「マルチエフェクターさえあれば、あの音もこの音も自由自在!」
そんな期待を胸に、初めてのマルチエフェクターを手にした人は多いと思う。でも、いざ使い始めると「思ったのと違う…」「なんか変な音…」と悩むことも少なくない。
実はこれ、めちゃくちゃ“あるある”な話だ。マルチエフェクターは便利だけど、初心者がハマりがちな落とし穴がたくさんある。今回はそんな「やりがちNG設定」と、実際にありがちな失敗談をまとめて紹介していく。
マルチエフェクターに限らず、音作りは“試行錯誤”がつきもの。だからこそ「何が失敗の原因か」を知っておくと、無駄な遠回りを防げる。これからマルチデビューする人、今まさに迷子中の人はぜひ参考にしてほしい。
1. とりあえず全部ON問題
マルチエフェクターを手にすると、最初はとにかく楽しい。ディレイ、リバーブ、コーラス、オクターバー、フェイザー…。全部試したくなるのが人情だ。でも、ここでやりがちなのが「欲張りすぎて全部ON」。
結果どうなるかというと、音がグチャグチャにぼやける。輪郭が消えて、バンドで弾くと「あれ?自分の音どこ行った?」状態になることが多い。
アドバイス
最初は必要最小限の構成に絞るのがコツ。クリーンならコンプ+軽めのリバーブ、歪み系ならオーバードライブ+少しのディレイ程度。シンプルなほうが“音の芯”がしっかり残る。
2. プリセット頼りすぎ問題
マルチエフェクターには最初からたくさんのプリセットが入っている。どれも迫力満点で、最初は「これだけで十分!」と感じる。でも実はこのプリセット、自宅練習用の“映え”重視のものが多い。
問題はバンドで合わせるとき。プリセットのままだと「派手だけど音が埋もれる」「ソロなのに抜けてこない」なんてことがよく起きる。
アドバイス
プリセットはあくまで「参考用」。自分が使う環境(アンプ・スピーカー・音量)に合わせて、EQ(イコライザー)やエフェクト量を微調整するクセをつけよう。
3. アンプシミュと実アンプの二重掛け問題
超ありがちなミスがこれ。マルチエフェクターには「アンプシミュレーター」が内蔵されていることが多いけど、それをONのままギターアンプに繋ぐと悲惨なことになる。
結果は「モコモコして抜けない音」「こもっていて輪郭が無い音」になりがち。要はアンプの音を2重にシミュレートしている状態になるからだ。
アドバイス
ギターアンプのリターン端子に挿す場合: アンプシミュONでもOK(パワーアンプだけ使う場合)。
アンプの通常インプットに挿す場合: アンプシミュは必ずオフ。
「自宅でヘッドホン練習のときはON、スタジオではOFF」など、シーンごとに切り替える習慣をつけると失敗が減る。
4. よくわからないままツマミを回しがち
ディレイやリバーブなどのエフェクトは、パラメーター(設定項目)が多い。例えばディレイなら「タイム」「フィードバック」「ミックス」などがあるけど、意味がよくわからないまま数値を適当にいじってしまうと「なんか変…」という結果に。
特にフィードバックは要注意。数値を上げすぎると音が無限ループして制御不能になることもある。
アドバイス
基本は「1個ずつ、少しだけ動かして耳で確認する」。説明書やメーカーサイトの用語解説を一度ちゃんと読むと、理解が一気に深まる。YouTubeでの解説動画もおすすめ。
5. 歪みすぎ&ノイズ地獄問題
初心者は「歪み=カッコいい」と思いがち。ついディストーションをガンガンかけて「これでもか!」と歪ませてしまう。でも、歪みすぎるとノイズが増え、音がつぶれて逆に迫力がなくなることが多い。
しかも、音量を上げると「ジーー」とか「シュー」なんてノイズが響き渡ってしまう。
アドバイス
歪みは“ちょっと物足りないかな”くらいが実はちょうどいい。ノイズが気になる場合は、ノイズゲート機能を使うのもあり。
6. ペダルのポジションミス
ワウやボリュームなど、エクスプレッションペダルがついている機種も多い。でも、これも意外と落とし穴で「ペダルがONのままだった」「ペダルが最小に踏み込まれてて音が出なかった」なんてことがある。
