ライフスタイル

冬場のギター練習は何を着る?雪国新潟の筆者が寒い室内での練習着について解説

冬の室内でギターを練習していると、温かい服装では居たいけど服が弾きにくさを生むことがある。

袖が弦に当たったり、金具がボディを擦ったり、地味にストレスだ。

今回考えたいのは寒い時期に、演奏の邪魔をしない服は何か。

まあ答えは順当にスウェットやパーカーになるわけだけど。

裾のリブが干渉を減らし、干渉しそうな金具が少なく、リラックスでき姿勢の自由度も確保しやすいし厚手で温かいからだ。

ただその上で他の選択肢も考えてみたのでそれも紹介していきたい。

本記事では雪国新潟県でギター講師をしている筆者が冬場のギター練習ってどんな格好でしたら良いのかについて考察していく。

冬のギター練習で起きる「服の不具合」を先に潰す

まず袖先が弦やブリッジまわりのネジに触れると、上手くミュートできない上に生地がほつれる。これは袖口が広い服ほど起きやすい。

もう一つは金具の問題だ。金属のファスナーやスナップがボディに触れる部分についていると傷のリスクが上がる。
部屋で自分のギターを弾く分にはまだ良い。小傷程度は気にしないという人も居るかもしれないが、楽器店で試奏する際はどうだろうか。

楽器店は前提として外出先という特性があるため、冬場はアウターを羽織っての来店となる事がほとんどだろう。

その際に金属パーツがたくさんついている様なものを羽織って試奏となると商品を傷つける可能性が高い。
試奏前にスタッフから一声注意があるかもしれないが、試奏するとなった時点でアウターを脱いでおくのが安全だろう。

スウェットとパーカーが最有力

冒頭で触れた通り冬場のギタリストはスウェット、パーカーが基本だと言っていいだろう。

袖口と裾のリブは、ブリッジや弦に干渉するトラブルを防ぐのに有効。それでも手元が気になる場合は肘の手前くらいまで裾をまくって対策しよう。リブがしっかりストッパーになってずり落ちてこない。

フードのドローコード先端が金属の場合は、結んで中へしまうだけで接触リスクを下げられる。

その上でスウェットなんてどれも同じだろうと思われがちだが、裏地の仕様によって防寒性に差が出る為注意が必要だ。

スウェットの裏地は「裏毛」と「裏起毛」の2種類がある。

裏毛は裏面がループ状で、サラッとした着心地だ。比較的動きやすいというメリットもあるのだが防寒性という面では課題が残る。

裏起毛は裏面を起毛して保温性を上げた生地だ。これは裏毛に比べて温かさは格段に増すが、重量感が増す。また、通気性も劣るため部屋や体が温まると汗がこもりやすい。

どちらも一長一短な感じがするが、筆者は断然裏毛の方が良いと思っている。

なぜなら身体や部屋が温まった後では裏起毛は暑すぎるからだ。

裏毛でも寒いという場合はさらに何か羽織ればいいし身体や部屋が温まったら羽織を脱げばいい。

その点において裏毛の方がストレスが少ない。

ニットも悪く無いんだけどブリッジとの接触による耐久性とか考えたらやっぱりスウェット生地の方に軍配があがる。

アメリカの老舗アパレルブランド
FRUIT OF THE LOOM フルーツオブザルーム
によるクラシックで耐久性に優れたスウェット。

リブはタイトで腕まくりをしても問題なく固定できる。

ややゆったりとしたシルエットではあるものの
オーバーサイズという感じでもないため
上にアウターを羽織った際もごわつきにくい。

Champion(チャンピオン)のスウェットシャツは、「ザ キング オブ スウェットシャツ」と評されるほどの王道アイテム。

柔らかい手触りで着やすいコットン100%の裏毛素材を使用

動きやすくこれぞスウェットといった正統派なシルエット。

FRUIT OF THE LOOM フルーツオブザルーム
によるヘヴィーウェイト裏毛パーカー

フード部分には程よいふくらみを持たせることで、立体的なシルエットと自然なボリュームを演出

別にロンTで良くない?

