛衰を見てきた私が断言します。 パシフィカは、初心者にとっての「安全牌」であり、上級者にとっての「現場で確実に仕事をする相棒」です。

この記事を読めば、パシフィカがなぜこれほどまでに熱狂的な支持を集めているのか、そしてあなたのレベルやプレイスタイルに最適なモデルがどれなのかが、ロジカルに理解できるはずです。

ゲイン・アゲ美
ゲイン・アゲ美
最近、パシフィカ使ってる人ホントよく見るよね。カッティングのキレもいいし、ポップスでも浮かないデザインも秀逸だなって思う。
モダン・テク子
モダン・テク子
フッ、甘いな。パシフィカの真髄はその汎用性にある。リアのハムバッカーを歪ませれば、モダンなハイゲインリフだって余裕で刻めるんだぞ。
アド・リブ代
アド・リブ代
二人とも、機能ばかり見てない? YAMAHAならではの丁寧な組み込みが生む、あのスッと手に馴染むネックの感触……あれこそが、長く弾きたくなる秘密じゃないかしら。

パシフィカってどんなギター?

パシフィカシリーズには、数万円のエントリーモデルから、数十万円のプロ仕様ハイエンドモデルまで、幅広いグレードが存在します。
ですが、価格に関わらず全モデルに共通する確固たるDNAがあります。

高い演奏性とジャンルを選ばない汎用性

パシフィカのボディは、一般的なストラトキャスターよりも少し小ぶりで、体にスッとフィットする形状にデザインされています。 ネックも手の小さい人でも握りやすいスリムな設計を採用しており、長時間の演奏でもストレスを感じさせません。

そして最大の武器が、「SSH(シングル・シングル・ハムバッカー)」を基本とするピックアップ配列です。
フロントやセンターのシングルコイルで繊細で美しいクリーントーンを鳴らし、リアのハムバッカーで力強いロックなディストーションサウンドを叩き出す。

この1本さえあれば、多彩な音作りが物理的に可能になります。

こんなタイプの人に選ばれている

パシフィカを選ぶ人は、非常に合理的で客観的な視点を持っています。

  • やりたいジャンルが1つに定まっておらず、色々な曲に挑戦したい人
  • 「高いギター=良いギター」という固定観念にとらわれず、実用性を重視する人
  • ライブやレコーディングで、トラブルが少なく確実に仕事をしてくれる「頼れる相棒」を探している人

初心者には「安心感」を、上級者には「現場での実用性」を与えてくれる、まさに死角のない優等生ギターと言えます。

主要グレード:スペック比較

現在ラインナップされているパシフィカの主要なグレードのスペックを整理しました。

木材やハードウェアの選定に、価格ごとの明確な意図が見て取れます。

モデル名PAC112 (100シリーズ)PAC612 (600シリーズ)PAC611 (600シリーズ)PACS+12 (Standard Plus)PACP 12 (Professional)
特徴コストを抑えたエントリー機高級パーツ採用の圧倒的コスパ機P-90搭載の個性派新世代のモダントーンI.R.A.処理済みの日本製最高峰
生産国中国等インドネシア等インドネシア等インドネシアの自社工場日本 (Made in Japan)
ボディアルダーアルダー (FMトップあり)アルダー (FMトップあり)アルダー (チェンバード加工)アルダー (チェンバード加工)
指板ローズ / メイプルローズウッドローズウッドローズ / メイプルローズ / メイプル (コンパウンドR)
PUYAMAHAオリジナル (SSH)Seymour Duncan SSL-1 & Custom 5 (SSH)Seymour Duncan SP90-1 & Custom 5 (SH)Rupert Neve共同開発 Reflectone (SSH)Rupert Neve共同開発 Reflectone (SSH)
フレットニッケルニッケルニッケルステンレスステンレス
ペグダイキャストGrover ロッキングGrover ロッキングGotoh ロッキングGotoh ロッキング
ブリッジビンテージ・トレモロWilkinson VS50-6トレモロ(VFM) / ハードテイル(HFM)Gotoh 510T FE-1 (2点支持)Gotoh 510T FE-1 (2点支持)

マニアックな解説:
モデルごとに違う「コイルタップ」の挙動

パシフィカの多くには、トーンポットを引き上げることでハムバッカーをシングルコイルのように鳴らす「コイルタップ機能」が備わっています。

しかし、一見同じように見える機能でも、モデルによって出力されるコイルの組み合わせが緻密に計算されているのはご存知でしょうか?

