ギターx心と身体

ギターを続けられないのは“やる気”のせいじゃない|マタリング理論から考える音楽との向き合い方

【あれ?ギターってこんなに孤独だったっけ?】

ギターを趣味で始めて、最初は楽しかったはずなのに――
ある日ふと、こう思ったことはないだろうか。

「なんか、誰も見てくれてないな」
「これ、上達しても誰にも気づかれないんじゃ…」
「そもそも、誰かに必要とされてるんだろうか」

これは、あなただけの悩みじゃない。
実はこう感じてしまう背景には、心理学的にもとても重要な「心の仕組み」が関係している。

そのキーワードが──マタリング(Mattering)だ。

マタリングとは何か?

マタリングは、英語で「重要であること」を意味する言葉。
心理学では「自分が誰かにとって大事な存在だと感じられること」を意味する。

たとえば、こんな状態だ。

  • 誰かが「大丈夫?」と気にかけてくれる

  • 困ったときに「ちょっと相談してもいい?」と声をかけてもらえる

  • 自分の存在が、その場の空気を少しでも変えている気がする

逆に言えば、「いてもいなくても同じ」と感じてしまう状態は、マタリングが不足している状態だ。

これ、実は大人でも子どもでも心にダメージを受ける原因になる。

マタリングがあると、人生がうまく回り出す

カナダの心理学者ゴードン・フレッチャー氏の研究によると、マタリングが強い人には次のような傾向があるという。

  • 仕事や人間関係で悩んでも立ち直りやすい

  • 心が折れにくく、うつ病になりにくい

  • 体の免疫力も高まり、病気からの回復が早い

  • 日々の生活に「意味」を感じやすい

  • 自分を大事にできるから、他人のことも大切にできる

つまりマタリングは、心と体の両方を支える“土台”みたいなものだ。

ところが、ギターのように“1人でやる趣味”は、ここが満たされにくい。

↓マタリングの強度を測るテストも用意したので気になる方は是非。

マタリング・テストまったく当てはまらない=1点 当てはまらない=2点 どちらでもない=3点 当てはまる=4点 大きく当てはまる=5点 ...

ギターの練習が「虚しく」感じてしまう理由

社会人がギターを趣味で始めると、最初のうちは毎日が新鮮だ。

コードを押さえるだけで「おぉ!」
初めてのリフを弾けた時は「おれ、天才かも…」

でも、しばらくするとこうなる。

  • 誰にも聞かせる予定がない

  • 弾いても評価されない

  • モチベーションがなくなる

これは単に「飽きた」とか「サボり癖がある」からじゃない。
「この時間に意味があるのか?」という疑問が、あなたの心のどこかに生まれたからだ。

ギターを続けるための“燃料”

この疑問に答えるカギが、マタリング。

ギターの上達において、次のような経験は“やる気の燃料”になる。

  • 演奏動画に「いいね」がついた

  • コメントで「自分も同じとこ練習してます!」と共感された

  • 「それ何の機材使ってますか?」と聞かれた

このとき、あなたの中でマタリングの三要素が揃う。

マタリングの要素ギター趣味での例
認知されている感覚(=見てもらってる)投稿に反応がある、名前を覚えてもらう
重要とされている感覚(=気にかけてもらえる)誰かが自分の進捗を楽しみにしてくれる
信頼されている感覚(=頼ってもらえる)練習方法を聞かれたり、質問されたり

つまり「ギターがうまいから評価される」のではなく、
「誰かと関わっているから上達しやすくなる」のだ。

“続けられる環境”は自分で作れる

ここで大事なのは、「評価される環境を待つ」のではなく──
自分で“マタリングが得られる場所”を作るという視点

たとえば:

  • SNSで「ギター◯日目」と投稿する

  • 練習の悩みをつぶやく(「Fコードだけ全然鳴らん」など)

  • ギター関連のコミュニティやグループに参加する

  • ライブハウスでオープンマイクに出てみる

これ、どれも「上手じゃなくてもOK」。
むしろ「うまくいってない時期」こそ、周りから共感されやすい。

他人にとっては、“あなたのつまずき”が価値になるからだ。

「誰かの役に立っている」実感】

ある投稿者は、こんな経験をしていた。

ずっと自分の練習風景をSNSにアップしてたけど、
正直ほとんど再生もされなかった。

でもある日、同じようにギター始めたばかりの人から
「その練習動画、めっちゃ参考になります」
ってDMが来たんですよ。

それだけで、ギターやっててよかったなって思えた。

この「あなたの存在が、誰かの支えになる」という瞬間。
それが、最高レベルのマタリング感覚

誰かの練習のモチベーションになることが、自分のモチベーションになる。
だから趣味でも、仕事でも、「誰かの中に存在している」ことが重要なのだ。

ギターと長く付き合う人は、こう考えている

  • 「下手でも発信していい」

  • 「人に見られている方が上達しやすい」

  • 「ギターが続く人は、ギターを通じて誰かとつながっている人」

逆に「1人でストイックに完璧を目指す」人ほど、途中で疲れてしまう。
なぜなら、マタリングが得られないからだ。

だれかがあなたを必要としている

  • ギターが続かないのは、あなたに“やる気”がないからではない

  • 「自分は必要とされているか?」という感覚(マタリング)が足りなかっただけ

  • ギターは、自分の存在を他人とつなげることができる趣味

  • SNS投稿、オンラインセッション、質問、失敗談──どんな形でもいい

  • あなたの存在が、誰かのモチベーションになっている

ギターは、1人で弾く時間が多いけれど、1人で完結する趣味じゃない
その音に「誰かが反応してくれる世界」に、一歩踏み出してみてほしい。

そして気づいたら、あなたはもう「誰かに必要とされるギタリスト」になっている。

✔ ポイントだけ振り返りたい人のための要約

ポイント内容
マタリングとは?自分が誰かにとって「大事な存在だ」と感じること
ギターとの関係孤独な趣味になりやすいが、SNSや人との関わりでマタリングを得られる
なぜ大事?精神的な安定や、上達継続に直結する
実践方法投稿、共感、助け合い。小さな交流が続ける力になる
ABOUT ME
吉田寛定
新潟市在住のギターインストラクター。 趣味ギタリストに向けた“ちょうどいい温度感”の発信を心がけています。 新潟市江南区のギター教室|7丁目ギター教室にて無料体験レッスン受付中。亀田・横越エリアの方はぜひどうぞ。