クリーンブースター徹底解説|繋ぎ方で音が化ける“エフェクター界の万能調味料”

歪みペダル探しは、自分探しの旅に似ている。
どうも、7丁目ギター教室新潟江南校の吉田です。
ギターを弾いていると、「あと少し音が前に出たらなあ」「もうちょっと音を太くしたいなあ」と感じることがあるでしょう。
アンプのEQや歪みペダルの設定をいじっても、なかなか思うような結果が得られず、機材沼で溺れそうになることもあるはず。
そんな「もう一歩先の音圧と艶(つや)が欲しい」という、ギタリストの永遠の悩みを解決してくれるのが『クリーンブースター』です。
「音量を上げるだけ」なんて思っているなら大間違い。このペダルは、接続位置一つで音のキャラクターをガラリと変える、エフェクター界の万能調味料なんです。
結論から言うと、クリーンブースターは「音の土台」を整え、他のペダルの実力を底上げする裏切らない名脇役だ。特に歪みペダルの前後に置いて、その真価を発揮するんですよ。



🧐 クリーンブースターとは?「音量」と「音質」を底上げする機能
クリーンブースター(Clean Booster)の役割は非常にシンプル。それは『ギターの音を歪ませることなく、原音に忠実なまま音量を引き上げる』ことです。
しかし、この「音量を上げる」という行為が、回路を通過することで「音質を良くする」という魔法(工学)を生み出すんです。
1. バッファー効果による音質の「鮮明化」
シールドケーブルが長かったり、ボード内に多数のエフェクターを直列で繋いでいる場合、音の信号が弱くなる「音痩せ」という現象が起きやすいです。
クリーンブースターをボードの先頭(ギター直後)に置くことで、バッファーとして機能し、信号の劣化を防いでくれます。
これにより、ギター本来の音質や鮮明さを保てるようになります。特にヴィンテージギターやパッシブピックアップを使っている人には効果絶大ですよ。
2. サチュレーションの付与による音の「艶(つや)」
ブースターのゲインを上げると、単に音量が大きくなるだけでなく、プリアンプ的な役割を果たします。
これは、アナログ回路を通すことで「サチュレーション(倍音)」が付与されるためです。音は歪んでいないのに、太く、艶(つや)やかで、聴感上の音圧が上がったように聞こえるのがこのペダルの真骨頂。EP Boosterが「繋ぐだけで音が良くなる」と評される理由もここにあります。
⚡️ 接続位置でキャラが変わる「万能調味料」のロジック
クリーンブースターの最も面白い点は、「どこに繋ぐか」でその役割がガラリと変わるところです。
まるで料理の途中で入れる「塩」と「だし」のように、信号のどのタイミングでブーストするかで、後段の機材との化学反応が変化するんですね。
| 繋ぐ位置 | 役割 | 音の変化(効果) |
| ギター直後 | バッファー/トーンシェイパー | 音痩せ防止・音質クリア・艶の付与 |
| 歪みペダルの前 | ゲインブースター | 歪み量が増加、音が太く、サステインが伸びる |
| 歪みペダルの後 | ソロブースター | 音色をほぼ変えず、音量だけをクリーンにアップ |
| アンプのセンドリターン | ラインブースター/ポストEQ | アンプのキャラクターを活かした音量・音圧の最終調整 9
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1. 歪みペダル前:ゲインブースターとしての「火入れ」
歪みペダルやアンプの前にクリーンブースターを置くと、後段のゲイン回路に突っ込む信号レベルが強くなります。
これにより、歪みエフェクターやアンプがより強く飽和(サチュレーション)し、歪み量が増え、音が太く、サステインが格段に向上します。
TS808などのオーバードライブをブースターとして使うのも、同じロジックでミッドレンジを強調してゲインを押し上げるためです。
2. 歪みペダル後:ソロブースターとしての「存在感」
歪みペダルの後ろに繋いだ場合は、歪みの音色はそのままに、純粋に音量だけを上げるソロブースターとして機能します。
リードプレイで「バンドアンサンブルの中で埋もれず、聴き手にフレーズを届けたい」という場合に最適です。
ただし、アンプ自体がハイゲイン設定になっている場合は、音量ではなくゲインがさらに増幅されて音が潰れてしまう可能性があるため、アンプ側はクリーン~クランチ設定にしておくのが理想です。