PAC112 / PAC612 (SSH配列)

タップスイッチをONにすると、リアハムバッカーの「ブリッジ側のコイル」のみがONになります。ブリッジに近いため、よりエッジの効いた鋭いシングルコイルサウンドが特徴です。

また、タップOFFの状態でセレクターを「センターとリアの間(ハーフトーン)」にすると、自動的に「センターPU + タップされたリアPU」の組み合わせになり、王道のチャキッとしたカッティング向きのハーフトーンが得られます。

サウンドハウスで価格をチェックPAC112

エントリーモデルという言葉を、
良い意味で裏切りたい。

サウンドハウスで価格をチェック

サウンドハウスで価格をチェックPAC612

あなたの『弾きたい』を、
ギターのせいで諦めさせない。

サウンドハウスで価格をチェック

PAC611 (SH配列)

フロントにP-90タイプを積んだこのモデルは、タップをONにするとリアハムバッカーの「ネック側のコイル」のみがONになります。

ブリッジ側コイルを鳴らすよりも少しふくよかな音になり、フロントのP-90との切り替えやミックス時に音のバランスが取りやすいよう設計されています。

サウンドハウスで価格をチェックPAC611

誰とも似ていない。
その音は、君だけのシグネイチャーになる。

サウンドハウスで価格をチェック

Standard Plus / Professional (SSH配列)

最新モデルは下位のSSHモデルと若干違う点があります。タップOFF時の「センターとリアの間(ハーフトーン)」を選択した際、旧モデルのように自動タップされず、「センターPU + リアハムバッカー(ノンタップ)」の組み合わせになります。

これにより、シングルコイルの抜け感にハムバッカーの分厚いローミッドが加わった、よりモダンで力強いミックストーンを出力できるようになっています。

ピックアップの特性に応じて細かく仕様を調整してくるあたりは、YAMAHAの徹底したこだわりを感じる部分ですね。

サウンドハウスで価格をチェックStandard Plus

音が、景色を塗り替えていく。
現代のアンサンブルを支配する、透き通った衝撃。
サウンドハウスで価格をチェック

サウンドハウスで価格をチェックProfessional

日本の技が魂を震わせる。
ただ演奏するために、究極の『相棒』という贅沢。

サウンドハウスで価格をチェック

モダン・テク子
モダン・テク子
表のスペックだけじゃなく、こういう配線の挙動まで専用チューニングされているのがYAMAHAの恐ろしいところだな。最新モデルの「ハムのままミックスする」仕様は、現代のアンサンブルに埋もれない音作りをよく分かっている。
ゲイン・アゲ美
ゲイン・アゲ美
PAC611がネック側のコイルを残すっていうのもニクいよね!フロントのP-90と合わせた時に違和感が出ないように計算されてるんだ。

初心者にとってのパシフィカ

これからギターを始める初心者にとって、パシフィカはまさに「上達のためのブースター」です。

優れた演奏性で技術習得を妨げない

ネックの握りやすさとボディのフィット感は、初心者が一番最初につまずく「Fコードが押さえられない」「弾きにくいから楽しくない」という物理的な壁を低くしてくれます。

必要十分なスペックで色んな曲に挑戦できる

SSH配列の恩恵で、J-POPの透き通ったアルペジオから、アニメソングの激しいパワーコードまで1本で対応。さらにトーンノブを引き上げることでリアのハムバッカーをシングルコイルのように鳴らせる「コイルタップ機能」も搭載しており、音作りの引き出しを広げてくれます。

