「ギターがもっと上手くなったら、バンド組みたい」
「人前で堂々と弾けるようになったら、ライブしてみたい」
そんなふうに思って、ひとりで練習を続けている人は案外多いのではないだろうか。
まあ、気持ちはわかる。
誰だって中途半端な状態で人と合わせるのは怖いし、恥ずかしい。
「もっとちゃんと弾けるようになってから…」と思う気持ちは自然なものだ。
でも、ここでハッキリ言っておきたい。
「上手くなったら〇〇する」と言ってる人は、たいてい何も始められないまま終わる。
なぜか。
それは“上手くなったら”という基準が、曖昧すぎるからだ。
その上、完璧主義的な思考とセットになりやすく、行動を先延ばしにする原因になる。
今回は、「上手くなったらバンド組みたい」と思っている人に向けて、
その思考の落とし穴と、今すぐできる一歩の踏み出し方について解説する。
「上手くなったら〇〇する」は自己完結型の言い訳
ギターを始めたての頃は、何をするにも不安がつきまとう。
コードチェンジもままならない。リズムが走る。音作りもよくわからない。
そんな中で「自分はまだまだ」と感じるのは当然だ。
でも、それを理由にして「上手くなったらやる」と未来に逃げてしまうと、永遠に今の場所から動けない。
これはギターだけに限らない。
「上手くなったら動画投稿したい」
「もっと慣れてから人前で弾きたい」
「完璧な曲ができたら公開したい」──
これらの言葉に共通しているのは、“今の自分ではダメだ”という否定と、“いつか理想の自分になれたら…”という期待だ。
でも、現実はそんな理想の自分にはなかなか辿り着けない。
そもそも“上手い”の基準が明確じゃないから、ゴールも曖昧。
だから、いくら練習しても「まだまだだな…」という感覚から抜け出せない。
結果として、バンドを組むという行動に至らない。
「上手くなってから」ではなく「組んだから上手くなる」
本当に上達したいなら、逆の考え方をした方がいい。
「バンドを組んだから上手くなる」
これは実際にバンドを経験した人なら、口を揃えて言うことだ。
バンドに入ると、強制的に練習の“理由”ができる。
次のスタジオまでに曲を覚えなきゃいけない。
リズム隊と合わせるためにテンポを意識するようになる。
ライブに出るなら、ミスの少ない安定したプレイが求められる。
一人で練習していると、つい自分に甘くなってしまう。
「今日はちょっと疲れてるし、練習サボろうかな…」
「このフレーズ苦手だから後回しにしよう」
そんな日が続いても、誰にも怒られない。
でも、バンドを組むと“相互監視”状態になる。
自分がサボると、他のメンバーにも迷惑がかかる。
だから、いやでも練習するし、やる気も出てくる。
つまり、バンド活動そのものが、最強の練習環境になるというわけだ。
恥ずかしさよりも「やってみたい」を優先しよう
もちろん、最初からうまくいくことなんてほとんどない。
スタジオで音が合わなかったり、自分だけ演奏が止まってしまったり。
そういう“失敗”を繰り返しながら、徐々に成長していくのがバンド活動のリアルだ。
だけど、その過程を楽しめるようになったら、ギターライフは一気に面白くなる。
たとえば、音作りを工夫して「このバッキング、いい感じじゃん」って思える瞬間。
仲間とアイコンタクトでノリを合わせたときの一体感。
スタジオから帰るときの、ちょっと疲れたけど満足感のあるあの感じ──
そういう体験は、ひとり練習だけじゃ得られない。
「バンドやってみたい」は今すぐ発信しよう
「バンド組みたいけど、周りに言える人がいない」
「SNSで発信するのはちょっと気が引ける」
そんな人もいるだろう。
でも、ほんの一言「バンドやってみたいなー」とつぶやくだけでも違う。
意外と周りの知人が「俺もやってみたかったんだよね」と反応してくれることもある。
SNSでも、同じようにメンバー募集してる人はたくさんいる。
重要なのは、**「自分がやってみたいと思ってることを伝えること」**だ。
発信すれば、チャンスは向こうからやってくる。
発信しなければ、誰にも気づかれないまま時間だけが過ぎていく。
レベルは関係ない。とにかく始めよう
「自分のレベルじゃ迷惑かも…」
「足引っ張ったら申し訳ないし…」
そう思っている人ほど、実は歓迎されることが多い。
なぜなら、バンド活動は“完成された人材”を集める場じゃなくて、
一緒に成長する仲間を見つける場だからだ。
ギターが少し弾けるだけでも、リズムキープができるだけでも、
「音楽を一緒にやりたい」という気持ちが伝われば、きっと仲間は見つかる。
完璧じゃなくていい。むしろ完璧じゃない方が、成長の余地がある。
だからこそ、いま「ちょっとやってみたい」と思っているその瞬間が、行動すべきタイミングだ。
まとめ|バンドを始めるのに“資格”はいらない
「上手くなったら〇〇する」は、成長を先延ばしにする罠
バンドを組んだ方が、ギターも圧倒的に上手くなる
発信すれば、仲間もチャンスも自然と集まってくる
失敗してもOK。行動することが何より大事
ギターがうまくなるのを待っていたら、人生の貴重な時間がどんどん過ぎていく。
それなら、少しくらい下手でも、やりたいことに飛び込んだ方が楽しいに決まってる。
バンドを始めるのに、年齢もスキルも関係ない。
必要なのは「やってみたい」という気持ちだけ。