“音抜け”について考えてみよう。

楽器コラム

抜けの良い音
という言葉をギター界隈ではよく耳にしますが

それがどういう音を指す言葉なのかご存知でしょうか

抜けの良いギター
抜けの良いエフェクター
抜けの良い音作り
などなど

良いって言うくらいだから良さそうな感じしますよね

様々な場面で登場する
抜けの良い音
ですが、言い換えると

目立つ音 です。

抜けの良い音=目立つ音

さて、目立つ音ですが果たしてそれが正義でしょうか

時と場合によりませんか?

例えば歌モノのバックで音抜けの良いコードストロークを披露したとしましょう
完全に悪目立ちしますよね

逆にそう言う時は音抜けが悪い方が良いわけです。

と、ここで音抜けが悪い
という言葉も考えてみると
物凄く悪そうな言葉に聞こえますよね。

良い悪いという言葉を使う事で
印象がかなり操作されている気がして
楽器業界の思惑が見え隠れしますね。

音抜けの悪いという言葉も言い換えると
馴染む音
ともとれるわけです。

目立つ音と馴染む音

では目立つ音と馴染む音

なにが違って差が生まれるのか

それは

音の周波数帯域の調整具合で変わってきます。

難しいですね。

例えばそこそこ騒がしい雑音だらけの飲食店でご飯を食べている時でも
お皿やグラスが割れた音ってハッとする位目立って聞こえますよね

この状況で言うと
周りの雑音が馴染む音で
お皿の割れる音が目立つ音
という訳です。

目立つ音は実際に鳴っている音量に対してかなり聞こえやすいという特徴があり
それは人間がより高い感度で受信できる周波数帯域が強調された音だからです。

主に人の声や衝撃音などがこれに当たります。
本能的に緊急性を感じる様な要素がこれらの音には含まれているのかもしれませんね。

逆に馴染む音は
雨音だったりエアコンの音だったり
ずっと鳴っててもそんなに気にならない音がそれに当たります。

ギターでそれを応用すると
アンプのミドル部分を強調すると目立ち
ミドルを押さえると馴染みます。

かなり乱暴に説明ましたが
物凄くざっくり言うとそんな感じです。

音作りの例

私はいつも

フラットなクリーン
フラットな歪み
抜けの良い深い歪み

という3つの音色を用意して演奏しています。

フラットな状態とは
弾き方やピックアップの選択によって
目立つ音、馴染む音
どちらに寄せる事も出来る状態です。

一般的には
ピックアップを1個で鳴らす場合は目立つ音
2個で鳴らす場合は馴染む音に寄せる事ができます。

場面によってピックアップを切り替えるだけでも演奏にメリハリがつきます。

色々工夫してみて抜け感のコントロールを意識した演奏にトライしてみてください。

以上音抜けについての話でした。

プロフィール


吉田寛定
中学時代は吹奏楽に打ち込み14歳でギターに目覚め、高校入学後はバンド活動に明け暮れる。その後音楽の専門学校を卒業。アイドルのバックバンド、レコーディングに参加。商店経営、楽器店勤務、ギターインストラクターを経験。趣味は読書と格闘技観戦。

プロフィール
吉田寛定 中学時代は吹奏楽に打ち込み14歳でギターに目覚め、高校入学後はバンド活動に明け暮れる。その後音楽の専門学校を卒業。アイドルのバックバンド、レコーディングに参加。商店経営、楽器店勤務、ギターインストラクターを経験。趣味は読書と格闘技観戦。
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