基礎がしっかりしているから長く使える

安いギターにありがちな「チューニングがすぐ狂う」「オクターブピッチが合わない」といったストレスが極めて少ないです。上達して耳が良くなってからも「使える音」が鳴るため、買い替えを急ぐ必要がありません。

おすすめモデル:PAC612

初心者向けとしてよく名前が挙がるのは「PAC112」の方です。
確かに価格を抑えた良機ですが、もしあなたが「どうせなら長く使える少し良いものを」と考えて予算を許せるなら、迷わず「PAC612」を推します。

  • 高級機にも採用されるSeymour Duncan製ピックアップの「本物の音」を最初から体感できる。
  • Grover社製ロックペグにより、初心者が嫌がる「弦交換」が圧倒的に楽になり、チューニングも安定する。

最初からプロレベルの良い音と弾きやすさを体感することは、結果的に上達への一番の近道になります。

サウンドハウスで価格をチェックPAC612

あなたの『弾きたい』を、
ギターのせいで諦めさせない。

サウンドハウスで価格をチェック

中級者以上にとってのパシフィカ

すでにギターの経験がある中級者以上の方にとっても、パシフィカは非常に魅力的な選択肢です。

様々なジャンルに対応できる頼れる相棒

セッションやサポート、レコーディングなど、「どんな曲が振られてもこれ1本持っていけばなんとかなる」という汎用性の高さは、プレイヤーにとって最大の武器です。

合理性とコスパを追求した最適解

ブランドロゴによるステータスではなく、純粋に「パーツの品質」と「楽器としての精度(イントネーションやトランジェントの応答性)」にお金を払いたい、合理的なギタリストの欲求を満たしてくれます。

プレイスタイル別おすすめモデル

中級者以上の方は、自分の目指すサウンドに合わせて選びましょう。

【ロック・アニソン・バンド系】
PAC612 / PAC611

Seymour Duncanピックアップは古き良きロックサウンドとの相性が抜群で、「これぞエレキギター」という王道のミッドレンジを出力します。 PAC612の6点支持ブリッジは、ボディにベタ付けにセッティングすることでレゾナンス(共鳴)の恩恵を得やすく、アンプを歪ませて力強く弾くスタイルに最適です。 少しだけ個性を求めるなら、フロントにP-90タイプを搭載した「PAC611」が良いでしょう。某人気アニメの主人公が使用しているモデルのベースにもなっており、ボーカルギターがジャキッと掻き鳴らすのにもハマります。

サウンドハウスで価格をチェックPAC612

どんな現場も、これ1本でいい。
その信頼は、何にも代えがたい武器になる。
サウンドハウスで価格をチェック

【シティポップ・ネオソウル・フュージョン系】
Standard Plus (PACS+12)

レンジの広いモダントーンが特徴的で、透き通った分離感の良いサウンドです。ハイゲインでガシガシ弾くよりは、クリーン〜クランチ、ローゲインのオーバードライブで最大の旨みが出る、ハイファイな特性を持っています。 ブリッジがGotoh製の2点支持なので、フローティングさせて滑らかなアームアップ/ダウンの表現が可能です。ステンレスフレットによる速い立ち上がりは、カッティングのキレを劇的に向上させます。
※同じく最新のシングルカットモデルも要チェックです。

サウンドハウスで価格をチェックStandard Plus

音が、景色を塗り替えていく。
現代のアンサンブルを支配する、透き通った衝撃。
サウンドハウスで価格をチェック 

【理想とロマンの究極系】 Professional (PACP 12)

Standard Plusのモダンなスペックをベースに、国産(Made in Japan)の丁寧なモノづくりを注入。

ローポジションからハイポジションにかけて指板のカーブが平らになる「コンパウンド・ラジアス指板」を採用し、極限まで弦高を下げたテクニカルなセットアップにも対応します。

