MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)といえば、自己理解のための性格診断として広く知られている。でも実は、このMBTIのタイプ分けは、音楽活動における「向き・不向き」や「適性ポジション」を知るヒントにもなる。
たとえば「バンド活動に向いてない気がする…」「自分に合ったスタイルで音楽を続けたいけど、何が合うかわからない」。そんな悩みを持つミュージシャンや音楽好きに向けて、MBTIの視点から音楽スタイルを深掘りしてみよう。
この記事では、MBTIの頭2文字(IN/IS/EN/ES)をベースに、音楽ジャンルとの相性や向いている活動スタイル、そして挫折しやすいポイントまで紹介する。自分に合った音楽との付き合い方がきっと見えてくるはず。
MBTIの基本と「IN/IS/EN/ES」の分類
MBTIは、4つのアルファベットで表される性格タイプ。今回はそのうちの最初の2文字に注目する。
■ I(内向)とE(外向)の違い:エネルギーの向かう先
I(Introversion/内向):エネルギーは内側に向かい、自分の世界の中で思考を深める。1人の時間でリフレッシュし、集中力も高い。
音楽では、制作や練習など静かな環境に向いている。表現も内省的で繊細になりやすい。
E(Extraversion/外向):エネルギーは外に向かい、人との関わりや刺激から活力を得る。発信や交流が自然にできるタイプ。
音楽では、ライブやSNSでのパフォーマンス、コラボに強く、人前で魅力を発揮する。
ざっくり言えば、「一人でこもって深めたいか」「人と関わって広げたいか」の違い。
■ N(直感)とS(感覚)の違い:情報の捉え方
N(iNtuition/直感):抽象的・概念的なことを好み、「なぜ?」に興味を持つ。未来や可能性に目を向ける思考型。
音楽では、メッセージ性や世界観、哲学的な歌詞に惹かれ、ジャンルに縛られない創作をする傾向。
S(Sensing/感覚):五感で捉えられる現実的な情報を重視。「今ここ」に意識を向け、実際の体験から学ぶ。
音楽では、演奏技術やサウンドの質感にこだわり、正確さや安定感が魅力になる。
つまり、「感じたままを表現するか」「意味や構造を掘り下げるか」の違い。
このI/EとN/Sの組み合わせで、音楽のスタイルや関わり方は大きく変わってくる。
簡易的な診断を用意したので自分のタイプが分からない人は是非受けてみて欲しい
MBTIパーソナリティテスト
ただし、診断を受けるタイミングによって結果が変わることもある。
あくまで参考程度のエンタメとして楽しんで欲しい。
各タイプの特性と音楽的傾向
INタイプ:深く静かに、独自の世界観を紡ぐアーティスト
- 思慮深く、内面の世界に没頭しやすい
- 静かで繊細な表現を好み、独創性が高い
- 歌詞や構成に強いこだわりを持ちやすい
強み:内面の感情を表現する能力に優れ、独自の音楽性を築きやすい
弱み:人前に立つことへの苦手意識や、完璧主義からの停滞感
該当するタイプ
INTP




ISタイプ:着実に積み上げる、職人肌のプレイヤー
- 現実的で経験に基づいた判断を重視
- 一つひとつの演奏を丁寧に仕上げる
- 地に足がついたスタイルで信頼を集めやすい
強み:再現性が高く、技術をしっかり積み上げていける
弱み:変化や実験的なスタイルへの抵抗感。表現の幅が狭くなりがち
該当するタイプ
ISTP




ENタイプ:アイデアと情熱で走るカリスマ型
- 社交的で、エネルギーと好奇心が溢れている
- 新しい音楽スタイルをどんどん試していく
- 発信力が強く、人を巻き込むのが得意
強み:アイデアと行動力の掛け算で注目を集める
弱み:持続力の低さや、一貫性の欠如が課題になることも
該当するタイプ
ENTP




ESタイプ:その場を支配する、天性のエンターテイナー
- 今この瞬間に生きるタイプ。反応に敏感
- 観客の空気を読むのが得意で、ライブ向き
- 感覚的な表現で盛り上げ上手
強み:ライブでの爆発力。即興対応力が高く、ステージで輝く
弱み:地道な作業や内省的な制作には不向きな傾向
該当するタイプ
ESTP




