ギターを続けていると、誰もが一度は悩む。
「ギターの良い音」って、結局どんな音なんだろう?
エフェクターやアンプを買い揃えたり、セッティングを変えたりしながら、
ギター 良い音を求めて試行錯誤する日々。
でも、追い求めるほどに、何が正解なのか見えなくなることがある。
そんなときこそ、立ち返りたい考え方がある。
それは、楽器そのものが持つ普遍的な音を大切にすることだ。
全ての楽器に共通する「良い音」の基本
ギターに限らず、どんな楽器でも良い音には共通する前提条件がある。
それは、
「聴いた瞬間に、その楽器の音だと誰でもわかる」
ということだ。
ギターならギターらしく、サックスならサックスらしく。
これが「良い音」を語る上での大前提となる。
たとえばカレーを想像してほしい。
どんなに個性的な味付けでも、美味しいカレーには「カレーらしさ」がある。
カレーの味がしなければ、それはもうヘンテコな料理だろう。
ギターの音作りも、まったく同じだ。
まずはギターの良い音の基本形をしっかり押さえること。
ここからすべてが始まる。
ギター 良い音の特徴とは?
では、「ギターの良い音」とは具体的にどんなものか?
例えば
Let It Beのあのギターソロ。
Stairway to Heavenのあの頂点へ向かうフレーズ。
Eruptionで弾ける革命的なテクニックとサウンド。
Can’t Stopのグルーヴの中を切り裂くカッティング。
などなど
これまで名演として聴き継がれてきたギターのマスターピースたち。
そこには、間違いなくエレキギターの魅力が詰まっている。
「良い音」とは、単なるセッティングや機材の話じゃない。
総じて言えば、良い音とは──ギターの歴史の上に積み重なった、無数の名演の延長線上にあるもの。
だからこそ、ギターの良い音を知りたいなら、
結局は名演を聴き込んで、自分の血肉に変えていくしかないのだと思う。
良い音ってなんだ?と迷ったら、名盤と言われてきたアルバムや名演を片っ端から聴きまくると良いだろう。
今まで多くのリスナーを虜にしてきたであろうそのサウンドが参考にならないハズがない。
音作りでやりがちな落とし穴──奇をてらいすぎる危険性
ギターの音作りにハマると、つい「誰も出していない音」を目指したくなる。
だがここで気をつけたい。
奇抜さを狙いすぎると、
楽器らしさが失われた、伝わらない音になりがちだ。
ギター 良い音を目指す上では、「個性」と「独りよがり」をしっかり区別する必要がある。
「わかる人にだけわかればいい」という姿勢では、リスナーに届く音にはならない。
シグネチャートーンを持つギタリストたち
ギターの「良い音」を追い求める上で、最終的な理想形となるのが、
シグネチャートーンだ。
一聴して、「誰が弾いているか」が瞬時にわかる。
そんな圧倒的な個性を持ったギタリストたちは、世界中に存在する。
まず紹介したいのは、ギター界に不滅の足跡を刻んだレジェンドたちだ。
ジェフ・ベック(Jeff Beck)
ひとつの音に込める表現力の凄まじさ。
トレモロアームやボリューム奏法を駆使しながら、まるでギターが歌っているかのようなサウンドを生み出した。
ロック、フュージョン、ブルース──どのジャンルでも彼のトーンは唯一無二だった。
誰も真似できない。
ジェフ・ベックのギターは、ジェフ・ベックにしか鳴らせなかった。
ブライアン・メイ(Brian May)
クイーンのブライアン・メイもまた、絶対的なシグネチャートーンを持つギタリストだ。
自作の「レッド・スペシャル」と呼ばれるギターから紡ぎ出される、分厚く、煌びやかなハーモニー。
彼の音は、バンドアンサンブルの中でもひときわ存在感を放つ。
「We Will Rock You」のソロを聴けば一発でわかる。
それがブライアン・メイの音だと。
エドワード・ヴァン・ヘイレン(Eddie Van Halen)
ロックギターの革命児、エディ・ヴァン・ヘイレン。
彼のサウンドは、1970年代後半から世界中のギタリストに衝撃を与えた。
ブラウンサウンドと呼ばれる、太くウォームでありながら歯切れの良いディストーション。
それに加えてタッピング奏法を武器にした、圧倒的なフレージング。
エディのトーンを真似したくてギターを始めた、そんなギタリストは今も後を絶たない。
日本にも存在する、シグネチャートーンの持ち主たち
世界のレジェンドたちに続き、日本にも
一聴して誰だかわかるギタリストたちがいる。
たとえば、B’zの松本孝弘さん。
彼のギターは、イントロを一発聴いただけで「あ、松本さんだ」とわかる。
布袋寅泰さんも、独特なカッティングサウンドで一瞬で誰だかわかる。
Charさんのクリーントーンには、誰にも真似できない色気がある。
最近なら、King Gnuの常田大希さん、ゲスの極み乙女。の川谷絵音さん、長岡亮介さん(ペトロールズ、東京事変、星野源)なども、強烈なシグネチャートーンを持っている。
彼らに共通するのは、
まず「ギターの良い音」の基本をしっかり身につけたうえで、自分だけの個性を築き上げたということだ。
シグネチャートーンは一朝一夕で手に入らない
憧れのギタリストの音を真似ることからスタートしてもいい。
でも、焦って個性だけを追い求めると、必ず行き詰まる。
シグネチャートーンは、ギターの良い音を熟知した先ににじみ出るものだ。
無理に個性を作ろうとすればするほど、不自然な音になってしまう。
むしろ「中身がない」のがバレる。
結局は基礎やリテラシーでしか雄弁に語ることはできない。ってわけだ。
まずは「ギターらしい良い音」を鳴らすことから
シグネチャートーンを持ちたいなら、何よりもまず、
ギター 良い音の基本を自分のものにすること。
ピッキングのニュアンス、指板上の響き、アンプの鳴り。
細かなところまで神経を行き届かせながら、「普通にいい音」を出す練習を重ねるべきだ。
普通をなめてはいけない。
普通を極めた人だけが、本当の意味で特別になれる。
最後に鳴るのは「自分の音」だけ
どれだけ研究しても、どれだけ名器を使っても。
最終的に出る音は、自分自身の音だ。
ギターは、奏者のすべてを正直に映し出す楽器だ。
格好つけても、下手に取り繕っても、音には本音が出る。
時には、自分の下手さや、未熟さを突きつけられることもあるだろう。
それでも、自分の音しか鳴らせない現実を受け止めること。
それこそが、ギターと真正面から向き合うということだ。
「ギター 良い音」を追い求める旅に終わりはない
良い音を探す旅に、ゴールはない。
新しい機材や新しい演奏スタイルに出会うたびに、また自分の音を見つめ直すことになる。
でも、その途方もない旅こそが、ギターを弾き続ける理由だったりする。
そしてその旅の途中で、あなたもきっと、
「これが自分の音だ」と胸を張れる瞬間に出会えるだろう。