さらに、YAMAHA独自の「I.R.A.処理(Initial Response Acceleration)」を施すことで、新品の状態から何年も弾き込まれたような豊かなレゾナンスを生み出します。

まさに「パシフィカの究極系」です。

サウンドハウスで価格をチェックProfessional

日本の技が魂を震わせる。
ただ演奏するために、究極の『相棒』という贅沢。

サウンドハウスで価格をチェック

アド・リブ代
アド・リブ代
やっぱり、自分のプレイスタイルや環境に合わせて選べるラインナップの広さが、パシフィカ最大の魅力よね。
モダン・テク子
モダン・テク子
ああ。特にStandard Plus以降のステンレスフレットと2点支持ブリッジの採用は、現代のテクニカルな要求に完璧に応えるアップデートだと言える。
ゲイン・アゲ美
ゲイン・アゲ美
うんうん。初心者も経験者も、「とりあえずこれ買っとけば間違いない」って言えるギターが、この価格帯にあるのは本当にありがたいことだよね。

よくある質問

Q: パシフィカは「初心者用」のイメージがあるのですが、ライブで使っても恥ずかしくないですか?

A: 全く恥ずかしくありません。
実際、多くのミュージシャンがレコーディングやライブの現場でパシフィカを愛用しています。

Q: PAC112とPAC612で迷っています。価格差の価値はありますか?

A: 確実にあります。
ピックアップ(音の心臓部)、ペグ(チューニングの安定性)、ブリッジ(アーミングのスムーズさ)、すべてのグレードが全く異なりますが、とりわけ演奏性に直結するネックの仕上げに関しては天と地ほどの差がある印象です。
ご心配されている価格差以上の価値は確実にありますよ。予算が許すなら迷わず612です。

まとめ

  • 全モデル共通: 高い演奏性と、SSH配列によるジャンルを選ばない圧倒的な汎用性。
  • 初心者へ: 弾きやすさが上達を助ける。予算が許せば「PAC612」が最強。
  • 中級者以上へ: ブランドにこだわらず「使える道具」を求めるなら最適解。
  • スタイル別: 王道ロックなら「PAC612/611」、モダンな分離感を求めるなら「Standard Plus」、国産の極みを味わうなら「Professional」。

「自分がどんな音を出したいのか分からない」 だからこそ、何にでもなれるギターを選ぶ。

YAMAHA PACIFICAは、あなたの音楽的な成長と変化に、どこまでも付き合ってくれる最高の相棒になるはずです。

ぜひ一度、楽器店でそのバランスの良さを体感してみてください。

サウンドハウスで価格をチェックYAMAHA PACIFICAシリーズ

挑戦する全ての人へ
迷いを、確信に変える一本を。

サウンドハウスで価格をチェック

YAMAHA PACIFICA SC(シングルカット)発表|待望のTLスタイルYAMAHAパシフィカに待望のシングルカッタウェイ「SC」が登場!Rupert Neve Designs共同開発PUや新機能フォーカススイッチなど、最新技術を詰め込んだTLスタイルの決定版を徹底解説します。...
【2026年】初心者の「ちょっと良い一本」にAZ Standard初心者が「後悔しない」ギター選び。10万円以下でプロ仕様のローステッドメイプル&ステンレスフレットを備えたIbanez AZ Standardを徹底解説。2026年最新のオールブラックモデル「S2」やYAMAHA PACIFICA 612との違いまでロジカルに比較します。...
HISTORYのコスパは冷静に考えてヤバい|暴力的なスケールメリット 「国産ギターは高い」という新常識を、 全国180店舗の“暴力的なスケールメリット”が破壊する。 どうも、7丁目ギター教室新潟江南...
ABOUT ME
吉田寛定
新潟市在住のギターインストラクター。 趣味ギタリストに向けた“ちょうどいい温度感”の発信を心がけています。 新潟市江南区のギター教室|7丁目ギター教室にて無料体験レッスン受付中。亀田・横越エリアの方はぜひどうぞ。
サウンドハウス