地域によっては別に雪も降らないし暖房もすぐ効くしロンTで十分なんだけど、って人も居ると思う。

ハッキリ言ってその通りだし実際筆者もそこそこ寒さに強い方なので冬でもロンT派だ。

その上で注意しておきたいのは袖口リブの有無だ。

リブ無しのロンTは弦にめちゃくちゃ干渉する上にまくってもすぐにずり落ちてくる。
これがめちゃくちゃストレスだ。

シルエットや素材ももちろん大切だが、ロンTは袖口リブの有無が何より重要。

1次選考でリブの有無をチェックし、リブ付きのものだけを2次選考に通してシルエットや素材感をチェックすればいい。そこはもう好みの問題だ。特に何も言うまい。

パックTの定番、ヘインズのヘビーウェイトなロンT

ネームデザインを首元に印字する事でタグレス仕様になっており襟元がチクチクしない親切設計。

コットン100%だがストレッチ性は低め、洗濯すると縮むのでゆったり着たい場合は普段よりもワンサイズアップしよう。

 

それでも寒いなら:MA-1を上に足す

スウェットやパーカー、ロンTの状態でもちょっと寒いという事であれば筆者はMA-1 を勧める。バリバリ外着だけどね。

MA-1フライトジャケットは、もともとアメリカ空軍パイロットのために開発されたもので、各部のデザインには厳しい環境下での実用的な機能が備わっている。

・襟なしのデザイン: ヘルメットやその他の装備と干渉しないように

・リブニットの首、袖、裾: 冷たい風がジャケット内に入るのを防ぎ、高い防寒性を確保

・ナイロン製のアウターシェル: 防風性に優れ、体温が奪われにくい素材

などなど他にもミリタリーウェアならではの機能がてんこ盛りの凄いアウターなのだ。

リブも二重構造になっており、袖の中に冷たい空気を通しにくいため、前ジップを上げずともそこそこ温かい。

が、注意点もある。

腕のボリュームが大きめの個体は温かい反面ボディをより厚く感じてしまう場合があるため演奏に違和感が生じる場合がある。

意外と表に出ている金属部品は比較的少なめだが、やはりファスナーがボディに小傷をつける可能性が高いため注意が必要。

しかしながらとても扱いやすく普段着としても着やすいのでお勧めだ。

好みに合わせてこれに類似した形状のブルゾンジャケットから選んでもいいだろう。

アウター類はポケットなどの収納も多いため金具の有無や位置はしっかり確認しておこう。

50年以上にわたってアメリカ軍に製品を提供している老舗メーカー ALPHA INDUSTRIES(アルファ インダストリーズ)

本格的で伝統的なスペックでありつつも現代のライフスタイルに合わせてアップデート。

機能性とデザイン性を兼ね備えた優秀な定番アウター。

高品質な軍用衣料品やアウトドアウェアを扱っているアメリカ初のメーカーROTHCO(ロスコ)

本格仕様でありつつもコストパフォーマンスに優れたMA-1

サイズ感は大きめなため、いつもより1サイズ落とした方が良いかも。

他のミリタリージャケット

MA-1の代替としてL-2Bという薄手フライトがある。これは中綿がなく、MA-1よりも動きやすい。防寒性はMA-1に劣るが室内用として見ればこれで十分な場合も多いだろうし使える期間も長い。

CWU-45PもMA-1の代替として有力だろう。
これはMA-1の後継モデルとして開発された背景があるためMA-2の別名を持っているらしい。
ポケットがMA-1に比べ大きいためボリューム感があるので注意。
寒冷地仕様のフライトジャケット。

CWU-36Pは中綿の無い仕様でより動きやすい。
L-2B同様に室内用であればこちらで十分かもしれない。

ミリタリーウェアは過酷な環境でミッションをこなすためにデザインされているため、様々な機能が備わっている。
そんなディティールを味わうのも面白いしそういう世界観が好きなギタリストは結構多いのではないかなーと思う。

他の選択肢

フリース系は軽くて暖かい。これは袖の摩擦がやや大きいので、袖口がパイピングよりリブ型に近い設計のほうが弦への接触が減る。毛足が長いタイプはピックや弦に触れると引っかかることがある。
また軽さに反して生地の厚みを感じやすいため予想以上に動きにくいかも。
ただ部屋の中では無敵クラスの温かさではある。選ぶなら毛足の短いものがおすすめ。

