ギター初心者向け

最初のギター選びで後悔しないために|予算の考え方と楽器店をおすすめする理由

「ギターを始めたい。でも、どれを選べばいいのか全然わからない」
「せっかくだし、失敗はしたくない。けど、予算をかけるのも少し不安…」

初めてのギター選びで悩んでいる人は、とても多い。
ネットには無数の情報があふれ、安いギターセットも簡単に見つかる時代だ。
それでも多くの人が「買ったけどすぐ手放してしまった」「自分に合わなかった」と後悔しているのが現実。

結論から言ってしまえば、最初のギター選びにおいて、予算はほぼすべてと言っていい。
そして、“楽器店で実物を見ながら選ぶ”という行為が、ギター人生を大きく左右する。

この記事では、ギターをこれから始めたい入門希望者に向けて、
「なぜ予算が重要なのか」「なぜ楽器店がベストなのか」を具体的な理由を交えて解説していく。

安いギターでも始められる──けど続けられるとは限らない

今はネット通販や量販店で、1〜2万円台の“初心者セット”が簡単に手に入る。
アンプ、ケーブル、ピック、ストラップ、チューナー、全て込み。届いたらすぐに始められる手軽さは魅力的だ。

しかし、問題はその“楽器の中身”にある。

  • 音が出るには出るが、まとまりのないサウンド

  • 弾きにくいネック形状や、ズレたチューニング

  • 弦高が高すぎて、Fコードすら苦痛

  • 組み込み精度が低く、すぐ不調になる

こうした“ストレス要素”が積み重なることで、「向いてないかも」「つまらない」と思い込んでしまい、ギターから離れてしまう人も多い。

実際、初心者が最初に挫折する理由は、「自分のせい」ではなく「楽器のせい」であることがかなり多い。
続けられるギター=ちゃんとしたギターである、という事実は見逃せない。

高いギターを買ったからといって、続けられるとは限らない

当然のことながら、「最初から高いギターを買えば続けられるか」といえば、そんなに単純な話でもない。
10万円以上するようなギターを買ったとしても、1ヶ月で手放してしまう人だっている。

楽器がどれだけ良くても、弾く本人が興味を持ち続けなければ意味がない
ギターは練習時間と積み重ねがすべて。高いから弾けるようになるわけではないし、高いからモチベーションが続くとも限らない。

だからといって、「安い方が気楽に始められていい」という話でもない。

予算は“多いに越したことはない”。その理由とは?

予算の多寡で継続が決まるわけではない。
ただし、予算がプレイヤーにもたらす影響は明確に存在する

  • 興味の持続

  • 快適性(弾きやすさ・音の心地よさ)

  • 覚悟や納得感

これらにおいて、予算の多さは確実にプラスに働く。
「高い=続く」ではないが、「予算がある=始めやすくなる」のは確かだ。

このあと紹介する「予算が重要である3つの理由」は、
まさにこの“継続のしやすさ”と“満足度”にどう繋がるか、という観点で読み進めてほしい。

なぜ予算が重要なのか?──納得できる3つの理由

① 選択肢が広がると、満足度が上がる

予算が多いと、それだけ選べるギターの数が増える。
具体的には、5万円〜10万円クラスになってくると、以下のようなラインナップが視野に入る。

  • YAMAHA PACIFICA上位機種(PAC612など)

  • Ibanez  AZ Standard

  • Fender Playerシリーズ

  • Epiphone Inspired by Gibsonシリーズ

  • 国産ブランドのエントリー~ミドル機(Bacchus、CoolZなど)

どれもプロも使えるポテンシャルを持つギターたちだ。
この価格帯になると、音の質も安定感もまったく違う。
「自分がどんな音を出したいのか」を考える余地ができ、選ぶ楽しさそのものも体験できる。