🛠️ 定番モデルの選択基準:EP vs RCの「限定性」と「自由度」
ブースターカテゴリの定番といえば、XoticのEP BoosterとRC Boosterが筆頭です。
両者は同じメーカーながら、その設計思想と使い勝手には明確な違いがあります。
EP Booster:限定性による「決定回避の法則」へのアンサー
EP Boosterの最大の魅力は、ノブがひとつしかないという極端なシンプルさです。
これは心理学でいう「決定回避の法則(選択のパラドックス)」へのアンサーだと私は考えています。
ツマミが多すぎると「どの設定が正解か」で迷い、音作りが止まってしまう。
しかしEP Boosterは「回すのは1つだけ」という限定性により、迷う時間をなくし、演奏に集中させてくれるのです。
| モデル | ツマミ構成 | サウンドの傾向 |
| EP Booster | Volume (1ノブ) | 甘く、マイルドで太い。テープエコーのプリアンプ部の艶をシミュレート。
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| RC Booster | Volume, Gain, Treble, Bass | ナチュラルで、EQ調整の自由度が高い。ゲインが2系統で切り替え可能。
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RC Booster:自由度による「音作りの深掘り」
RC Boosterは、VolumeとGainに加え、TrebleとBassの2バンドEQを搭載している点が特徴です。
EQで帯域を微調整できるため、アンプやギターとの相性を細かく追い込みたい中級者以上のプレイヤーに向いています。
さらに、RC Boosterにはゲインが2系統あり、フットスイッチで切り替えられるため、「常時ONのバッファー兼プリアンプ」と「ソロ用のブースト」を1台で完結できる柔軟性があります。
現行モデル RC Booster V2
RC Booster V2は、初代のRC Boosterが持つナチュラルなトーンとEQの柔軟性を維持しつつ、独立したブースト回路を追加した進化系モデルです。
初代RC Boosterは、ナチュラルなブースターとして優れていましたが、ソロなどでさらに音量を持ち上げたい場合、別のブースターが必要になるという課題がありました。
V2では、この課題を解決するために「Boost」スイッチが追加されています。
| 特徴 | RC Booster V2 |
| コンセプト | オーバードライブ(プリアンプ)と独立ブースターの2in1
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| Boostスイッチ | 独立スイッチで、AC Boosterの音をさらにブーストできる。
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| EQ | TrebleとBassの2バンドアクティブEQを搭載。
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| Gain | 2系統あり、フットスイッチで切り替え可能。
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| 電源 | 18V駆動に対応(よりレンジが広く、クリアな立体感のあるサウンドに)。
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このV2の登場により、RC Boosterは「音作りをコントロールしたい」プレイヤーにとって、さらに強力な選択肢となりました。
初代RC Boosterとの違いとV2のメリット
初代RC BoosterはEQの自由度が高く、ナチュラルなブーストとして定評がありました。しかし、V2はそれを土台に、以下のような実戦的な進化を遂げています。
2in1の利便性:1台で「常時ONのプリアンプ的ブースト」と「ソロ用のブースト」の2つの役割を完結。ボードの省スペース化に大きく貢献します。
Boostスイッチの挙動:Boostスイッチは本体がONの時にのみ有効になる設計で、あくまで「作った音をもう一段階持ち上げる」というソロ用途に特化した設計です。
サウンドの進化:旧型よりもゲイン量が増し、歪みの「粘り」と「押し出し」が強化されており、ブルース~フュージョン系に理想的な太いクランチトーンを作れます。
EQによる音質補正と、ブースターとしての確実な音量アップを両立させたRC Booster V2は、まさに現代のギタリストが求める「抜け目のない」実力派ブースターと言えるでしょう。
🤯 ブースターを使うことの心理的メリット
クリーンブースターは、音色自体を派手に変えるわけではありません。しかし、その心理的な恩恵は計り知れないものがあります。
1. 弾き心地が良くなる「心理的サステイン」
ブースターでサチュレーションが加わり、音が太く伸びるようになると、ピッキングに対する反応が良くなり、演奏が非常に気持ちよく感じられます。
この「弾いていて気持ちいい」という感覚は、練習のモチベーションを維持する最大の要因です。
「音が良くなったことで、もっと練習したい」というポジティブな循環が生まれるんです。
2. 「プラシーボ効果」を超えた確かな補正力
EP BoosterをONにした瞬間、「あれ、音が良くなった」と感じるのは、単なるプラシーボ効果だけではありません。倍音の付与と音痩せの防止という、明確な工学的補正が働いているからです。
特に常時ONで使っていると、OFFにした瞬間に「音がペラペラになった」と感じ、ブースターがないとギターが弾けない体になってしまう…。
これはブースターが、あなたのサウンドの「基準点」になっている証拠ですね。



🙋♂️ よくある質問:ブースター選びの最終確認
| 質問(あなたはA派?B派?) | A派の意見 | B派の意見 |
| 歪み前?歪み後? | 歪み前:歪み量がアップするゲインブースターとして使うべき。TS系ODでブーストすると艶のある中域が加わる。 | 歪み後:音色を変えず音量だけを上げ、リードで抜けの良い音を作るのが正義。アンプのセンドリターン利用もアリ。 |
| EP派?RC派? | EP Booster派:ノブは1つでいい。迷わないのが良い。エコープレックスの艶がクセになる。 | RC Booster派:EQと2系統のGainで音作りをコントロールしたい。特にシングルコイルの細さを補正できるのが強い。 |
| 常時ON?ソロON? | 常時ON:バッファーとして音を整え、プリアンプ的な倍音を常に加えておく。OFFにすると音が物足りなくなる。 | ソロON:歪みペダルの後ろで使い、楽曲のハイライトで音圧をグッと前に出す。メリハリが大事。 |
✅ まとめ:クリーンブースターは「音作りの職人」
クリーンブースターは、ギターの音を派手に変えるわけではない。しかし、その繋ぎ方と使い方次第で、あなたのサウンド全体を一段上のクオリティへと引き上げてくれる「音作りの職人」のような存在です。
接続位置が役割を決める:歪みペダルの前ならゲイン増幅、後ならクリーンな音量アップ、ギター直後なら音痩せ防止(バッファー)と艶の付与。
心理的・工学的メリット:サチュレーションによる音の艶と太さ、バッファーによる音質劣化の防止という、確かな効果がある。
定番モデル:EP Boosterはシンプルさによる演奏への集中力向上、RC BoosterはEQによる細かな音作りの自由度という、それぞれの強みがある。
この「万能調味料」をボードに加えることで、きっとあなたのギターライフはもっと楽しく、豊かになるはずです。
ぜひ一度、お気に入りの歪みペダルの前後にクリーンブースターを繋いで、その「あと一歩」のサウンドを体感してみてください。
あなたのギターライフが、さらに豊かで艶やかなものになりますように