ハーフジップは金具の露出が短く、胸元の段差が小さい。
フルジップに比べてボディに金属が触れるリスクが少ない。開け閉めで体温調整もしやすいため意外と便利。

最強の小物はネックウォーマー

体感温度が大きく上がるのは首の保温だ。
首を温めると末端の血流が戻りやすく、指の動きの安定感も増す。

薄手のフリースやメリノのネックウォーマーを一枚足すだけで、上半身の着込みを一段減らせる。

マフラーも悪くはないがボディトップに足れたりするとストレスだし、分厚くより重量感が増すため肩も凝りやすい。

軽くて伸びる素材で程よく密着するタイプがおすすめ。

ボトムスの考察

フリースパンツと裏起毛スウェットが最強

座り練を前提にすると、最適解はフリースパンツか裏起毛スウェットだ。

これはまずめっちゃ温かい。さらに“金具がほとんどついていない”設計が定番で、ボディを傷つけるリスクが少ない。

生地は軽く、太腿や膝のテンションが低いので長時間の座り姿勢でも疲労は最小限。

ギターの練習に最も適したボトムスだと言っても過言ではない。

フリースは裾が開いているものが多く、スウェットはリブ付きのジョガータイプの選択肢もある。
その辺は動きやすさ、着心地の好みによるかなーと思う。

フリース/裏起毛は汗をかきやすいのでは?

「フリースや裏起毛は汗をかきやすいのでは」と不安に感じる声もあるだろう。
しかしこれは上半身ほど深刻ではない。

部屋が暖まってきたら靴下や羽織を脱ぐ、といった調整で体感温度は大きく下がる。

上半身は汗で冷えたときの体調リスクも高い。汗をかくなら上半身のほうが危険だ。

下半身は温かめでも問題は起きにくい。ボトムスは暖かく、トップスを厚くし過ぎないという組み合わせは、冬の練習で温度バランスが取りやすい。

結論として、フリースパンツや裏起毛スウェットは“汗が気になる”よりも、上半身の温度管理さえきちんとすれば安全で快適に使える。

逆に避けたいボトムス

デニムはオーソドックスなものは防寒性に欠ける上金属部品が多くボディを傷つけるリスクも高い。

カーゴパンツなど機能性の高いワーク系パンツもポケット、ジッパーなどの金属部品が多い。

ベルト必須のパンツはバックルによる傷がつきやすい。

ウエストはゴム+ドローコードの“金具ゼロ”構成に寄せたほうが安全な上に防寒性、保温性に長けた選択肢も多い印象。

選ぶときの基準は「金具ゼロ・温かい・動きやすい」

ボトムスは“金具ゼロ”が最重要だ。まずは楽器への安全性が担保されている事が必須。

次に温かさで体のこわばりを減らし、そして動きやすさでストレスを減らす。

温かさ・動きやすさ・楽器への安全性の三軸で評価するとやはりスウェットや裏起毛のスウェットが有力になってくる。

段階によって組み合わせる

基本トップスは裏毛仕様のスウェットかパーカーをメインにボトムスは裏起毛のスウェットを基本のセットアップにして
部屋が温まるまではアウターやライトジャケット、ネックウォーマーを着用して寒さをしのぎながら練習。

部屋と身体が温まってきたら上着とネックウォーマーを外す、といった感じで状況に合わせて柔軟に服装を変えよう。

まとめ

冬の練習着は“金具ゼロ・リブ有り・動きを邪魔しない”が軸だ。

基本は裏毛スウェットかパーカーで可動を確保し、寒ければMA-1などのアウターを羽織って部屋が暖まるまで凌ごう。ネックウォーマーを着用すると体感温度がグンと上がる。

ボトムスはフリースか裏起毛スウェットが最適で、温かさと軽さ、そして楽器への当たりの少なさで頭一つ抜ける。

と、ほぼ部屋着ってことで良いじゃねーかというのが新潟の田舎者としての見解。
地域によって気温差あると思うけどその辺はうまく汲み取って自分なりにカスタマイズして活用してもらえればいいかなと。

また季節を問わずだが、楽器店で試奏する日はアウターを脱ぎ、ファスナーやバックルの当たりをゼロにすることも重要なマナーだ。お店の商品は大切に。

https://gainfomation.net/fashion-black/

ABOUT ME
吉田寛定
新潟市在住のギターインストラクター。 趣味ギタリストに向けた“ちょうどいい温度感”の発信を心がけています。 新潟市江南区のギター教室|7丁目ギター教室にて無料体験レッスン受付中。亀田・横越エリアの方はぜひどうぞ。

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