#や♭の数でキーが一瞬でわかる!五線譜アレルギーなギタリストのための調号判別法

五線譜に目を向けるとTAB譜の解像度が上がる。
どうも、7丁目ギター教室新潟江南校の講師、吉田です。
さて、ギター中級者への入り口で多くの人が足踏みをするのが「音楽理論」、特に五線譜の左側にト音記号と共に書いてある「#(シャープ)」や「♭(フラット)」の存在です。
これは調号と言い、その曲のキー(調)を示す非常に重要なサインなのですが……
「いちいち数えるのが面倒」「丸暗記なんて無理」と避けて通りたくなる気持ち、よく分かります。
私も昔は「TAB譜さえあれば生きていける」と信じていましたから。
しかし、結論から言うと、調号の読み方は「丸暗記」ではなく「プチ暗記+指板の公式」で解決できます。
これがわかれば、曲のキーが瞬時に判明し、使うべきスケールが勝手に決まります。
もう簡単な曲であれば、音楽の地図を失くして迷子になることはありません。



調号は「曲のルール」を教えてくれる審判である

五線譜の左側に並ぶ#や♭。
これらを「個別の音に付ける印」だと思っていませんか?
実はそれ以上に重要なのが、「この曲は、このキー(調)で進みますよ」というルール宣言だということです。
スポーツに例えるなら、調号は「試合のルール」を決める審判のようなものです。
「今日はバスケットボールのルール(キーC)でやります」と言われれば、ドリブルやシュートの仕方が決まりますよね。
もし「今日はサッカーのルール(キーG)」に変われば、手を使うことは原則禁止され、足での操作が基本になります。
音楽もこれと同じ。調号を読み解いてキーを判別する=その曲で「使いやすい音」と「役割」のルールを知るということなのです。
このルールさえわかれば、次に弾くべきコードやスケールを予測できるようになり、結果として「耳コピ」や「アドリブ」の精度が爆上がりします。
ギタリストが暗記すべきキーは「3つ」だけでいい

音楽理論の教科書を開くと、「五度圏(サークル・オブ・フィフス)」という時計のような図が出てきて、「全・全・半……」という呪文を唱えさせられます。
もちろん学問としては正解ですが、アカデミックな深掘りは学者先生にお任せして、僕らギタリストは「美味しいところ」だけを最速で摘まみ食いしてしまいましょう。
まず、基準となる「ゼロの状態」と「最初の一歩」の3つだけを頭に叩き込んでください。ここがすべてのスタート地点です。
暗記するキー3つ
- 何も付いていない:キーは「C」(ハ長調)

- #(シャープ)が1つ:キーは「G」(ト長調)

- ♭(フラット)が1つ:キーは「F」(ヘ長調)

これを覚えたら、あとは後述の公式に則って計算するだけ。
驚くほどシンプルに答えが出ます。
#と♭の「2個ルール」でキーを特定する
五線譜の記号が増えるとき、ギターの指板の上では非常に規則的な動きをしています。小難しい計算は一切不要です。
#が2個増える=キーが「1音(2フレット)」上がる
#が1つのときは「G」でしたね。ここから#がさらに増えるときの公式はこうです。
「#が2個増えるごとに、キーは1音(2フレット分)上がる」
- #1個:キー G
- #3個(2個増加):キー A
- #5個(さらに2個増加):キー B

また、#が偶数のときは「何も付いていないC」を基準にすると分かりやすいでしょう。 「#が4個なら、Cから2音上がるから……C→D→E、つまりキーはEだ!」という具合に、瞬時に割り出せるようになります。

♭が2個増える=キーが「1音(2フレット)」下がる
♭が1つのときは「F」でした。♭が増えるときは逆方向に動きます。
「♭が2個増えるごとに、キーは1音(2フレット分)下がる」
- ♭1個:キー F
- ♭3個(2個増加):キー Eb (Eフラット)
- ♭5個(さらに2個増加):キー Db (Dフラット)

♭が偶数のときは「C」を基準にしましょう。 「♭が4個なら、Cから2音下がるから……C→B♭→A♭、つまりキーはA♭だ!」という具合に、瞬時に割り出せるようになります。

【補足】#と♭が付く順番の法則
ちなみに、記号が付く場所にも順番があります。
- #の順番:F、C、G、D、A、E、B(ファ・ド・ソ・レ・ア・ミ・シ)

- ♭の順番:B、E、A、D、G、C、F(#の逆順)

これを知っておくと「#が3つのときはファ、ド、ソの音が半音上がるんだな」と詳細まで把握できますが、まずはキーを割り出すことが優先。
この順番は「いつか役に立つ雑学」程度に捉えておいてOKです。
「リテラシー」が耳コピとアドリブの扉を開ける

「キーがわかって何が嬉しいの?」と思うかもしれません。しかし、キー(調号)を読み取る力は、単なる知識ではなく「演奏の解像度を上げるスキル」です。
耳コピの「初動コスト」を削減
キーが判明すれば、その曲で使われる「音階(スケール)」や「コード」の目星を付ける事が出来ます。
例えばキーがGなら、GのメジャースケールやEマイナースケールが使われるでしょうし、コードもG、C、D、Emあたりが頻出してくるという事が予想できます。
※この辺りの初歩的なコード理論に関しても追々別記事で解説していきますのでしばしcoming soonってことで。
「なにも手掛かりがない」という状態から、「このキーならこのスケールやコードが使われる」という絞り込みができるようになる。
これは「真っ暗な森を歩く」のと「街灯がある道を歩く」くらいの違いがあります。
TAB譜の向こう側にある「意図」が見える
TAB譜の数字を追うだけのコピーでは、どの部分が曲の旨みなのかを汲み取ることは困難です。
しかし調号を意識すると、「あ、ここはキーから外れた音が使われている。だからエモく聴こえるのか!」という、作曲者の意図(音楽的な企み)が見えてきます。
この視点を持つことで、あなたのギターはただの「再現」から、血の通った「表現」へと進化するのです。
まとめ
今回の内容を整理しましょう。
- 基準の3つを覚える: 記号なし=C、#1つ=G、♭1つ=F。
- 2個ルールで特定:#が2個増えるごとに1音上がり、♭が2個増えるごとに1音下がる
- #と♭の順番: F・C・G・D・A・E・B(♭は逆順)。
- 調号は「コンパス」: 自分の立ち位置を知れば、耳コピもアドリブも劇的に楽になる。
音楽理論は、あなたを縛る「ルール」ではなく、あなたが音楽の海で迷子にならないための「コンパス」です。
五線譜の左端。そこにある#や♭に少しだけ目を向けてみてください。
その小さな記号たちが、あなたの視界を広げてくれるはずです。
あなたの音楽ライフが、より自由でクリエイティブなものになりますように!