逆に選択肢が少ない状態で選んでしまうと、“消去法で妥協した一本”になりがち
長く弾く気持ちも薄れ、満足度も上がらない。

② 品質が上がれば、“弾けるようになるスピード”も変わる

「高いギター=プロ用で難しいんじゃないか」と思われるかもしれないが、実際は逆だ。
高品質なギターほど、最初の一音が出しやすく、成長を後押ししてくれる

  • 弾きやすいネック形状

  • 適正な弦高とナット幅

  • 音がしっかり前に出るピックアップ

  • 安定したチューニング精度

これらの条件が揃っていれば、コード練習もバッキングも苦にならない。
「弾いてて気持ちいい」「音が出るのが嬉しい」
このポジティブな実感が、練習を“継続”へ導く

ギターは継続がすべて。
だからこそ、“続けられる設計”のギターに出会うためにも、予算が重要になる

③ 予算は“覚悟”の可視化である

予算をかけるという行為は、「それだけ本気でやってみたい」という覚悟の表れだ。
数万円の出費は大きいけれど、同時に自分への投資でもある。

・バイト代をためた
・趣味に本気で向き合いたい
・いつかライブがしたい

そんな動機と結びついた買い物だからこそ、ギターに対する気持ちの持ちようが違ってくる
安く買ってしまうと、壊れても「まぁいいか」となってしまいがち。
でも、頑張って選んだ一本には「ちゃんと弾いてあげたい」と自然に思えてくる。

逆に気をつけるべきこともある

● そのギター、“覚悟”で選んだ?それとも“見栄”?

高価なギターを選んだときこそ、本当に自分のために選んだのかを確認してほしい。
ありがちなのは、「人にカッコよく見られたい」「SNSで映えるモデルにしたい」という“見栄”が混ざってしまうケース。

それが悪いとは言わないが、「ギターを弾きたい」ではなく「持ってる自分に酔いたい」になってしまうと、弾かれないギターになる可能性が高い

選ぶ基準は、
「これなら毎日触りたくなる」
「この音で練習してみたい」
という、自分自身の内側にある欲求だ。

● なぜ“安く済ませたい”と思ってしまうのか?

実は多くの人が、「趣味にお金をかけるのは気が引ける」と感じている。
特に新しい挑戦をする時ほど、こうした思い込みがブレーキになる。

  • 続けられるか分からない

  • 上手くならなかったらもったいない

  • 自分には無理かもしれない

これは「予算の問題」ではなく、自己否定や不安からくる心理的ブロックだ。
でも、自分でしっかり選んだギターがあれば、「やれるかも」という前向きな感覚が自然と生まれてくる。

初心者こそ楽器店へ。店員さんは“味方”になってくれる

● 予算を伝えることで“本気度”も伝わる

楽器店でこう伝えてみよう。

「これからギター始めたいんですが、予算は3万円くらいで…」
「これからギターを本気で始めたくて、予算は10万円まで見てます」

同じ「初心者」でも、スタッフの反応は微妙に違う。
予算の大小ではなく、“本気で相談しに来た”という姿勢にスタッフは応えてくれる。

特に10万円予算の初心者は「この人、ギターを甘く見てないな」と思ってもらいやすく、アドバイスも一層丁寧になる。

● 楽器店のメリットは“対話できること”に尽きる

ネット通販では、音も弾き心地も分からない。
対面の楽器店では、以下のようなメリットがある。

  • サイズや体格に合ったモデルを提案してくれる

  • 好みのジャンルに合わせたピックアップ選定

  • 弦高やセッティングを相談できる

  • 実際に試奏してから選べる

さらに、顔見知りになればアフターサポートも相談しやすくなる
弦の張り替え、メンテナンス、アップグレードの相談など、「ギターを持ち込める場所」があるのはとても安心だ。

“最初の一本”こそ、予算と店選びが大事

  • 安さだけで選ぶと、挫折リスクが上がる

  • 予算をかけると、選択肢も品質もモチベーションも上がる

  • 覚悟がこもった買い物は、ギターへの姿勢を変える

  • 楽器店で選ぶことで、信頼できる“相談相手”ができる

「ギターは気軽に始められる趣味」でもある。
でも、気軽なまま選んでしまうと、続かない趣味にもなりやすい。

最初の一本こそ、自分の本気度が問われる買い物。
予算を決めて、楽器店に足を運び、「どんなギターが自分に合うのか」ぜひ直接相談してみてほしい。
その経験こそが、ギター人生の最初の一歩として、確実な土台になる。

ABOUT ME
吉田寛定
新潟市在住のギターインストラクター。 趣味ギタリストに向けた“ちょうどいい温度感”の発信を心がけています。 新潟市江南区のギター教室|7丁目ギター教室にて無料体験レッスン受付中。亀田・横越エリアの方はぜひどうぞ。