- 2025年8月9日、BOSSから新たに登場するコンパクトペダル『RT-2』。
ロータリー・スピーカーの揺らぎと空間的な広がりを、ギタリストの足元に凝縮した本機は、かつてツインペダルシリーズにラインナップされていた「RT-20」の魂を引き継ぎつつ、現代的にアップデートされた存在だ。
ロータリー・エフェクトを手のひらサイズに
──『RT-2』の概要
品名/品番:ロータリー・アンサンブル/『RT-2』
ブランド:BOSS(ボス)
価格:オープン価格
発売日:2025年8月9日(土)
今回の『RT-2』は、「ヴィンテージ・ロータリーの音をどう使うか?」という問いに、現場レベルの答えを提示している。
コンパクトな筐体に、3種類のロータリー・モデリングを内蔵。
定番の“温かみ系”から、歪みとの相性を意識した“音抜け重視系”、さらには深い歪みと強烈な揺れが得られる“攻めのサウンド”まで、幅広く対応する。
3タイプのロータリー・モデリング
MODE I:ヴィンテージロータリーそのもの。立体的な揺らぎと温かいトーンで、往年のオルガンサウンドを彷彿とさせる。
MODE II:明るくワイドレンジ。歪みペダルと併用しても埋もれず、アンサンブル内でも存在感を維持。
MODE III:より激しく、より現代的。ドライブの可変幅が拡大され、ディストーションのような主張を持った揺れを演出可能。
ロータリースピーカーの核となる「回転スピードの切り替え」も、ペダルでの操作に対応。
中央のバーチャル・ロータリー・ディスプレイでは視覚的にも回転スピードを確認でき、RISE/FALL TIMEスイッチで加減速のスピードも選択できる。
飽和感のあるドライブと柔軟なコントロール性
ドライブ回路も抜かりない。真空管アンプ的なサチュレーションを再現したDRIVEノブで、ロータリー特有の粘りと歪みを得ることができる。
リアのBALANCEスイッチを使えば、トレブル/ベース側のローターの音量バランス調整も可能。
また、柔軟なリアルタイムコントロールも特長で、本体スイッチのモード切り替えに加え、外部スイッチやエクスプレッションペダルによって、「BRAKE(停止)」操作や任意のパラメータ制御も実現する。
スペック
サイズ:73(W)×129(D)×59(H) mm
重量:450g(電池含む)
筆者のインプレッション:BOSSのヴィンテージ回帰に思うこと
正直に言えば、最初に『RT-2』の情報を見たとき、「あれ?RT-20の再構築か?」という印象だった。
とはいえ、今のペダルボード事情を考えれば、このサイズでこの完成度はまぁわるくないかも。
しかも最近、ファズ、テープエコー、スプリングリバーブといったヴィンテージ系のエフェクトが再評価されている流れもあるし、そういう文脈にちゃんとフィットしているのが好印象。
外付けスイッチやエクスプレッションを繋げばかなり遊べそうだし、ファズとの組み合わせでうねるリードを作るのも面白そう。
MODE IIIは、完全に現代向けの攻めたセッティングで、単なる「懐古」では終わらせていないところも評価できる。
ただ一方で、最近のBOSSは「既存ジャンルの再提案」ばかりで、もう少し“誰も聴いたことのないサウンド”にチャレンジしてほしい気持ちもある。
RT-2は確かに面白くはあるけど、「BOSSだからこそ出せた変態的な新提案」みたいなギラつきはない。
我々はテラエコーやマルチオーバートーンを忘れてないぞ!
今後に期待したいところ。
総評
『RT-2』は、BOSSの技術力と現代的なニーズがバランスよく融合した1台。
ヴィンテージ・サウンドへの興味と実用性の両方を求めるプレイヤーにとって、まさに“ちょうどいいロータリーペダル”だ。
しかし、次はぜひ“BOSSにしか作れない音”でギタリストを驚かせてほしい。
BOSSよ、そろそろ次の一手を──。