アドバイス
ライブ前は必ずペダル位置を確認。慣れるまではペダルを使わないシンプルなパッチにしておくと安心。
失敗談あるある|みんな一度は通る道
バンド練で「音作り完璧!」と思ったのに撃沈
初めてマルチエフェクターで自分なりに音作りをして、プリセットを微調整して、「これぞ俺の音!」とワクワクしながらバンド練に参加。でも、いざ音を出してみたらメンバーからの一言。
「……全然聞こえないよ?」
えっ?家で弾いたときは超カッコよかったのに!?と思って焦る。必死にボリュームを上げても、他の楽器に埋もれてしまってまるで存在感ゼロ。あとで冷静に確認したら、コーラスもディレイもリバーブも全部モリモリで、音の芯が完全にぼやけていたというオチ。これ、初心者あるある中のあるある。
ネットで拾った“プロの設定”が全然使えなかった
SNSやYouTubeで「プロギタリストが使ってる音作り解説!」みたいな記事を見つけて、興奮しながらそのままパラメーターをコピペ。絶対これで一気にプロの音だ!と信じてスタジオで鳴らした結果……。
「な、なんかモコモコしてる…?」
「思ってたのと全然違うし、むしろダサい…。」
実はこれ、プロが使ってる機材・ギター・アンプ環境に最適化された設定であって、自分のギターやスタジオのアンプでは全然ハマらなかったというパターン。結局「自分の環境に合わせた調整が必要」ってことを痛感した瞬間だった。
アンプシミュOFF忘れで“こもり地獄”
普段は自宅でヘッドホン練習をしていたので、アンプシミュレーターは常時ON。ある日、スタジオで実アンプに繋いで練習。「ん?なんかこもってる…?」と違和感バリバリで悩んでいたら、原因は単純。
アンプシミュがONのままだった。
アンプ×アンプで“2重掛け”になり、音がモコモコの泥沼状態。自宅とスタジオで設定を切り替えるのを忘れていた、これも初心者が高確率で経験する失敗のひとつ。
失敗は“成長の証”
こうしてみると、失敗談はキリがない。でも、これ全部「通過儀礼」だ。失敗しながら、「次はこうしよう」「今度はこの設定を試そう」って考えるからこそ、だんだんと“耳が育つ”。
どれも経験して初めて身につくことだから、「やっちゃった…」と思っても落ち込む必要はなし。むしろ、こういう経験を繰り返した人こそ“本当に使える音”が作れるようになる。読んで「あるある!」と思った人は、すでに一歩前進してる証拠だ。


Q&Aで振り返り|マルチエフェクター初心者あるある
Q:初心者はやっぱりプリセットをそのまま使っちゃダメ?
A:ダメではないけど「そのままだと環境に合わないことが多い」と覚えておこう。自宅で弾くぶんにはOKでも、スタジオやライブでは必ず微調整が必要になる。
Q:アンプシミュレーターはいつオフにするのが正解?
A:基本は「実際のアンプを使うときはオフ」。逆にヘッドホン練習やライン録音のときはオンが便利だ。接続方法に応じて切り替えるクセをつけよう。
Q:歪みが物足りないときは、もっと強くするべき?
A:まずは「歪みの量を上げる」のではなく、「EQでミドルを強調する」と良い音に近づきやすい。歪み過ぎはノイズやつぶれの原因になるので要注意。
Q:エフェクトの“順番”って初心者でも気にするべき?
A:うん、意外と大事。たとえば「歪み→ディレイ」の順番と「ディレイ→歪み」では全く違う音になる。マルチなら簡単に順番を入れ替えられるから、色々試して耳を育てよう。
Q:失敗しても大丈夫?
A:むしろ失敗するのが普通!いきなり“正解”は作れないので、まずは色んな音を試して「自分の耳」で判断できる力を身につけよう。マルチは“実験場”として最高の道具だ。
最後に
今後もこのブログでは、機材レビュー、上達法、練習法、音作りのヒントなど、ギターに関する話題を幅広く発信していく。
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