この春からギターを始めたいと思ってる人に聞いて欲しい事。

「春だからギターを始める」そのピュアな熱意は、残念ながら3日で蒸発する。
今あなたに必要なのは「やる気」ではなく、脳をハックする「ずる賢い戦略」だ。
どうも、7丁目ギター教室新潟江南校の吉田です。
新潟の春は、ようやく雪が消えて指先の感覚が戻ってくる、ギタリストにとっての「解凍シーズン」ですが、いかがお過ごしでしょうか。
「今年こそは憧れの曲を弾きたい!」と楽器屋に飛び込むその背中を、私は全力で応援したい。
しかし、冷酷な統計をお伝えすると、ギターを始めた人の約9割が1年以内に「ただのインテリア」にしてしまうという現実があります。
これは根性がないからではありません。楽器の選び方、目標の立て方、そして練習の仕組みが、人間の脳の構造と真っ向から衝突しているからです。
結論から言うと、ギターは「頑張る」のをやめた瞬間に上達が始まります。
根性論を捨て、科学と心理学に基づいた「イージーモード」の設定方法を、今から伝授しましょう。



初心者向けの楽器は「最上級者向け」という衝撃の事実

楽器屋の隅にある「初心者セット15,000円」。
これを手に取ることは、実はゲームを「ベリーハードモード」で始めるのと同義です。
「安い楽器」が挫折を量産するメカニズム
安価な楽器は、製造コストを下げるために細部の調整が省かれています。
その結果、運動生理学的に見て非常に「弾きにくい」状態になっていることが多いのです。
| 要素 | 格安ギターの現実 | 上達への影響 |
| 弦高(弦の高さ) | 異様に高い | 押さえるのに猛烈な握力が必要(指が激痛) |
| フレットの処理 | バリが出ていて痛い | 滑らかなフィンガリングを阻害する |
| チューニング | すぐにズレる | 脳が「正しい音」を学習できず、音感が育たない |
初心者は「何が弾きにくいのか」を判断できません。
そのため、ギターが鳴らない理由を「自分の才能のなさ」と誤認してしまいます。
これは心理学でいう「学習性無力感」を招く、最も危険なパターンです。
もし予算が許すなら、最初から5万円〜10万円前後の「しっかり調整された楽器」を選んでください。
それは見栄ではなく、挫折を防ぐための「保険」です。
https://gainfomation.net/high-class-guitar/
期待値をゴミ箱へ。「100点中30点」で大金星を狙え

真面目な人ほど「完璧に弾かなければならない」という呪縛に囚われます。
しかし、脳科学的に見れば、完璧主義は学習効率を著しく下げます。
脳をフリーズさせない「30点合格」の精神
新しいスキルを習得する際、脳は膨大な情報を処理しています。
最初から「リズム、音程、強弱」をすべて完璧にしようとすると、脳のワーキングメモリがオーバーフローし、不快感(=つらい、やめたい)が生じます。
イントロだけ、サビだけでOK: フルコーラス弾く必要はありません。
音がビビっても気にしない: まずは「止まらずに最後まで行く」体験を脳に与えてください。
テンポは半分で十分: 速さは後からついてきます。
脳が「できた!」と判断するハードルを極限まで下げることで、ドーパミンが放出され、次の練習へのモチベーションが維持されます。
30点の演奏ができたら、自分を「スーパーギタリスト」だと褒め称えてください。
https://gainfomation.net/inst-very-hard/


根性に頼らない「3分間の作業興奮」活用法

「今日は疲れたから練習はやめよう」――この思考を「根性」で跳ね返すのは不可能です。
人間の意志の力は、雪かきをした後の腰の痛みより脆いものです。
側坐核を騙して「やる気」を引き出す
やる気は「待っていても来ない」のが脳の仕組みです。脳の側坐核(そくざかく)という部位は、「実際に行動を始める」ことで刺激され、やる気物質(ドーパミン)を出し始めます。
これを心理学で「作業興奮」と呼びます。
ハードルを地面に埋める: 目標を「1日1時間」ではなく「1日3分ギターを持つ」に設定します。
ハビット・スタッキング: 「歯を磨いた後」「お風呂が沸くまでの間」など、既存の習慣にギターをくっつけます。
出しっぱなし戦略: ケースにしまうのは厳禁です。ギタースタンドに立て、視界の2メートル以内に配置してください。
「3分だけ触る」と決めてギターを手に取れば、気づいた時には30分経っているものです。もし3分でやめても、その日は「目標達成」として脳に成功体験を刻んでください。
https://gainfomation.net/5habit/
面白くない練習は脳をフリーズさせる

教則本の1ページ目にある「ドレミの練習」や「クロマチック運指」。
これを楽しいと感じる人は、よほどの変態かプロ志向の持ち主です。
感情が動くとき、記憶は定着する
脳は「楽しい」「好き」と感じている時に学習効率が最大化されます。逆に「やらなければならない」という義務感は、ストレスホルモンを分泌させ、脳の学習機能を低下させます。
基礎練習は「飽きたら即中止」: つまらない練習を無理に続けると、脳が「ギター=苦痛」というリンクを貼ってしまいます。
好きな曲の一部だけを弾く: スピッツのあのイントロ、B’zのあのワンフレーズ。それだけでいいんです。
SNSで「成長の過程」を晒す: 下手な自分をアップするのは恥ずかしいかもしれませんが、誰かの「いいね」は強力な外部燃料(承認欲求)になります。
ギターは「苦行」ではなく「娯楽」です。新潟の長い夜を楽しく過ごすためのツールだということを忘れないでください。
https://gainfomation.net/guitar-practice-fun-importance/


よくある質問
Q. 毎日練習しないと上手くなりませんか?
A. 脳の可塑性を考えると、週に1回3時間やるよりも、毎日5分やる方が圧倒的に定着します。
脳に「ギターは生活に必要なものだ」と勘違いさせることが上達の近道です。
Q. 指が短くてコードが押さえられません。才能がないのでしょうか?
A. 手の大きさはほぼ関係ありません。
それは「指の柔軟性」と「関節の使い方」の問題です。正しいフォームを学べば、小さな子供でも速弾きができるようになります。まずは「握り方」を見直しましょう。
Q. どの曲から練習すればいいか分かりません。
A. 「自分が最もテンションが上がる曲」のサビ一節です。
難易度は二の次。好きな曲なら、脳は勝手に攻略法を探し始めます。
まとめ
ギターを一生の趣味にするためのポイントは以下の3点です。
「自分を責めない環境」を作る: 弾きやすい楽器を選び、ケースから出しておく。
「目標を地面まで下げる」: 1日3分、30点の演奏で自分を褒める。
「少年性を忘れない」: つまらない基礎練より、好きな曲のリフを優先する。
今すぐギターをケースから出し、一番目立つ場所に置いてください。そして、弦をジャラーンと一度だけ鳴らして、「俺(私)、今日もギターやったわ」と独り言を言ってください。
あなたのギターライフが、この春から鮮やかに彩られることを願っています!
おまけ