タイプ別:音楽現場での適性診断
タイプ | ソロアーティスト | バンドマン | サポートミュージシャン | スタッフ |
---|---|---|---|---|
IN | ★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
IS | ★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
EN | ★★★★ | ★★★ | ★★ | ★★★ |
ES | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
MBTIタイプと音楽ジャンルの相性
- INタイプ:インディー、アンビエント、ポストロックなど世界観重視系
- ISタイプ:クラシック、アコースティック、ブルースなど技術と安定感が活きる
- ENタイプ:ポップス、エレクトロ、ヒップホップなどトレンド系・派手系
- ESタイプ:ファンク、ロックンロール、EDMなどノリ重視のジャンル
もちろん例外はあるが、感性とジャンルのフィット感を知っておくと活動の方向性が定めやすくなる。
ミュージシャン向けMBTIの活用法
MBTI診断を「ちょっと面白いお遊び」で終わらせるのはもったいない。音楽に携わる人にとって、MBTIは“自分の取扱説明書”のようなもの。以下のように実践的に活かすことで、活動がスムーズになるだけでなく、精神的なゆとりも生まれる。
1. 自己理解の強化:
MBTIは自分の価値観やモチベーションの源を言語化してくれる。たとえば「自分はE型だからステージに立つとき自然にエネルギーが湧く」「I型だから制作に没頭する時間が一番クリエイティブになる」など、納得できる“自分なりの音楽スタイル”が見えてくる。
2. メンタルのコントロール:
音楽活動には波がある。SNSでの反応が少ない、作品が売れない、メンバーと意見が合わない…。そんな時、自分のタイプを知っていれば「これは自分の思考パターンからくる不安だ」と気づける。たとえば、NFタイプは評価に敏感、TJタイプは結果重視で焦りやすいなど、傾向を知っておくことで対処法が見えてくる。
3. 人間関係のストレス軽減:
バンドやコラボ相手との摩擦はつきもの。でもMBTIを知っていれば「相手の感じ方は自分とは違って当然」と冷静になれる。特にIとEの差、FとTの判断軸の違いはすれ違いが起きやすい。お互いの特性を理解することで、必要以上に傷ついたり、傷つけたりすることを減らせる。
4. 発信・プロモーション戦略:
自分の強みをどこで活かすかを知ることは、発信戦略にもつながる。たとえばE型ならライブや動画で魅せるのが得意。I型ならエッセイ調の投稿や深い歌詞解説が共感を呼びやすい。発信方法を「無理に合わせる」のではなく、「自然にフィットする形に寄せる」ことで、継続しやすくなる。
MBTIは、音楽活動を“自分らしく整える”ためのツール。自分のペースと方法で、無理なく進むための指針になる。
タイプ別の挫折ポイントとその乗り越え方
- INタイプ:完璧主義に陥って動けなくなる → 小さく出す・進捗を共有して外部の視点をもらう
- ISタイプ:変化が怖くて挑戦できない → 安心できる範囲で「少し新しいこと」を加える
- ENタイプ:熱しやすく冷めやすい → 周囲の協力を得て、形になる仕組みを作る
- ESタイプ:ノリだけで突っ走り、深みを出せない → 意識的に「考える時間」を作る
どのタイプでも、音楽でつまずく瞬間はある。だが、そのつまずき方には傾向があり、乗り越え方もまた違う。そこを知っておくだけで、ちょっとだけ生きやすくなる。
MBTIを味方に、無理せず音楽を続けるために
自分の特性を知ることで、音楽との付き合い方がガラッと変わる。得意なフィールドで力を発揮し、苦手な部分は無理せず工夫する。それが、音楽を長く続けるための一番の近道だ。
ただし、MBTIは「白か黒か」で性格を分けるものではない。
仮にあなたがIN型だとしても、
基本的には内向型だが、必要な場面で人と関わることも苦にならないし、
抽象的な考え方を好む一方で、現実的な視点も持ち合わせているなぁ。
と、感じていてもおかしい事ではない。
性格というのは、グレーの濃淡が混ざり合ったもの。MBTIはあくまで極端な例をもとに“傾向”を知るためのツールであり、「絶対にこうだ」と決めつけるためのものではない。そのことを忘れずに、自分なりの解釈で活用していこう。
あなたはどのタイプだっただろう? そして、どんな音楽スタイルが一番「しっくり」きそうだった?
MBTIをヒントに、自分らしい音楽の形を見つけてほしい。
