楽器破壊はアリ?ナシ?そもそも破壊行為はエンタメなのか考えてみた。

broken guitar 楽器コラム

度々取り糺される楽器破壊という表現

また新たにTwitterで炎上した破壊動画を受けて
今回は破壊という表現の是非と共に
色んな破壊表現について考えてみた。

問題のツイート

ギターをステージに振り下ろすところから始まり
座り込んでギターを掻き鳴らし
背中ギター、歯ギターなどそれっぽい事をしつつ
ヘッドをバスドラに突き刺す
エフェクターのツマミを操作
しばらくそれっぽい事をして終わるというもの。
https://twitter.com/papyrustakuya/status/1457559374755368965?s=20

ライブで楽器破壊ってあり?なし?

broken guitar
筆者的にはエンタメとして成立するならアリ
って考え。

楽器破壊してもみんなが楽しんでくれるんならやっても良いんじゃない?って感じ

でも現実的に楽器破壊を楽しめる様なコンテンツにするのって至難の業だと思う。

今回の件でいうと
会場の床とドラムにダメージを与えてしまった以上被害者が出てしまっているわけだから
これはエンターテイメントというか事件にもなり得る事例

例えば
会場は自分の所有地もしくは自費で組んだステージセット
ドラムも自分、もしくはバンド所有で
破壊する事も全部台本通りで
っていうなら被害者も出さないから最低限良いと思う。

その上でその破壊も含めてエンタメとして楽しんでもらえますか?って話。

正直今回炎上した動画に至っては
背中ギター、歯ギター、ギター破壊とか全部ジミヘンで体験済みだし
あれを自分の表現だと思ってるならクリエイティビティが欠如しているなーと言わざるを得ない。

被害者はもちろん出ない方向で
もっとクリエイティブなステージングが出来れば良いと思う。

とは言いつつ塀にスプレーで絵を描くグラフィックアートという表現が被害者を出しつつも成立してしまっている事もまた考えなくてはならないのかなーとも思う。

表現というのは常に危うさと共にある。

ここからは破壊という行為自体は表現として成立しているのか考えてみたい。

破壊という表現

Blaker

破壊を伴うエンタメって実は結構あって

例えばアクション映画

価格で言えばギターなんてレベルじゃない
映画の世界では車や建物を破壊する演出ってかなりメジャーな表現

アートの世界でも
オークションに出品されたバンクシーの絵が落札された瞬間にシュレッドされるなんて事があった。

破壊する事によって迫力のある映像を作ったり
強烈なメッセージを残す事が出来たりする。

しかしこの様な物体を破壊する表現を
音楽という分野でやろうとするととんでもなく予算がかかったり配慮すべき問題も多いため
実現はかなり難しい。

B’zクラスならセットに吊り下げた車を落として破壊なんて事が出来るけどそんなアーティストは国内でもほんの一握りだ。

物体以外を破壊する表現

broken price
では、破壊する対象が物体以外であればどうだろうか。

表現とは少し違うが
作画崩壊という分野のエンタメもある。

アニメ制作会社の予算、制作時間、人手等あらゆるものが不足した時に発生する手抜き画の乱れの事である。

作画崩壊と検索すると各社の企業努力を感じる画像がわんさか出てくる。
なかなか面白い。

作画崩壊とまた少し違うものでは
週刊連載のマンガ等締切に間に合わずにラフ画の状態で本誌に掲載される場合がある。

普通ならガッカリされてもおかしくないが
ラフ画掲載されるだけでも爆発的に盛り上がるマンガが存在する。

そう、HUNTER×HUNTERだ

HUNTER×HUNTERだけは未完成の状態でも本誌掲載を皆が熱望するという異常事態となっている。
ただこの場合は人気が過ぎるために起きた現象なのでトップ中のトップ以外は絶対にやれない手法でもある。
正直参考にならない。

音楽という分野で可能な物体以外を破壊する表現といえば
原曲破壊というものがある。

要するにかなり凝ったcoverというやつで

・原曲が分からなくなる位過激なアレンジを加えるまさに原曲破壊型

・圧倒的な演奏テクニックを用いたアレンジを加える神々の遊び型

の2種類が多いイメージだ。

筆者のおすすめはRichard Cheeseがcoverした
SLIPKNOTのPeaple=Shitだ。

重厚なヘヴィメタルを軽やかでムーディなジャズに仕上げているので原曲が苦手な方に特にオススメ

近年のアルバムではBTSのdynamiteや
Billy Eilishのbad guyなんかもカバーしている。

こちらの原曲破壊っぷりも見事なものなので是非参考にして欲しい。

まとめ

今回は楽器を破壊する表現の是非と共に色んな破壊表現を考えてみた。

楽器破壊自体はエンタメとして成立すればOKなのかなーと思いつつも
それを見て気分を害するオーディエンスも居るという事もしっかり考えたほうが良さそうだ。

あと絶対に他人の所有物を故意に傷つけてはいけない。

物体以外を破壊する表現もまだまだ沢山あると思う。

破壊というカテゴリー内でもクリエイティブな事に溢れているし
それだけ音楽やアート、表現には色んな可能性がある。

ボブマーリーのように音楽で内戦を終わらせる事だって出来る。

彼の行ったような平和な破壊表現が広まってくれる事を祈る。

プロフィール


吉田寛定
中学時代は吹奏楽に打ち込み14歳でギターに目覚め、高校入学後はバンド活動に明け暮れる。その後音楽の専門学校を卒業。アイドルのバックバンド、レコーディングに参加。商店経営、楽器店勤務、ギターインストラクターを経験。趣味は読書と格闘技観戦。

プロフィール
吉田寛定 中学時代は吹奏楽に打ち込み14歳でギターに目覚め、高校入学後はバンド活動に明け暮れる。その後音楽の専門学校を卒業。アイドルのバックバンド、レコーディングに参加。商店経営、楽器店勤務、ギターインストラクターを経験。趣味は読書と格闘技観戦。
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